『はるか17』(31号)+『ゼットマン』(31号)
 スピリッツ32号
 モーニング33号とサンデー34号の予告
 冬目景『ハツカネズミの時間』1話+スピリッツ33号
 スピリッツ34号
 『PEACE MAKER』全6巻+『PEACE MAKER 鐵』1〜4巻
 『かってに改蔵』最終回
 『死刑囚042』1〜2巻
 『Ecole du Ciel』4巻
 スピリッツ35号
 『Jドリーム 飛翔編』
 ジャンプ36号
 『Jドリーム 完全燃焼編』
 『幽遊白書 完全版』
 ヤングジャンプ36号+サンデー36号
 『示談交渉人M』全1巻
 『幽白 完全版』表紙予想+サンデー37号
 サンデー38号+チャンピオン38号
 江川達也 in 伊集院光のラジオ
 『I LOVE HER』全5巻
 『幽白 完全版』・表紙予想 その後
 『DARK EDGE』1〜12巻
 『幽白 完全版』+ヤンマガ・マガジン・モーニング40号
 サンデー40号+ヤングジャンプ40号
 スピリッツ・マガジン・モーニング41号
 こんな続編なら観たい!
 『鋼の錬金術師』1〜7巻+サンデー・ヤングジャンプ41号
 『グラナダ』と『ハガレン』の過去編・能力系漫画考察
 『Waq Waq』考察
 泣ける漫画
 スピリッツ・サンデー・ヤングジャンプ・モーニング42号
 『すごいよ!!マサルさん―セクシーコマンドー外伝』全7巻
 『武士沢レシーブ』全2巻
 『チクサクコール うすた京介短編集』
 『ピューと吹く!ジャガー』1〜7巻
 『死刑囚042』話(みらいちゃんから見える人間関係)
 『ブレイクショット』



04年7月5日 〜『はるか17』(31号)+『ゼットマン』(31号)

 ■ ジャンプ以外の漫画感想(多少のネタバレあり)
 『はるか17』(モーニング)
 とうとうビデオの伏線を消化し、堕ちるとこまで堕ちたもう一人の主人公。予想していた展開だといっても、実際に描かれるのは辛いなぁ。これはどんな風に着地させるんだろう。

 1.タレントとして童夢企画に復帰。
 2.タレントとしては復帰不可能、他の道で幸せになる。
 3.現実は非情である。もはや誰も助けてくれない。

 ビデオ抑えられている上に、彼女は一度“裏切り”をやってしまっているので・・・何事もなく“1”という訳にはいかないだろう。でも、裏切った元々の原因は社長の「はるかの年齢を隠す」って部分にあるのだから、“3”というのもあんまりな気がする。

 と、すると・・・・“2”か。後藤田と結婚して幸せになるとか、童夢企画にマネージャーとして復帰するとか。マネージャーばっかだな、この事務所。


 『ゼットマン』(ヤングジャンプ)
 エロい。






04年7月9日 〜スピリッツ32号

 『海猿』の原案・取材をやっていた小森陽一氏――彼は現在マガジンで『トッキュー!』の原作者をやっていて
(マガジンの原作者がどれだけ話作りに絡むかは知らないけど、まさかジャンプ・ストキン組みたいにネームまでは組まないだろう)、こちらは少年漫画過ぎてどうにも幻滅してしまった。作中でも語られたけど、「奇跡が起きて助かりました」じゃちっとも緊迫感がない。

 その小森氏が今度はスピリッツにもやって来た。稼ぐなぁ。
 こちらは海上保安庁の潜水士スタートで、どうやら民間企業のサルヴェージ屋に転身するみたい。多額の借金返済というスピリッツらしさを残し、ライバルとヒロインを出しての第1話。うーむ、なかなか面白くなりそうかな?

 しかし、最近のスピリッツは調子良いな。今週は村上かつら『CUE』が休載だったのだけど、ようやく『ホムンクルス』が面白なりそうだし、『ラストイニング』『4TEEN』『出るトコ』あたりが安定しているしで、その穴を感じさせなかった。
 「彩学にも女のコいたんだ!」とばかりに、詩織ちゃん登場から俄然面白くなってきた『ラストイニング』―――左の大砲の編入にOB会・父母会の対応だけでもお腹いっぱいなのに、日高―八潮のバッテリー論まで加えてくる豪華さ。「プラスとマイナスが揃って初めてバッテリーなんだよ!」 なるほど。
 WOWOWでドラマも放送され、スピリッツでの連載も再開した『4TEEN』も期待を裏切らない完成度。こりゃコミックス買っちゃうかもなぁ。箇条書きの手紙、泣けた・・・・

 で、この2つに比べると遥かに人気のない『出るトコ出ましょ』――タイトルが悪いんだよなぁ。すっげー面白いのに。「ななななななななっ!何を言ってるんだ、アンタは!?」 亀井さんの一挙手一投足を見ているだけでも楽しいんだよ。大人達のギスギスした作品の中で、ただ一人主人公だけが純粋に欲に満ちているところがステキだ。でも、人気ないんだろうな・・・・・






04年7月12日[駄文] 〜モーニング33号とサンデー34号の予告

 冬目景、月イチで新連載!!(モーニング)
 マジかよ。『黒鉄』放置かよ・・・・・・『黒鉄』『イエスタデイ』とバーズでやっているやつとアフタでやっているやつに加え、これで進行中の連載が5つ!? ちゃんと全部収拾つけるのかぁ。人気も実力も申し分ない作家さんだけど、これがあるからなぁ・・・・・少なくとも、月イチ連載中は『イエスタデイ』は無理だろうな。ハァ。

 でも、国家ぐるみで隔離された学園モノという題材は面白そう。しかも、それをモーニングでやるのか。アフタで良いじゃん。モーニング編集部って、何考えてるか分からねえ。



 『改蔵』『美鳥』の同時終了(サンデー)
 明けて今週・・・・・『美鳥』は円満終了で間違いないんだろうけど、『改蔵』は相当微妙だな。何かの圧力でもかかったのか? 全く別のベクトルを進んでいた2作品が、ラブっぽい引きで最終回に。『美鳥』→『改蔵』の掲載順ならパロっぽくなったのに、逆かい。サンデーって本当遊びがない。






04年7月16日 〜冬目景『ハツカネズミの時間』1話+スピリッツ33号

 冬目景の新連載、読んできた。
 『ハツカネズミの時間』―――第1話は事前情報以上のものはなかったなぁ。“隔離されている”という設定を級友の罰則で見せるとこととか、セーラー服のデザインがカッチョいいとことか、そんなもんかなぁと思ったらラスト2ページにビビった。

 「この赤いカプセル――――」
 「えっ?赤い・・・・? あ、俺は色とかそういうのが分からないみたいなんだ」

 やべえ。久々に恐怖で震えた。人体実験による記憶操作とか頭痛とかはガンダム系で慣れちゃったけど、色を色として知覚できないってのは恐怖だよ。自分が当たり前に持っている能力を、この人は当たり前のように奪われているんだ・・・・・・・そう思うと、その実験のイカレっぷりが伝わってくる。

 うーむ。まぁ、モーニングは普通に毎週読んでいる雑誌なので、2話以降がどんなに低調でも読みつづけるだろうな・・・・問題は、ホントに月イチで載るのかどうか。『黒鉄』ファンはどんな気持ちで読んでいるのだろう。


 
■ スピリッツの感想(若干ネタバレあり)
 で、対抗するはスピリッツ。
 小森陽一の原作は、第2話で早くも「・・・・・・」 何かもう「俺たちは40m以上は潜れないんだ!!」って台詞は飽き飽きなんだよなぁ。そして、主人公が無謀にもそれにチャレンジするのも。結局、この人の原作に潜水レスキュー以外に取り得はないのかって思っちゃう。

 「あー、やっぱスピリッツの新連載だし。前回の3つは全部成功だったし。そうそう連続で成功するもんじゃないな」と思った。そんな瞬間。今週(先週?)から始まった『テレキネシス』が凄まじく良かった!!
 ドラマのプロデューサーを目指してTV局に入社したヒロインが、深夜の映画枠なんてトコに飛ばされ、そこで名作映画に出会うって話。何とまぁ、俺のストライクゾーンど真ん中。作画はIKKIで『金魚屋古書店』を連載中の芳崎せいむさん(公式サイト) 『金魚屋〜』もコミックス化したら買いたい漫画の一つ・・・・って思ったら、これって元々はヤングキングコミックスで全2巻が出ているんだ!?知らんかった・・・・購入予定リストに入れとこう。
 で、その『金魚屋〜』に似た感じで、一本の名作映画に絡めて人物劇を描くって感じ。第1話は『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラに、全てを失った元敏腕プロデューサーを重ねる話―――構成・テーマ・作画、全ての面において完璧すぎる第1話だった。俺も『風と共に去りぬ』は全部は観ていないんだよな・・・NHKかなんかで放送する?ホント?
 ヒロインが古い映画に疎いって設定を描写するのに、『昼下がりの情事』をポルノ映画と間違えさせたり。うーむ、楽しい。タイトル知らなくても、ゲイリー・クーパーの名くらい知っておけよ(笑)


 シリーズ連載ということで、いつまでやるのかは微妙だけど。
 『CUE』『ラストイニング』『4TEEN』『出るトコ出ましょ』『団地ともお』に、この『テレキネシス』・・・・軌道に乗ってきたんじゃないの、スピリッツも!?



