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幽遊白書との出会い
 少年ジャンプを幼稚園の頃から読んでいた私は、冨樫氏の連載デビュー作『てんで性悪キューピット』が好きだったこともあり、『幽遊白書』も第1回から期待していた。『てんで〜』は所謂ジャンプ系のラブコメ漫画としての王道―エッチ系―だった為、当時小学校低学年の私は親に隠れてコソコソ読んでいたもんだ。『幽遊白書』はそんなエロスの部分を排し、不良だけど芯のある主人公が女こどもを助ける話だったので安心して読める!と思った記憶がある。冨樫氏の描く女のコが可愛かったことと『てんで〜』が打ち切りだったことから、今度の『幽遊白書』は長く続けば良いなぁ〜と思っていた。まさか、この漫画がジャンプ史上に残る人気作になるなんざ考えもしていなかった。
 受験生の話の辺りから、掲載順位も後方だった為―――そろそろ打ち切りなのかなと私は残念がっていた。生き返り=連載終了だという先入観を持っていたせいか、霊界探偵編が始まった時は驚きよりも「あぁ、この人の漫画がまだ読めるんだ」と狂喜した
(注:ジャンプでは2連続打ち切りを喰らうと追放される。当時の私がそんなデータを持っていた訳ではないが、何となく幽白終了=冨樫氏追放だと悟っていた)
 コミックスを集めるきっかけとなったのは垂金編。それまでは無理にバトル漫画に移行したよくあるジャンプ漫画という認識だったのが、左京の「侵入者が勝つほうに66兆2000億円」という台詞で引き込まれた。当時発売していた4巻までを即行で購入し、結局以後は最終巻まで付き合うことになった。個人的に好きなのは13巻〜15巻の能力バトル。特に天沼戦は涙なしでは読めなかった。幽助の魔族大隔世と魔界統一トーナメントは辛くて直視できなかったのだけど、あれがあったからこその『レベルE』であるし、後続の作家さんが或る程度の自由が許されるようになったのだと現在では納得している。




満足度:一つ星一つ星 の意味

 オンタイムで読んでいた時のワクワク感や、この漫画が後世のジャンプ作家に残した意義なども重要だとは思うが・・・・現在、読み返してみると満足度はこんなもの。随所に見られる冨樫節全開の台詞回しなどは楽しいのだが、『レベルE』『H×H』を知っている身には物足りない。何より行き当たりばったりの構成と、次々と登場する後付け設定が萎えさせる。うーむ・・・・・・




オススメ度:一つ星一つ星星半分 の意味

 終盤の絵の乱ればかりが有名だが、それ以外は比較的安定した絵である。特に魔界の扉編のクオリティは高い。そして、何よりも“自分の描けるもの、描けないもの”を熟知しているのが評価できる。バトル漫画としての描写が拙くても、それを感じさせない演出・構成を工夫している。構成力やテーマはあってないようなものだが、話題性は充分。ジャンプ黄金期の最後を支えた作品として、高視聴率のアニメとして、やおいの古典として、世代によっては8割以上の人が知っている。




『幽白』お気に入りキャラ
桑原 和真 味方チームでは断然コイツ。もうコイツが命張って適わない相手に特攻するだけで泣けてくる。垂金偏、イチガキ戦、戸愚呂(兄)戦、御手洗戦・・・・名場面は数あれど、裏男をぶった切るシーンほど熱いものはない。マジで最高の2番手キャラだと思う。
仙水 忍 多重人格者になったり、あと半月の命になったり、無茶苦茶な後付け設定はあったものの・・・・それでも彼が戦う理由に心がズタボロにされた。彼が死ぬ直前に語った「戦争も良い国と悪い国が戦っていると思っていた」という台詞は、作中で最も好きな台詞。
飛影 とまぁ、そんなことを言いつつも5巻〜10巻あたりまでは飛影が一番好きでした。なんじゃそりゃ。思うに『幽白』の中での綾波レイなんだよ。誰もが一度は「格好良い」と思う道。でもやっぱ、18巻の過去編が壮絶だよなぁ・・・・・・・




『幽白』ベスト・シーン
裏男の内部で桑原の次元刀が発動 16巻「全てが止まった瞬間!!の巻」
 「立場は違えどお互い一人の男に魅かれ」た3人と樹の対比から、幽助×仙水の緊迫感、3人の覚悟!という流れが最高。場にいる全員(御手洗のぞく)の緻密な心理描写が凄まじい。今読んでも背筋がゾクゾクする格好良さ。飛影が桑原を正面きって認めたのも、これが最初で最後。『幽白』の全てがこの回にあると言っても過言ではない!
人間界の為に、利用されただけの天沼を殺す蔵馬 15巻「悲壮な決断!!の巻」
 幽魂回帰さえなかったら、これも1位に匹敵するほどインパクトのあるシーンなのになぁ。人間全てを滅ぼそうとしながら、ただ純粋に仙水を信じた天沼を最も残酷な手段で殺さなければならなかった蔵馬のうつむくシーンが震えられる。この瞬間だけ顔をあげる飛影もニクい。冨樫義博、ここにあり。
死に場所を求めた飛影の最期の戦い 18巻「それぞれの一年 飛影 前編」「それぞれの一年 飛影 後編」
 幽助の魔族大隔世後はぶっちゃけどうでも良いとは思うんだけど、それでも飛影の過去編は外せない。忌み子として生まれ、血と殺し合いの中に育った彼が、氷河の国と妹を拠り所にして生きていく様子がとにかく切なかった。また、それらを躯に語らせる演出も良い。アニメ版の出来も凄かった。




『幽白』ベスト・バウト
浦飯幽助×刃霧要 15巻「本当の追跡者!!の巻」
 基本的に魔界の扉編のバトルは全部好きなのだけど、特に神谷戦・刃霧戦が面白い。これまで目に見える範囲での決闘ばかりだったのが、コチラの力の出せない遠距離攻撃で削ってくるのが燃え。このバトルの影響で『ファイアーエムブレム』とか『スーパーロボット大戦』のような遠距離の概念のあるS・RPGにはまったんだろうな。最後の最後で大逆転(幽助、何もしてないけど・・・)というカタルシスもあり。
蔵馬×鴉 11巻「見えない技!!の巻」〜「身を捨てて!!の巻」
 キャラとしては飛影の方が好きだったけど、戦闘は断然蔵馬の方が面白い。策と戦術と多用な引き出しが、読んでいる者をワクワクさせる。これも逆転に次ぐ逆転。決して腐女子の為だけの戦闘ではない。未知の実力と未知の能力の対決としてハイレベルな戦いをした後、最後は“覚悟”と“戦術”で決着させるところが良い。
飛影×黒桃太郎 9巻「飛影連戦!!の巻」「無敵・武獣装甲!!の巻」
 この一戦の為だけに、“右腕を犠牲にした・・・”の描写があったと言っても過言ではない。徐々に手数を失っていく飛影の苦戦っぷりと、どんどんパワーアップしていく黒桃太郎に緊迫感を覚えた。結局は飛影の“天才”によって終わるのだけど、そのカタルシスも良し。




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