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海猿との出会い
確か、アレは11月か12月―――当時高校2年の秋、一週間を終えたコンビニで雑誌を立ち読みしていた。今から思うと信じられないのだが、その頃の自分は青年漫画に疎く、特にヤング系の雑誌の区別もつかない状態だった。そんな時に偶然手に取ったヤングサンデー。「新連載!」の文字に惹かれて読んでみた第1話。「日本人なら助けるの・・・?」の台詞に震えた第2話。続く陸上捜査編にもすっかりはまり、いつの間にか『海猿』目当てでヤングサンデーを購入する日々だった。あの頃は毎週楽しみだったなぁ・・・・・・えーっと、他にやってた漫画を一つも思い出せないけど。
印象的なのは、海賊編の池澤の死――メインキャラを舞台から引き摺り下ろしてしまう一発の銃弾の怖さを知るとともに、悲しみも怒りも克服して海賊の命を救った大輔に本気で涙した。その後は、オレの趣味趣向がヤングサンデー→ビックコミックスピリッツに移っていった為にコミックス購入だけに留まるが、それでもこの作品との出会いがなければ漫画ヲタになることもなかったろうな。そういう意味では、人生を狂わされた漫画か。 |
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| 今読み返しても、作内に散りばめられているテーマの深さやギミックに震えてしまう。風化することのない“人間の意味”がココにはある。とにかく震え、とにかく泣けた。恋愛描写ははっきり言って不要だとも思い、主要事件間のエピソードはそれほど上手くないので若干の減点はあり。あと、絵柄は好き嫌いあると思うけど、女性キャラには確かにときめかないなぁ。そんなものを『海猿』に求めることがそもそもの間違いなんだけど。 |
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賛否両論ある画風は、悔しいけど減点材料とした。その分、演出などの漫画力は高めの評価。水深40mの世界・雨の中の銃撃戦・海上へ着水するジャンボジェット機―――それらの激しいアクション描写の中で、事細かな心理描写を織り交ぜる手腕は凄まじい。はっきり言って、この人でないと『海猿』が名作になりなかった。
テーマ性は最高評価。一つ一つのエピソードでコラムが書けるほど。その一方で、話題性は若干低いかな。映画化されたとは言え、漫画自体の人気は『ブラックジャックによろしく』には遠く及ばない。病院に比べて、海上保安官なんて地味だからなのか?? |
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『海猿』お気に入りキャラ
| 1 |
池澤 真樹 |
やっぱり、この人の魅力が『海猿』前半を引っ張っていたよなぁ。口うるさいけど、しっかりと後輩のことを分かっている理想の先輩だった。だからこそ、フェリー編の「何言ってる、下川!!大輔なら、どうせなんとかしちまうさ!」には本気で感動し、一つの役目が終わったことを痛感した。 |
| 2 |
酒井 直人 |
序盤の仕事人。主人公チームとは別に動くこういうポジションの人が好きだってのもあるんだけど、その分この人と組む海賊編に有頂天になった。やっぱり格好良さなたトップクラスだよな・・・・・・そういや、好きなシーンってほとんどこの人絡みだ。 |
| 3 |
佐藤 |
うーん・・・・亀吉とかコージとか好きなキャラいっぱいいるし、そもそも主人公も好きなんだけど。やっぱり、この人が相当好きだ。“名前の分からない怖い人”が、徐々に理解を示し、最後は意志を共有していく過程が素晴らしい。 |
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『海猿』ベスト・シーン
| 1 |
「オレ達・・・全員、生きてます・・・!!」 |
7巻「落涙」 |
| 海難事故がある限り、犠牲者は完全になくせないのか。誰かを見捨てなければ生き残れないのか。フェリー編が内包しているシビアな問いに、無謀にも立ち向かった大輔の答えは「仲間を信じること」だった。あの決断の瞬間と、救助の瞬間の感動は凄まじかった。作画のテンションもこの辺りから神がかってきていた。それと・・・何気ないけど、美晴ちゃんへの電話と酒井の「ほかにもあきらめていない奴らがいる」も泣きポイント。色んな人の想いがあって、だからこそ救助が成り立つんだと。 |
| 2 |
「お前にも名前があるだろう!!」 |
8巻「存在」〜9巻「名前」 |
| 客観的に見れば、やはりこの2話が一番だろうな。“命”を殺人・救難・出産という点から描き、これに“付けられた名前”を絡める深さ。深すぎて、パッと見よく分からないのが残念ではある。やっぱり震えるのは佐藤達が名乗るシーンかな。これはコミックスでまとめて読んだ方が完成度が伝わる。連載だと“タメ”の部分が辛かった。 |
| 3 |
沈みゆく機首部分で語った亀吉の「他人への理解」 |
11巻「ウソ」〜「救助」 |
LAST LIVEからは、コージ救出ではなくこっちを選んだ。てゆうか、これは9巻終盤から続く“他人と理解しあうことは出来ない”“人は生きる限り一人なのか”というテーマの答えになっている。長い長い“タメ”を消化して、このシーンで亀吉サイドと大輔サイドが一点に集約される。
同じテーマを最終決戦で描いたものと言えば『ZZ』なんかがあるけど、“タメ”がある分コチラの方が上だなぁ。海賊編同様、こちらもコミックスでまとめて読むべき。 |
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