 ■ 向!結局は女のためなのかよっ!?
 村上かつら『CUE』がやばい。面白すぎる。
 了三視点、夏有視点と来て、今週は向視点。でも、明らかになったのは向のというよりも夏有の過去。小学校時代は向→夏有だったので、向はひたすら“あの時間”を取り戻したい一心で劇団を立ち上げた。でも、そんな向に夏有は「向はウチのクラスの出世頭だよね」と“現実”を語って一線を引く。この舞台が終われば、ちゃんとスターの道に戻るんだよと言わんばかりに・・・・

 上手い。上手すぎる。いちいち表現が奇麗過ぎる。
 だからこそ、向のドロップアウトの理由に一抹の不安を感じてしまう。こんな描がき方をしてしまうと「向は既に“現実”には戻れない理由があったからドロップアウトした」としか結論付けられないじゃないか。
 素直に読み解くと、ありがちなハンディキャップものの予感がして萎える。巷に叛乱しているハンディキャップもののドラマに感動している人にケチをつけたくはないし、ここで向を作中から降ろした方が了三も夏有も、1ヶ月以上出番のない主人公・竹田にも話に広がりを持たせるとは思う。その話も是非読んでみたい。
 でもね、そんなありがちな展開を何も村上かつらが描かなくても良いじゃないか。『サユリ1号』のサークル荒らしのインパクトが忘れられない俺としては、俺の浅はかな予想が裏切られることを期待しよう。でも、全部の伏線がそっちに向いているんだよなぁ・・・・・






04年7月17日 〜スピリッツ34号

 
■ スピリッツ感想(恐ろしくネタバレ満載)
 スピリッツ読んできちゃった。
 『テレキネシス』、やっぱり良いよ。第2話も完璧。ぶっちゃけ観たことない映画だったけど、それでも感動した。古典映画ばっか流しているチャンネルとかないかなぁ・・・・・この漫画で紹介された映画くらいは観たい。
 しかし、1ヶ月以上空くのか・・・・2話終わっただけなのに。村上かつら『純粋あげ工場』みたいに、4話で終わられてもビビルけど。

 で、本命の『CUE』は――――
 良かった。俺の浅はかな予想は外れていた。そして、もっと現実的でもっと絶望的な向の心情にビビる。それを向自身に言わせるんじゃなく、了三に気付かせるってのはニクいなぁ。こんな状況だから、先週の夏有の「出世株じゃん」って台詞にあんな顔をしたのか・・・・・・・うーむ、やるなぁ。

 こちらも、読んでいると舞台が観たくなる。
 確実に面白いけど、観客も作り手も少人数な劇団とかないかなぁ・・・






04年7月23日 〜『PEACE MAKER』全6巻+『PEACE MAKER 鐵』1〜4巻

 
■ 最近読んだ漫画
 『PEACE MAKER』全6巻(→Amazonの紹介ページ
 『PEACE MAKER 鐵』1〜4巻(→Amazonの紹介ページ

 ジャンプ感想の方にも書いたのだけど、友達に『PEACE MAKER』を借りた。1巻時点ではあまりのやおい臭にビビりっぱなし。隊士がそれぞれ、異常なほどに仲良いし、イチャイチャしてるし。永倉とか小動物だし。基本的には全員若くて美形だし。
 なんだけど―――『PEACE MAKER』の終盤辺り〜『鐵』に入ってからは凄いテンションで進む。さっきまでイチャイチャしていた関係が、一人の死でドロドロし始め、その関係が徐々に崩壊していく過程が読者の焦燥感を誘う。美形のキャラがイチャイチャしていたからこそ、この破滅への展開が震えるって訳さ。鬱描写はマジでグロくて最高。

 恥ずかしながら、中学の社会の授業と『壬生義士伝』くらいしか幕末の知識を持ち合わせていなかった。だからこそ、各キャラにこういう因縁を持たせて、こういう風に移ろっていくという展開が史実かどうかは知らないが「へぇ〜そうなんだ」と感心させられた。『壬生義士伝』のあのシーンは、こういう意味だったんだって。『壬生義士伝』、殺陣のシーンだけ観たい。堺雅人(沖田)のヤクザキックが観たい。






04年7月25日 〜『かってに改蔵』最終回

 話題にするのを忘れていたけど、漫画界における今週最大のニュースは『かってに改蔵』の断末魔だと思う。ネットでも異常なほど話題に出ているのでウチで俺の浅はかな考えを書くまでもないとは思うんだけど、色んな部分に垣間見える“負のメッセージ”が文字通りトラウマを作りそうだ。それでいて、何かキレイに締めている技術も逆に怖さを演出しているし。

 マジメな話、彼ほどの支持を受けていればサンデー以外でもやっていけるとは思うのだが・・・・・・ここにも移籍へのしがらみみたいのがあるのだろうか? あぁ、そうか。既に他社にはさんざん喧嘩売ってきたので、よほどのことがなければ拾ってもらえないということか・・・・個人的には小学館以外で、小学館をネタにするようなハジケっぷりを見てみたい。無責任に言ってみた。


 ま、どっちにしろ。今の体制が続く限り、サンデーには期待出来そうにないな。ジャンプも以前は似たようなことを言われていたけど、何だかんだ言って『デスノート』『銀魂』を見事にヒットさせたしなぁ・・・・・
(『ごっちゃん』『スピンちゃん』が切られたことは気にしてはならない)






04年7月28日 〜『死刑囚042』1〜2巻

 ■ 漫画紹介
 『死刑囚042』1〜2巻(→Amazonの紹介ページ

 現在3巻まで発売中。2巻の時点では妹は出ていないのね。残念。
 『おっとり捜査』『ARCANA』で垣間見せた“生と死の尊厳”を、極限まで描ききった小手川漫画の最高傑作。死刑制度廃止に向けて、死刑囚に無償奉仕をさせる新刑罰を実験的に行うってファンタジーな設定。実験体となった“042”田嶋は脳内に殺人防止用のチップを埋め込まれ、24時間体制の監視を受けたまま、ある公立高校で働くことになる。
 7人を殺して死刑となるべくだった田嶋が、様々な人と出会い、人間としての感情を構築していくんだけど―――「出会いに恵まれたね」と椎名が言う通り、ここで出会う人々がとってもステキ。この人たちが従来の小手川漫画なので、重いテーマを優しい気持ちで読める。もう、ゆめちゃんサイコー。

 ゆるーい気持ちで読んでいたら、エアポケットのように1シーンでコチラの心を鷲掴みにしちゃうのが小手川漫画。ウサギの話とじーさんの話が好きだなぁ。じーさんの話は最近にも絡んでくるんだけど、これもまた泣ける。






04年7月29日 〜『Ecole du Ciel』4巻

 『機動戦士ガンダム Ecole du Ciel』4巻について。

 うん、1巻から読み直したらなかなか面白かった。物語は『Z』の2年前という設定なんだけど、『ガンダム』『Z』の設定を無理なく利用しているのが個人的なヒット。フラナガン機関とかオーガスタ研とか、共和国となった後のジオンとか、ニュータイプ用の機体をいちはやく作りたがっている軍需企業とか。
 『C.D.A.』みたいにシャアやらハマーンやらアポリーやらのキャラ任せにしているのは、作品内だけで勝負していない気がして少し嫌だ。『G戦場ヘブンズドア』は町蔵や鉄男が主人公だから名作なんであって、都や三成はチョイ役だからナンボなんだよ。

 ということで、明暗分けた旧ガンダムキャラデザイナー勝負は美樹本氏に軍配かな。もはや『トップ!』の亜流とは言わせない。『C.D.A.』は多分切る。






04年7月30日 〜スピリッツ35号

>花沢健吾『ルサンチマン』
 なんじゃそりゃーーーっ!!
 ひとけのないアパートに、手錠によって無理矢理少女を監禁している主人公。うぎゃああ!休載明けがコレかよ・・・・・・・どんな主人公なんだよ。
>村上かつら『CUE』
 相変わらず、崩れ落ちていく人を描くのが上手い・・・・・・・
 そして、とうとう向と竹田が出会う。「それは簡単だったよ」と捨て噴く向にCUEは戻るのか。竹田はこの舞台に何を観るのか。無茶苦茶引っ張って期待を煽って、ようやく本物の芝居が描かれる。うわーっ、やっぱり今一番夢中な漫画だ。早く続きとコミックスを!!






04年8月1日 〜『Jドリーム 飛翔編』

 『Jドリーム飛翔編』、記憶にあったより面白かった。特にアルゼンチン戦。中居の自立に、中居を「仲間」だと意識し始める鷹、過去を乗り越える浜本、過去にとらわれ自分の出発点を模索するビーベ―――という4本の線に、迫丸&柳木のアツイ活躍までを描いたもんだから、立浪の“シャツも引っ張らないDF”という伏線はちょっとしか触れられなくなってしまった。その位、凄い密度とボリューム。

 それに引き換え、イタリア戦は盛り上がりに欠ける・・・・・・・
 美技連発のアルゼンチンと、超守備的なイタリアの違いって訳でもなさそうだけど。頑固なラインディフェンスvs俊足FWなんて構図は無茶苦茶燃え要素なのに、何故盛り上がらなかったんだろう。

 多分、作中ではイタリアが「良きライバル」として描かれているのに、アルゼンチンは完全な「悪」として描かれているからじゃないだろうか(試合中、これは裏返る)。それはウルグアイ戦も一緒。『飛翔編』はあくまで少年漫画チックで、悪いヤツを正義のサッカーでこらしめる話なんだ。

 一方、『完全燃焼編』では「悪」は自分たちの中にある葛藤や弱さになるので、「悪」であるザハブ戦よりも、むしろ「良きライバル」であるジュベスタン戦の方が盛り上がるのだ。そう考えると、チームが全てを乗り越えた後のイラン戦。イランが物凄い「悪」に描かれている理由も分かる。

 あぁ、読む前から総括してもうた。『完全燃焼編』、読めるのか??






04年8月3日 〜ジャンプ36号

 『デスノート』の予想が当たったのって初めてじゃないか?
 おはようございます、Qウェルです。昨日は日記をサボっちゃって申し訳ない。夜中の11時半くらいには帰っていたのだけど、そこから30分で日記を書くほど書きたいことがなかったというのが本音で。今週中は、日記に労力を注げない展開が続くと思います。申し訳ない。


 “展開”といえば、今週の『ワンピース』!
 長い長いタメを消化してようやくこのイベントがって感じです。ウソップの咆哮もさることながら、サンジやゾロの立ち位置がこのチームの味方関係を上手く表現していると思った。多分、どんなファン以上にコイツらを愛しているのは尾田氏本人なんだろうな・・・・・・・

 先週の『武装錬金』、今週の『ワンピース』・・・・・・・・最近ではほのぼのワイワイガヤガヤな日常パートが人気の和月組だけど、それらを放棄してでも描きたいものがあるんだ!って作者たちの熱意が感じられる。どちらも伏線を張りつつ、それでも描くのに躊躇してしまうような怒涛の展開。こんな展開にしなくても、人気や売上は保てるはず。『武装錬金』なんてシリアスパートにすればするほど打ち切りに近づいている。
 それでも、漫画を愛しているから描くんだろう。苦渋の選択や仲間との葛藤を。やおいや不殺などの批判も多いけど、和月組の熱意が漫画界に残したものって大きいと思うのだ。ひょっとしたら、長い連載の中で『ワンピース』は今が一番夢中になってるかも知れん。

【思い出せる限りの『ワンピ』テンション順位】
今>キャプテン・クロ戦>海上レストラン>巨人2人が居た島(名前忘れた)>アーロン・パーク>バギー戦>空島>アラバスタ>雪山(名前忘れた)






04年8月4日 〜『Jドリーム 完全燃焼編』

 今、アウェイのジュベスタン戦を読んでいる。
 実は、俺はこの『完全燃焼編』から『Jドリーム』に入った珍しいタイプ。マガジン嫌いの俺は、絶好調時の当時ですら「学校に誰かが持ってきて、置いてあるから」仕方なくマガジンを読んだ。で、『Jドリーム』にハマった。人間どこで食わず嫌いを克服するか分からないもんだ。
 ハマったきっかけになったものは客観的に評価しづらいものなんで、今まで『完全燃焼編』は過小評価していたんだけど・・・・・うん、どうして面白い。第1話からバシバシ伏線張ってあるし、タメの部分は物凄く辛いのが伝わってくるし。昨日の遠藤の退場は、立浪のレッドカード思い出した。アジアって怖いね。

 『完全燃焼編』の中でも最も好きなのが、このジュベスタン戦。
 代表チームを持てる喜び。代表として闘える喜び。国すら二分して戦っていたジュベスタン(架空の国ですよ)だからこそ、この喜びが表現できて――だからこそ、日本側でも嶋の「それこそが代表チームなんだ」という発言に繋がる。泣きまくり、燃えまくり。

 あと、芝生のトーンをスピード感出すために削っているのが、「アシスタント大変そう」なんてヲタっぽく思ったり。年齢とったもんだ。






04年8月5日 〜『幽遊白書 完全版』

 立ち読みで中身チェックしてきたー。
 『幽白 完全版』1巻(→ Amazonのページ)・・・さやかの話まで
 『幽白 完全版』2巻(→Amazonのページ)・・・蔵馬の話まで

 書き下ろしの設定資料とか当時の裏話みたいのを期待していたのだけど、皆無。『シティーハンター完全版』なんかは当時のアシスタントで現作家のコメントや担当したカットとかが載っていて燃えたのに、そういう要素は『幽白』には期待しちゃいけないのか。冨樫アシ出身でデビューした作家ってほとんどいないってことか(キユしか知らねえ)
 表紙は描き下ろし(Amazonのページで見れます)、当時のカラー原稿の色がついているのと、申し訳ない程度に『幽白』キャラのチビイラストが1ページだけ入っている。うーむ・・・・これで1000円近いのか。アコギな商売だ。

 マジメな話、ノーマルのコミックスの方が裏話みたいのが載っていてお得感は強いと思う。『とらぶるカルテット』だっけ。没になった冨樫版『プリティフェイス』の話。






04年8月9日 〜ヤングジャンプ36号+サンデー36号

>中野純子『ちさ×ポン』(ヤングジャンプ)
 先週の1番はコレかな。ちさママの番外編だったのだけど、短編としても良く出来ていて、本編ともシンクロさせていて(1泊デートとか)、お手本のような番外編だった。
 「17歳の娘には、“彼氏=好きな人”が当たり前なんだろう・・・私も十代の頃はそうだった」って切ない台詞が、ラストの伏線になってるとことか、何気に上手い。だんだん、主人公2人よりもちさママに感情移入する年齢になってきたか・・・・

 これで、作者の「Hシーン描くのが楽しくて仕方ない」って性格がなければ、万人にオススメできる恋愛漫画だったのになぁ。


>夏目義徳『クロザクロ』(サンデー)
 ・心優しい主人公が、後付けの要素でパワーアップ
 ・凶暴になっていく主人公
 ・ヒロインのビビりっぷり
 ・お互いに感じあう仲間

 ビックリするくらい『寄生獣』から抜け出せてない。


>西森博之『道士郎でござる』(サンデー)
 『アフロ田中』状態だ――――っ!


>モリタイシ『いでじゅう』(サンデー)
 この4人だけでレギュラー張っても需要がありそうな1年女子。
 『武装錬金』ですら出来なかった“この年齢になってスクール水着”やってるし、さっちゃんは単なる巨乳じゃなくてキャラとして面白いし、前回最低のエロ電話かけてた皮村が株あげたし。ふむ・・・・・ソツがねえ。

 自分としてはモチ肌のコに惹かれるのだが、貧乳フェチとしてはあくまで朔美ちゃん一本で行くべきか!?そんなことで悩むな、俺!






04年8月15日 〜『示談交渉人M』全1巻

 ■ 漫画紹介
 『示談交渉人M』全1巻 (→Amazonの紹介ページ

 『海猿』『ブラックジャックによろしく』の佐藤秀峰が近代麻雀GOLDに描いていた麻雀漫画。時期的には、その2作の間くらいに描いていたみたい。珍しく巻末にスタッフの後描きページがついていたり。奥さんは元スタッフだとか、スタッフに野村エイジという名の人がいるとか、そんな驚きが。この人のモデルなんですかね?

 タイトルに“示談交渉人”と入っているけど、そういう要素は皆無です。ヤクザの内輪揉めに巻き込まれた主人公が、ヤクザとの麻雀勝負を通して成長していく物語。
 兄貴が「面白くなかったから、お前にやるよ」とくれた漫画だったのだけど、俺的にはなかなかのツボ。命とか罪とか決意とか、『海猿』のテーマと被りつつ(台詞まんま一緒だったりもする)、ヤクザとの対決という別の角度から描くことで『海猿』とは別の面白さが出ている。全1巻ということで手軽に読めるし、隠れた傑作だと思うのだ。






04年8月16日 〜『幽白 完全版』表紙予想+サンデー37号

 
■ 便乗企画『幽白・完全版』の表紙を予想!
 BWS@HyperEditionさんでレスを貰った記念!(笑)
 あちらで“『幽白・完全版』の表紙のキャラ予想”なんて楽しげなことをやられていたので、こちらも便乗して予想してみようかなーと。即興なので、予想が外れても何もありません。パイプカットもしません。しなくても使い道ありません。

 きっかけは、1巻の表紙が幽助なのに2巻の表紙が蔵馬であることから。「普通、桑原だろ!」という声が続々。でも、完全版1巻はさやかの話までで、2巻は蔵馬の話までなんだよね。中身からいって、ここいらは無難なところをチョイスしているっつーか。
 だから、3巻以降も予想はしやすいはず!普通の漫画だったら「やべっ!2人も同時に表紙だよ!」ってなことがあるだろうが、冨樫先生だから大丈夫。多分、二人も描かないから!!むしろ、一人もちゃんと描くかどうか・・・


<傾向から予想>
 1巻は10話まで収録。
 2巻は11話から22話までの12話を収録。

 俺が作った各話データによると、全175話+番外編なので―――15巻の完全版では、1冊辺り12話計算で全部収録されるはず。もちろん区切り区切りはあるのだろうけど。


 3巻:裏切りの門まで → 乱童戦メインなので桑原
 4巻:地獄団地まで? → 四聖獣編メインなので飛影
 5巻:呂屠戦まで → 垂金・・・・・雪菜かな?
 6巻:凍矢戦まで → コエンマ?
 7巻:黒桃太郎戦まで → 何故か幻海がココに来る
 8巻:『許せない!』まで? → この巻の主役は幻海だけど妖狐・蔵馬
 9巻:左京の提案まで → 無難に鴉
 10巻:海藤戦の途中まで → 戸愚呂(弟)でしょ
 11巻:仙水の過去まで → 大穴・神谷!
 12巻:仙水戦開始まで → ここでコエンマ持ってきたら泣けるのに仙水
 13巻:仙水戦決着まで → 残ったのが樹くらいしかいない
 14巻:雷禅の死まで → 魔界編メインなので躯
 15巻:ラストまで → ・・・・フツーなら主役4人、フツーなら




 
■ 先週のサンデー37号感想(ネタバレ)
 他の雑誌が合併号休みだっただけあって、サンデー自身の密度は高かった。ただ・・・・・・俺は未だ『改蔵』終了のショックから立ち直れていない。やはり、何か足りない。『H×H』と『ジャガー』が休載のジャンプみたいだ。

>草葉道輝『大久保嘉人物語』
 『ファンタジスタ』の味を残しつつ、リアル路線の絵柄はなかなか新鮮。取材・原作くらいは他の人がやったのだろうけど、構成・演出は『ファンタジスタ』以上に完璧だった。山本監督にスポットをあてているところも好感高し。
 大久保自身よりも阿部ちゃんが良いなぁ・・・・「で、誰を見返すんだって?」とか。あと、平山がめっさブサイクに描かれているのが笑った。

>モリタイシ『いでじゅう!』
 いつの日から俺は皮村視点で読むようになったんだ・・・・・・
 俺もこうやって他人に気を使って自分の幸せを犠牲にしてきたよ。ノーマルの青春漫画なら、自分を傷つけないように頑張ってくれたことに気付いた朔美ちゃんが皮村への想いに目覚めたりするんだけど―――まぁないだろうな。

 林田に誉められて嬉しそうな朔美ちゃんはいじらしいなー。それでも、朔美ちゃんが幸せになることはありえない訳で・・・・・こんなことなら林田があの時に森さんにフラれていれば良かったんだ(酷)






04年8月23日[回復] 〜サンデー38号+チャンピオン38号

 
■ ジャンプ以外の雑誌(ネタバレ)
>水島新司『ドカベン』(チャンピオン38号)
 やっと開幕戦が終わった!!
 開幕戦は非常に面白かったけど、このテンションは現行のプロチームとの対戦でも持つのだろうか。合併・1リーグ制の問題も然り、編集部が一番冷や冷やしているんじゃないだろうか。

>モリタイシ『いでじゅう!』(サンデー38号)
 「誘いがあっただけでも感謝しなきゃだよ!」
 ・・・・あぁ、林田が森さんに惚れる理由も分かる。大人になってしまって、1週間着信0件の俺なら分かる。

>西森博之『道士郎でござる』(サンデー38号)
 ひょっとしたら、今一番楽しみな漫画はコレっぽい。
 「なんかイヤだ」のコマも良いけど、お父さんが良い!! 俺はこういう地味なお父さんの理解シーンに弱いのだ。「良い友達をもったな」とか、もー凄ぇ良いよ。涙腺緩みまくり。






04年8月26日 〜江川達也 in 伊集院光のラジオ

 先週の日曜日、伊集院光のラジオに江川達也が出演していて、これが非常に面白かった。俺的には特別に江川達也への思い入れがある訳ではなかったのだけど、伊集院との対談はどちらも大衆の広い支持よりも一部のコアな支持を得ている者同士。ということで、漫画家・タレントの垣根を越えた“全ての働くひと”のテーマとなるべく話なって興味深かった。すげー勉強になった。

 まず、江川達也が数学教師だったことに驚き。で、江川氏の目指すディープな授業を受けたい人なんて100人中2人くらいしか存在せず、40人のクラス内には1人もいないなんてことがザラだったらしい。それで、マスメディアとしての漫画家へと転身するとか。
 江川氏の漫画といえば『東京大学物語』のような暴走っぷりが特徴だと思うけど、あの暴走は元数学教師の理論と考察に基づいて、“大衆向けの部分と自分だけが楽しい暴走部分”を使い分けているとか。“自分だけが楽しい部分”を描いて支持されるなら嬉しいのだけど、そんなのは100人中2人どころか全国に2人くらいしかいなくて。そのジレンマの中で仕事をするしかないとか。
 伊集院のラジオも、室伏の記録がどれだけスゴいのかを判別するためにハンマーに近い形のゲームキューブを投げ飛ばす企画(このゲームキューブはスタッフの私物を無理矢理使ってしまう)とか、大衆向けとは言い難いニーズに支えられている。TVではそれほど重宝されない伊集院でも、100人中2人の支持を必要とするラジオの世界では大成功した。だからこそ、1枚の「面白かったです」というハガキが伊集院の支えになっているのだとか。うーむ。

 この辺り、誰しもが抱えているジレンマなのではないか。
 自分の納得いく仕事は採算のとれない「自己満足」でしかないかも知れない。それでも、自分を抑圧して蟻のように仕事を「こなす」だけでは自分は保てない。


 サイトもそう。
 アクセス数だけのことを考えていたらジャンプ感想だけ時間かけて書いていりゃ良いんだろうけど、それは自分の理想ではないもん。スピリッツの話もするし、石原さとみの話もするし、エロゲーの話もするし、ウチのユーザーさんの中には1人もプレイしたことがないかも知れないフリーゲームの話を延々とする。じゃないと、自分の言いたいことなんて言えない。そうやってバランスとってんだ。(自己弁護)



 その他にも、「デビュー前に本宮先生に「エロ描けば売れるよ」と言われた」という有名な話から、「僕は多分日本一描くのが早い漫画家だと思う」「同じスピリッツで描いている浦澤直樹も、僕がライバル視するほど早い」「でも、彼のように腕を痛めながら描いている漫画家さんは多い」という業界話まで披露してくれた。彼みたいな饒舌な漫画家さんは貴重だなぁ。でも、彼自身も漫画家を志そうとした高校生〜最近までは口下手だったとか。ふーむ。






04年8月27日 〜『I LOVE HER』全5巻

 
■ 漫画紹介
 『I LOVE HER』全5巻(→Amazonの紹介ページ

 冒頭から言い訳。今日の漫画紹介は、「今まで読んだことのなかったジャンル」に飛び込むという意味でチャレンジです。はっきり言って自信ないです。「ないなら書くな」と言われればそのとーりですけど、じゃあ一生避け続けて良いって訳じゃないでしょう。なので、拙くても頑張って書いているという部分を認めてください。頑張ってる、頑張ってる、俺頑張ってる。

 女友達に「俺、少女漫画に疎いから、なんかオススメの少女漫画を貸してよー」と言ってみて、『DRAGON BALL』全巻と交換で借りた少女漫画。コイツ、等価交換って言葉知っているのか?
 という訳で、なんだか今日の感想は“この漫画”についてというよりも“少女漫画全般”についての感想になりそう。なのに、ネットでのこの漫画の評判は「少女漫画っぽくないので男性にもオススメ!」とかばっかなの。ダメじゃん。

 それにしても、少女漫画のネット感想って禄なのがない。「私にとって最高の漫画です!」と言っている人がいても、その理由が「キャラが格好良いから」とかなの。そこか!?この漫画の良いトコってそこしかないの!?

 
少女漫画とは、絵と台詞だけで構築されているのではない。

 まぁ、有名な話なんだけど、少女漫画ってのは主人公の感情を文字で表現したり、決めゴマに絵を使わず真っ黒に塗ったり、余白を多用したり、コマとコマの間(専門用語がありそうだが、忘れた)を調節したりする。ので、パラパラめくるだけで「白い!」と思える。
 青年漫画でも心理描写の上手い作家さんはいっぱいいるけど、こういう使い方をする人はあんましいないと思う。冬目景は表情とアングルで描写するし、日本橋ヨヲコは徹底して台詞を使うし、村上かつらはコマ割と構図で描写する。白さで表現する作家なんて少女漫画家と車田正美くらいだ。

 そうだ!きたがわ翔は元・少女漫画家なんだから、きっと白さを使ってくる筈だ!と思って『ホットマン』を引っ張り出してきたけど・・・・・・確かに変則的なコマ割とか、背景を真っ白にする程度はあるけど。これは少年漫画でも行われるレベルだなぁ・・・・・・・

 もちろん、どちらが優れているという訳じゃない。表現技法なんて山ほどあって、それらを組み合わせて作るってだけだし。この『I LOVE HER』の心理描写は、余白を上手く使うってだけじゃなく、タメてタメてうわーっ!ってなる分、決めのシーンは相当クる。でも、そういう感想はネット上では一コも見つからなかったなー。
 内容の方はごまんとある生徒と教師の恋愛モノなんだけど、生徒からの一方的な片思いであることと、ライバルな女のコとの“先生の取り合い”が新鮮だった。恋愛モノというより、女同士の友情モノとして見たほうが面白いんじゃないかな。なので、「あんたの気持ちが世界一分かる・・・・」の4巻以降の展開が素晴らしいなぁって。ここをもっと徹底して描けば良かったのに・・・・

 まぁ、男キャラにキャーキャー言っている一般的な読者層と視点が違うだろうってのは間違いないけど。






04年8月31日 〜『幽白 完全版』・表紙予想 その後

 
■ 幽遊白書・完全版情報
 
 以前に書いたウチの予想はコチラ。で、3〜4巻の表紙は・・・・・・・
 3巻:桑原
 4巻:飛影

 やった!今のところ正解率100%!!
 ま、まぁ・・・ウチは各話数まで計算して予想しているからな。ちょっと卑怯な対決だったかも。すいません、BWさん。

 さて、問題は次だよな・・・・・・ウチの予想は、
 5巻:雪菜
 6巻:コエンマ

 ちょっとブッ飛んでいる? 螢子もぼたんもスルーされるって思ったので。それなら、雪菜もスルーされそうだが。






04年9月2日 〜『DARK EDGE』1〜12巻

 
■ 漫画紹介
 『DARK EDGE』1〜12巻 (→Amazonの紹介ページ

 とまぁ、この漫画――――既存のジャンルに分類するのが非常に難しくて、オビなんかには「学園ホラーミステリー」なんて書かれているのだけど、ホラーと呼ぶには違う気がするんだよなぁ。ゾンビとか吸血鬼とか出てくるけど、そういうのは全くコワくなくて、怖いのは「昨日まで仲良く話していた友達のことをあっさり忘れてしまう」自分だったり「自分より弱い相手を殺そうとして笑ってしまう」狂気だったりする。
 なので、ウチでは「学園コメディ」と分類してみた。コメディ・・・?? がんがん人が死んでるけど、それでもコメディ。文句あっか。

 そもそも、文章にすると面白くなさそうな漫画なんだよなぁ。あらすじとかを書いてみても、その魅力は全く出てこない。

 
母と死に別れた主人公・高城九郎は、それまで面識のなかった父の経営する四辻学園に転校することになる。その学校は不死族とゾンビの支配する学校で、放課後学内に取り残された生徒はその脅威にさらされることに。たまたま放課後まで残ってしまった6人は、スリルを味わうため、親友を取り戻すため、永遠の命を手に入れるため、学園の攻略に取り組むのだが・・・・・彼らは徐々に不死族の秘密に気付いていく。


 ほら、これだと全然面白くなさそうでしょ?
 上っ面だけ見ても、この漫画の魅力は伝わらないと思うのだ。

 二種族対立モノ。『mot×mot』を読んでいる方ならお馴染みなジャンルだろうか。相容れない二つの属性の対立から、次第にそのカテゴリーが無効化されて、結局は個人個人の意思が大切なんだ―――みたいな話。
 グローバル化の影響なのか、こういうテーマの作品ってヲタ向け・非ヲタ向けを問わず、結構流行っている。『ウォーターボーイズ』とかもそう。あれだって“シンクロ部を馬鹿にしてる連中”が“シンクロ部を応援している人たち”に裏返っていく話だもん。

 『DARK EDGE』も、“人間”と“不死族”という相容れぬ二種族対立を描いている作品。不死族は人間を食い物にし、人間はキャリアとなって不死族を狩り、それぞれの種の存亡のために争う。
 でも、人間にもそれぞれ思惑があって、吉国は夜の学校で暴れたいだけだし、西脇は攻略を楽しんでいたし、伊勢は人間としての自分を見限って不死族になろうとしていた。主人公・高城九郎は「もう誰も死なせたくない」と、人間も不死族も一緒にやっていく道を模索し、現・不死族の土屋や佐藤のことを肯定しながら、「他人を食い物にしてでも生き延びたい」と不死族に憧れる伊勢を否定する。

 ――――そう。『武装錬金』パピヨン編に通ずるものがある(こっちが前出だけど) 草や獣を食す人間が、人間を食す不死族を否定するには・・・・・そこにはテーマとしての死生観が描かれ、登場人物一人一人の考えが存在する。


 まぁ、ここまでは観念的な話。これだけだったら、ここまで面白い漫画にもならなかったろう。この漫画が極上の娯楽漫画として成り立つのは、もっと分かりやすい――――キャラの動かし方が優れているからなんだ。
 メインとなる主人公チーム6人は、目的も思想も情報量もバラバラ。例えば、吉国は夜の学校で暴れたくて、それを高城は「そこも含めて友達だ」と言えるけど、実際に暴走した吉国に殴られた西脇は「ついていけない」と一歩ひいている。こんな感じでAというキャラがBのことをこう思い、Bとは違ってCはAをこう思っている・・・みたいな描写が徹底されているので、6人のキャラが非常に立っているんだよね。大塚英志と組んで描いていた『聖痕のジョカ』の頃から、相川先生はこういうのが上手かった。各キャラの思惑とストーリー展開を絡めるのが。
 こんな6人が協力するのは、それぞれ目的が違うんだけど―――その為の手段が一致するから協力し合うんであって、「クラスメイトだから」「仲間だから」のような軽い友情ごっこで付き合っている訳じゃない。非常にリアリティを持った人間関係であると思うし、別々の考えを持った主人公が6人いるというのが好きだ。

 ダメな例として挙げるには気が引けるけど、俺が『BLEACH』尸魂界編におけるチャドや織姫の存在意義に疑問を持っているのはここの部分。仲間になることが前提で、その後に「ルキア救出」という目的を全員共通のものにしちゃったから、結果的にコイツら居ても居なくても一緒じゃん感が出てしまった。(もちろん、今後描かれるって可能性もあるけどね・・・) ジャンプ漫画だと慣れっこだけど、こういうのはやっぱり萎えてしまう。デフォルトで全員目的が一致→団結なんて、一番大切な部分を抜き去っちゃってると思うのだ。


 さて、こんな風に主人公6人の思惑が同時進行して、同じく不死族もそれぞれの目的のために同時に動いてて、それとともに四辻学園と不死族の謎(というか設定)がどんどん明らかになっていく。冒頭のジャンル分けの話に戻すなら、「人間ドラマ」と「謎解きミステリー」に「ゾンビとか吸血鬼」を混ぜたような感じなのだろうか。
 相川漫画のライトなノリもこれでもかってほどに前に出ているので悲壮感やグロテスク感はほとんどないし、シリアスなはずのシーンでも噴出させてしまうギャグセンスも健在。むしろ、↑の方で長々書いた哲学的な部分よりも、そういったライトなノリの漫画が好きな人の方がはまれるかも(設定のややこしさを楽しめるかどうかは問題だが)

 漫画を楽しむことに労力を向けられる人(=ヲタ)には、是非オススメしたい漫画。






04年9月3日 〜『幽白 完全版』+ヤンマガ・マガジン・モーニング40号

 
■ 『幽白』完全版情報
 『幽白 完全版』3巻(→ Amazonのページ)・・・玄武戦途中まで
 『幽白 完全版』4巻(→ Amazonのページ)・・・垂金登場まで

 カラー表紙とおまけのチビイラストは、1・2巻のそれよか全然丁寧に描かれている。蔵馬と違って、飛影には愛着あるのかな?
 それにしても、ストーリーの区切りのいいところまでって考えは編集部にはないのね。垂金編を1話だけ入れる根性に萎え。こうなると、5巻の表紙は雪菜じゃなくて戸愚呂兄弟って気もする。しまった。


 
■ ジャンプ以外の雑誌(ネタバレあり)
>桜庭コハル『みなみけ』(ヤングマガジン)
 ハルカ様の水着姿が拝めたので、もはや夏に悔いはありません。

>塀内夏子『覇王の剣』(少年マガジン)
 鷹の少年時代みたいなヤツが主人公かと思いきや、こいつが張飛かよ!三国志モノだとは知らなかったので(でも、トビラに孔明っぽい人がいるんだね)、素直に驚いた。
 何はともあれ、マガジンに楽しみな作家さんが戻ってきたよー。

>山崎さやか『はるか17』(モーニング)
 はるかすら上回るユリの急成長に驚くも、その裏にあるどろどろした感情に期待してしまう。「ざけんな」とか(心の中で)言っているし。この辺り、小さな事務所が一丸となって売り出しているはるかと、事務所の圧力で商品として売り込みにかかっているユリの対比みたいのがあるのかな?

>こしのりょう『Ns’あおい』(モーニング)
 モーニングを読んでいるほとんどの人が『ブラックジャックによろしく』のがん治療編を読んでいるとみなして、告知とか終末治療とかの問題点をすっ飛ばしている。これはこれで「2匹目のドジョウ」を超えた思い切りの良さではないだろうか? 結果的に、1話完結が奇麗にハマっているし。いつの間にか、モーニング週1組の中で1番か2番に楽しみにしている漫画になっていたよ。

>須賀原洋行『新釈 うああ哲学事典』(モーニング)
 終わってしまった。大体、丸1年くらい?
 自分の中では、『かってに改蔵』が終わったのと同じくらい寂しい。哲学の内容うんぬんよりも、それを如何に消化してコントに仕立てるのかが楽しみだった。「勉強になるか?」と言われれば、まだ『ドラゴン桜』の方が勉強になりそうだったけどね。







04年9月6日 〜サンデー40号+ヤングジャンプ40号

 
■ ジャンプ以外の雑誌(ネタバレ)
>藤木俊『こわしや我聞』(サンデー40号)
 サンデーで楽しみな漫画といえば、今は『結界師』『いでじゅう』『動士郎』なんだけど・・・・その次に楽しみな漫画の一つがコレ。前半で國生さん→我聞への心配がこれでもかって描かれ、それが後半裏返って我聞の「ウチの社員を泣かすんじゃねえ!」になったのがすげー爽快だった。これは、意外に化けるかもなぁ。

>小手川ゆあ『死刑囚042』(ヤングジャンプ40号)
 あー、そうか!ゆめと田嶋の話を無視して終われる訳ないよな。
 ということで、クライマックスだと思われ。大人になっていくゆめと、とうとう刑務所に送り返される田嶋―――女子高生と死刑囚なんて、これ以上ないほどに高い障壁に阻まれた関係じゃねえか。 それでも、ゆめちゃんには幸せになって欲しいなぁ・・・・・・・しみじみ。

>きたがわ翔『千夏のうた』(ヤングジャンプ40号)
 兵士を洗脳する宗教指導者―――――!!
 あまりに唐突で、驚くのも憚れる衝撃の事実。違う漫画なんじゃないかと思った。というか、未だによう分からん。何なんだ、この展開は?







04年9月10日 〜スピリッツ・マガジン・モーニング41号

 
■ ジャンプ以外の雑誌(ネタバレ)
>小田扉『団地ともお』(スピリッツ41号)
 今週の1番星。
 去る人がいて、それを忘れてしまう僕らがいて・・・・・・・それでも、覚えていてくれる人がいるんだよという話。泣いた。今思い出しても泣ける。

>江川達也『日露戦争物語』(スピリッツ41号)
 坪井すら堪えられなかった3000mの壁。それを平然と突破した東郷平八郎。彼らが1500mまで近づいた時、奇跡は起こるのか!?
 あっちー、無茶苦茶あちー。

>塀内夏子『覇王の剣』(マガジン41号)
 テンション高っぇー!
 殺伐とした古代中国をベースに、ちゃんと少年漫画やってます。三国志モノは新撰組と並んで“既存のイメージとどう折り合いをつけるのか”が鍵になるので、この張飛が読者にどう受け止められているのかが気になる。個人的には、このままの路線が読みたいんだけどなぁ・・・・

>山崎さやか『はるか17』(モーニング41号)
 どん底まで落ちたユリの復活物語。
 しかも、生い立ちが複雑で、事務所もアレだし、こうなったらユリも応援せざるをえないなぁ。ただのかませ犬だった時代は終わったのか。今後のバトルに期待大。







04年9月12日 〜こんな続編なら観たい!

 『ちゅらさん3』と『SEED DESTNY』に絡めて、続編モノは1作目を絶対に超えられないから萎えるーみたいな話を書こうと思って、ジョギングしながら構成考えていたんだけど・・・・・・

 そういや、俺は『ウォーターボーイズ2』観てんじゃねえか。
 石原さとみに萌えてんじゃねえか。

 ダメだ・・・・・・・・俺が何を書いても説得力が・・・・・・ない。
 ということで、昨日の日記はサボりましたとさ。続編モノで1作目を超えたと言えば、劇場版『ガンダムF91』→漫画版『クロスボーンガンダム』のケースは後者が前者を上回ったレアなケース。作画家も媒体もノリも発表時期も異なっているんで、一概に比較は出来ないけど。トビア燃え。ザビーネの壊れっぷりが激しく面白い。



 
■ 突発企画!こんな続編なら観たい!・・・・かも
 『SLAM DUNK2』
→ 桜木のリハビリ生活を延々と描く話(そりゃ『リアル』だ)
 『幽遊白書2』
→ 不況の中、ラーメン屋で一山あてて大もうけする幽助の話
 『幽遊白書2〜桑原ver.〜』
→ 見事に骸工大に進学した桑原が一流のエンジニアを目指す話
 『DRAGON BALL2』
→ 超サイヤ人10の出現、ナッパやクリリンの超サイヤ人化、悟飯・ベジータ・パン・デンデ・ピッコロ・ミスターサタン・悟天・トランクスがフュージョンしてゴハベジパンデンピッコロサタゴテンクスになる話。
 ※ って、全部ドラゴンボールAFのネタじゃねえか・・・・・・
 『シャーマンキング2』
→ 温泉女将の話(ハオ戦は続編でもスルーされる)
 『Vガンダム2』
→ V2ガンダムと間違われがちな話。
 『いちご100%2』
→ 同じ内容を青年誌で描き直すだけ。






04年9月13日 〜『鋼の錬金術師』1〜7巻+サンデー・ヤングジャンプ41号

 『鋼の錬金術師』1〜7巻(→ Amazonの紹介ページ

 一応書いておくけど、現在は8巻まで発売してます。ただ、手元にないだけ。数ヶ月前、アニメ化→大ブームの中でスクエニのミニ株を持っている兄貴に「『ハガレン』ヒットで儲かってるー?」と訊いたのが最初。興味を持った兄貴が当時出ていた7巻までを大人買いし、「あ、なんか俺にはあわないわ。お前、読むなら貸してやる」と我が家に来たのです。8巻以降は自力で買えってことですか??

 ウチで取り上げるほどもないほど有名な作品だけど、良い感じに世間的な熱も冷めてきたので今更ながら。あ、アニメはほとんど観てないので、その辺ツッコまれても知りません。俺にとって4クールのアニメは長すぎです。
 さて、お話。物体を理解・分解・再構築する錬金術師の話だけど、作者さん自身も仰っているようにトンデモ錬金術=魔法みたいな解釈で困ることはないです。ただし、等価交換・質量保存の法則・魂の練成などなど独特のカッチョ良いルールがポイントです。錬金術といえども、世界の法則には逆らえない―――みたいなバッグボーンがあって、とってつけた超能力マンガとは一線を置いている感じ。
 主人公エドワード・エルリックは錬金術師のルールを破り、死んだ母親を復活させようとして失敗。自身の左足と右腕、弟の全身を失い、これを取り戻すために“賢者の石”を探す旅に出る。国家錬金術師なる資格を取り、軍人の協力を得て“石”を探すのだが、その軍隊を巻き込んだ不穏な事件が各地で起こり―――エルリック兄弟もこれに巻き込まれていくのであった。

 とまぁ、こんな話。売れるだけあって、売れそうな要素がバシバシ盛り込まれている。国家資格を持った主人公とか、軍隊にいながらそのカテゴリーに縛られないカッチョいい上司とか、整備士がヒロインとか。各ポイントにそれぞれキャラを配置して、それらを上手く動かしているんでキャラ人気も出るのが納得。個人的に、野心に満ちたロイ・マスタングとリザ・ホークアイのコンビが好き。
 でも、それだけのマンガじゃない。ここからが重要。マンガが上手いとはこういうことだ!ってネーム力こそが、この作者の凄いところだと思うのだ。ネーム力なんてヲタくさいことをほざくのもアレなんで言い換えると、構成・コマ割・アングル・引きの上手さというか。もっとヲタくせえ。
 要は、自分の絵の特性を理解して、それを上手くマンガに仕立てる技術に優れているということだ。絵も上手い。でも、それを使いこなす演出力はもっと凄い。もう芸術的な域であるほどに。

 見せゴマはしっかりと見せれるし、カッチョ良いシーンはしっかりカッチョ良いし、ギャグはちゃんとギャグになっている。作者の言いたいことをほぼ100%読者に伝えられるからこそ、キャラ人気だって出るのだと思う。良いシーンが良いのだと思う。これらを活かしきった3〜4巻の兄弟話は最高。生まれ持った漫画センスなのか、漫画ヲタゆえの自己研究のたまものなのか。多分、後者なのだろうなぁ〜。


 でも、細かい不満点がいっぱいあるのも確か。
 4巻までは確かに名作ペースで話が進むのだが、そこまで広げきった風呂敷をたたまないまま新しい風呂敷を広げる一方的な展開。次から次へと新しい敵みたいのが出てきて、そのまま散らばっていくというか。この話、本当に決着つくのかって不安要素も。まぁ、20巻30巻も続けていくつもりなら仕方ないか・・・・・・個人的に10巻超えると急激に萎えちゃう天性の飽きっぽさを持っているので、4巻までのペースで話をまとめてくれたならと思わざるを得ない。

 それと、「軍の狗」に成り下がったエドの心中を描くなら、軍に服従させられるシーンを早めに描いておくべきだったんじゃないかなぁ。7巻までの話だと、軍がひたすら楽しそうだもん。エド、良い暮らししてるなぁって。それを裏返すシーンが今後描かれるとしても、やっぱり初期に入れて欲しかった。これは個人的な趣味で。


 良い意味でも悪い意味でも、漫画ヲタが作った漫画ヲタに売れるために作ったような作品。バブル気味なブームが一時的なファンとアンチを生んだりしてるけど、数年経って落ち着いたときにも、漫画ヲタだけはブーム前と変わらずに愛している作品なんじゃないかなぁ。俺としては、「ブームのうちに完結させろよ」と言いたいのだけど。




 
■ ジャンプ以外の雑誌(ネタバレ)
>藤木俊『こわしや我聞』(サンデー41号)
 國生さん、兄嫁計画!!
 なんかもう、何をやってもやられても國生さんは絵になるなぁ・・・と前半でほのぼのさせといて、後半に悪の組織みたいのが出てきた。大企業vs零細企業という構図? やっぱり、どんどん化けていく漫画だ。

>小手川ゆあ『死刑囚042』(ヤングジャンプ41号)
 行動とは理由とか目的を伴うことが全てじゃなく、“今できること”を必死に行うことだけでも大切なんだよ。周囲を勇気付けていくのって、そういう日々の行動なんだよって話。
 
満点。あぁ、もう何て素晴らしい話を描くんだ!泣いたよ、悪いかよ、泣きまくりだよ!椎名の花が田嶋を勇気付け、田嶋の花がゆめを勇気付ける。「それって、とても凄いことだよ」 何かを求める行動じゃない。でも、色んなモノを与えてくれる人がいるから頑張れるのだし、色んなモノを与えたい人がいるから頑張れる。この漫画の人たちって、そうした優しい世界で生きているんだ・・・・・・・・


 今思い出しても、まだ泣ける。
 先週末は苦悩とか葛藤とかあった苦しい時期で、「俺はこの先どうなるんだろうなー」と漠然として不安に押しつぶされていた。真っ当な道を歩みたいなら、まずサイト作りを辞めること。そんなこと分かっている。自分の今の行動が、直接未来を切り開くとは思えない・・・・・
 でも、笑顔でCDデビューを断ったゆめを見て、ちょっと元気になってきた。行動の全てが未来に繋がる必要はないんだ。こうして俺が必死に生きている様子を見て、誰かを勇気付けることが出来るなら・・・・それだけで俺が生きている価値はあるんだ。多分。

 まだまだ退場は出来ない。
 俺には未だ『漫結』でやるべきことが残っている。






04年9月14日[考察] 〜『グラナダ』と『ハガレン』の過去編・能力系漫画考察

 週末『ハガレン』一気読みして、週明けにいとうみきおの読みきり読んだせいか―――いとうみきおの『グラナダ』って、まんま『ハガレン』だったことに気付いた。あの当時は『ハガレン』の存在も知らんかったので気付かなかった・・・・・・・
 1.分子分解
 2.主人公2人の性格付け
 3.壮絶な過去編
 『グラナダ』の連載当時、『ハガレン』の過去編がどこまで明らかになっていたかは知らんのだけど、『グラナダ』最大の失敗は過去編を1クール後半に置いたこと。最初から過去編やっていれば、少なくとも1クール打ち切りはなかったんじゃないかなぁ・・・・

 和月組だけの傾向じゃないと思うけど、過去編を切り札として使う漫画って多くない? ちょっと、安易な選択過ぎてどうかと思う。“過去”というのはあくまで設定であって、わざわざ時間軸ずらしてまで数話かけて描くのはリスキーだと思うんだよ。人気が、という意味でなくて、質が、という意味で。
 キャラクターの描写をきちっとしていれば、わざわざ過去編なんざやらなくても読者には伝わるはず。それができないってことは、回想シーンだけでは描けない程度の構成力だと自分で証明しちゃっているようなもんじゃないか。それだったら、いっそのこと過去編を最初にもってくれば良いじゃん。


 何が言いたいのかって?
 俺だって分からん。



 
■ 能力系漫画・考察
 ウチにリンクしてくださっている『ガッシュ’s&外伝』で、なんだかオモシローなことをやっていらっしゃるので御手伝い企画。横行する一芸バトル漫画系の、水・氷・火・雷・爆発の属性攻撃キャラをまとめる企画っぽい。(その他→能力系のコーナーね)

 超能力漫画に関しては、色々と考察の余地がありそう。上記サイトではジョジョ系スタンドバトルに限定しているけど、筒井康隆の『七瀬』(漫画版は山崎さやか『NANASE』)みたいなテレパス作品とかをまとめるのも面白そう。“日常世界の中の異能力”という点で絞り込めば、『寄生獣』だって『白詰草話』だって該当するし。

<能力系漫画カテゴリー分け>
1.『ジョジョ』『H×H』系・超能力バトル漫画。AというキャラがBという能力を持ち、他のキャラがどんなに努力してもBという能力は得られないのが特徴。
※ 『ドラゴンボ−ル』の類は入らない。あれは、修行次第で皆がかめはめ波を撃てるので。

2.1の発展系で、Aというキャラ=Bという特技という漫画。代表的なのは『テニプリ』。山ほどキャラを出しても、禄に性格付けをせんで特技だけ考えれば良い。キャラ漫画がブームになる前から存在はしていた(例.菊丸=分身する人)

3.『ジョジョ』以前からある、いわゆる超能力系の話。テレパシーから変身ヒーローまで幅広く、コメディからリアルまで様々な切り口が試されている。人間の歪んだ部分を見ることができる山本英夫『ホムンクルス』とか、守護霊と話が出来る小手川ゆあ『ARCANA』とか。


 1の分野は『ガッシュ’s&外伝』さんに任せるとして、ウチとしては3をやってみようかなぁ。時間があれば・・・・それこそ膨大な量のデータベースになるし。
 で、ウチにある漫画で『ガッシュ’s&外伝』さんで取り上げられてなかったのを↓に3つほどピックアップしてみました。勝手に持ってっちゃって下さいな。『封神』は、実は近い将来『漫結』で取り上げる予定の作品・・・・だったのだけど、『Jドリーム』で長編漫画はウンザリしているので『サクラテツ』にしようか迷っている。

<私信>
 そういや、氷系・凍矢の「魔笛霰弾射」―――コンペイトウを吹き付けるってのはネタですよ・・・(笑) 本来は、“コンペイトウ状の氷の弾丸を吹き付ける”だと思います。僕は「暗黒武術会編で最弱キャラは凍矢」説を唱えているので、あんな風に書いているだけです。。


藤崎竜『封神演義』
<水>
 高友乾(混元珠)
 聞仲の部下・九竜島の四聖の一人。
 金鰲列島の下の海に片割れが浮かんでいるので、そこから大量の海水を呼び出す。津波を起こしたり、水のバリアを張ったり。

 ナタク←漢字変換できず(混天綾)
 ナタクの腰布。水を振動させ、ある程度なら操ることができる

 竜吉公主(霧露乾坤網)
 浮かんでいる水の塊から大量の水を出して操る。槍のように敵に突き刺すだけではなく、薄い水の壁で自身の体を守ることもできる。まさに攻防一体。恐ろしく強いのだが、仙人界でしか暮らせないという哀しい存在でもあった。美人。

<火>
 陳桐→太公望→黄天化(火竜ヒョウ←漢字変換できず)
 火竜の息を鍛えてできた宝貝。その炎は岩をも融かす。ブーメランのように投げつけ、その不規則な軌跡に炎の壁が生まれる。使うのが難しいためか、持ち主を転々とした。

 劉環(火鴉壺)
 溶岩状の火の鳥を操る宝貝。物凄い迫力だが、よりによって相性最悪の竜吉公主が相手だったので瞬殺された。

<雷>
 申公豹(雷公鞭)
 最強の宝貝で、7つしかないスーパー宝貝の一つ。
 最強すぎて出番がほとんどない・・・・・・莫大なエネルギーの雷を操り、その威力は通天砲の倍以上という無茶苦茶っぷり。

 雷震子(天騒翼)
 変人・雲中子のふしぎな杏を食べたことにより生えてきた羽。雷と風を発生させることが出来る。

<氷>
 袁天君(寒氷陣)
 空間内にのみ、氷を自由に操ることが出来る。氷の固まりだけでなく、吹雪を起こすことも。強いはずなのに、自然系相手には滅法強い普賢真人が相手だったので、あっさり敗北。

<爆発>
 姚天君(落魂陣)
 空間内にのみ、呪符を自由に操ることが出来る。魂魄を消し飛ばす落魂の呪符と、触れたものを爆発させる破壊の呪符。爆発の威力は、土の壁を破壊できるが韋護に「何のこれしき」と言われる程度。


 ※ 普賢真人(太極符印)
 本来は元素を操る宝貝なので、爆発を起こす訳ではないが・・・・袁天君戦で、“少年漫画史上初めて単独で核爆発を使ったキャラ”なので。


皆川亮二『ARMS』
<火>
 高槻涼(ジャバウォック)
 厳密に言えばジャバウォックが操るのは火ではないが、↓と対比させてこう呼ばれる。反核子からなる原子核と、陽電子から構成される原子によって組み立てられた反物質を生み出すことができる。この反物質1gが20kt分の原子爆弾に相当するがゆえに、全てを燃やし尽くすARMSと呼ばれる。

<氷>
 黒いアリス(バンダースナッチ)
 別名“氷の女王” アル曰く、ナノマシン分布型のARMS。
 接触した物質の組成を変え、大気中の窒素を液化させる。液体窒素は大気から熱エネルギーを奪うので、理論上では−196度までの極低温を生み出すことが出来る。まさに最強のARMS。


冨樫義博『レベルE』
<水>
 清水良樹(カラーレンジャー青)
 ・バトルウォーター・・・喉を潤す。無味無臭。
 ・バトルポカリ・・・喉を潤す。栄養補給。
 ・蛙ぴょこぴょこみぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ(を正確に2.5秒以内に叫ばなければならない)・・・水の中で24時間生活できる

<火>
 赤川太陽(カラーレンジャー赤)
 ・バトルマッチ・・・小さな炎。すぐ消える。
 ・バトルライター・・・小さな炎。マッチより長持ち。
 ・リルボム・・・赤川曰く、「戦闘向け」の能力。離れた対象物に爆発をぶつける?
 ・バスガスバクハツバスガスバクハツバスガスバクハツ・・・不明(笑)






04年9月15日 〜『Waq Waq』考察

 連日、藤崎漫画の話題。『Waq Waq』に出てくる賢者ヨキ様が、初期読みきり『TIGHT ROPE』(WORLDS収録)に出てくる賢者ヨオキのリメイクキャラだというKTRさんの指摘を読んで、本棚の奥から『WORLDS』引っ張り出してきた。
 なるほど、『Waq Waq』の世界観自体が『TIGHT ROPE』のソレに無茶苦茶似ている。いろんな感想サイトさんで、「黒い血をした人間とは結局は機械なんじゃないの?」と言われていた理由もこの辺かな。逆に、初期藤崎漫画に思い入れがない若年層には「よくわかんね」と言われる所以もここか。

 『TIGHT ROPE』は、人間が管理者とよばれる機械(のような存在)を作り上げ、それに自分たちを管理させる話。でも、そこから脱却したくて逃げ出した管理者が出てきて、管理されることでしか生きられない人間たちが失った「自由」という感情を手に入れていくんだよーってラスト。なんか、手塚漫画に似たのがあったような。
 この漫画のラストシーン、賢者ヨオキのモノローグで締めるんだけど―――
「我々人間は神によって造られ、神の定めた運命のとおり生きる。だが、その人間の造ったもの(=主人公である管理者)には神は運命を定めない。そのおまえ達の力で、人類の運命を変えてくれ。私はそのためにおまえ達を利用する」 うーん、『Waq Waq』のヨキ様の根底にも似たようなものがあると見た。つまり、神と呼ばれる女のコを連れて来た“黒い影”を打倒しようとするポジションなんじゃないかな。


 藤崎漫画は、『封神演義』も『サクラテツ』も、この“運命を作り上げる存在”への抵抗の話だからね。運命なんか関係ない、自分の意志が大事なんだよーみたいな。
 『TIGHT ROPE』続編のプロットみたいのがあとがきに載っているのだけど、ここで“膨大すぎる記憶を持つ管理者”“賢者ヨキの目的”みたいなのを語るつもりだったけど、別のマンガに使えそうなんで種明かしはしないとか書いてあるな。『封神演義』ラストのことかと思ったけど、ひょっとしたら『Waq Waq』にも絡むのか? だとすると、今作が藤崎漫画の集大成なのかも知れない・・・・・・・・






04年9月16日 〜泣ける漫画

 「泣ける話」と言えば、『ジャンプ妄想局』さんで「泣けた漫画」特集で投稿を募集してます(直リンはこっち) 僕も目下毎日(義務で)読んでいる『Jドリーム』を投稿してきました。ドーハでの韓国戦は、激泣きです。あのシーンを開いただけで泣けます。この漫画、もし日本代表がアメリカW杯に出場して、全14巻で完結していたら・・・・・・文句なしで他人に薦められるのになぁ。全32冊は、ちょっと長すぎ。
 しかし、自分以外にも漫画で泣いている人がいて安心ですよ。読んだことある漫画は、大抵「あっ!そこは俺も泣いた!」ってのばっかり。良かった、自分だけじゃなかったんだ。シーザーとかポップ覚醒とか「ドラえもん、僕勝ったよ」とか「さよなら望ちゃん・・・」とか。『うしとら』と『俺フィー』は恥ずかしながら未読。サンデーは完結まで長いから、手出しにくいんだよなぁ・・・・・・



 
■ そんな訳で、自分的「泣けたシーン」ベスト5!
 メジャー・マイナー関係なく、これまでに号泣したシーンを思い出してみようと。電車の中で泣いたり、日記書きながら泣いたり、思い出して泣いたり、そんなんばっか。



 5位:「まだだ!あきらめるな、先輩!!」
 ―――『武装錬金』4巻・武藤カズキ
 いや、これは歴代漫画の中でも上位に入るでしょ。1話の中で二転三転させ、『るろ剣』追憶編を思わせる哀しいラストに、主人公の意志だけがそれを脱却させる名シーン。演出・構成・心情描写、全てがパーフェクト。
 『武装錬金』はこれ以外にも泣きシーンが満載。「顔が見えなくたって・・・」とか、「嗚呼―――俺の名前」とか、「さようなら、ブラボー」とか。



 4位:「・・・わかってくれるか。許して、くれるか」
 ―――『Jドリーム』13巻・本郷剛
 『妄想局』さんにも送ったドーハでの韓国戦。その前の「・・・玉砕はだめだ、本郷さん。10人で・・・残される者の身になってくれ」の富永の台詞から、家族を捨ててまで追いかけてきたものが分かった本郷の、最後のオフサイドトラップ。「それでも、サッカーが大好きで・・・」

 涙なしでは読むことが出来ない1話。つか、今もまた泣いた。



 3位:「―――ああ まだ、恋をしている。」
 ―――『最終兵器彼女』3巻・ちせ
 展望台で一人シュウジを想うシーンから、「さっきまで何度も何度も胸の中で練習したセリフの最初の一行しか・・・」、「涙は勝手に出てくるんだ・・・胸の傷は、まだ人間の部分がある証拠なんだ・・・!」まで。もう、この巻は最初から最後まで切ない。台詞回し、演出が最高。
 でも、この後、高橋先生自身がぶっ壊れて話が無茶苦茶な方向に行くのも、別の意味で切ない・・・・・・



 2位:「オレは、いろんな人のいろんな愛情に気づかないで、呑気に17年間過ごしてきたよ。裕美子さん」
 ―――『G戦場へブンズドア』3巻・堺田町蔵
 最終話の都先生も素晴らしいけど、“泣き”というならコッチ。
 点はいつしか線になる。「この手を使って生きていくしかないのに、この手がある限りは、大事な人まで傷つけちゃうんだよね」 それでも、人に前を向かせる漫画が描けるのか。

 言語化不可能。手元に2千円ある人は、とにかく読んでくれ。全ての漫画を愛する人に捧げたい一作。



 1位:「もし運良く生き延びて戦争が終わったらさ、必ずこのコロニーに帰ってくるよ。会いに来る。約束だ」
 ―――『ガンダム0080』最終話:バーナード・ワイズマン
 もう、これを入れずして何を入れる。最高。一コだけ映像作品で卑怯だとか、そんなチッポケなことを言うな。詳しいことも言いたくない。とにかく、小銭握り締めてビデオ屋に行って、全巻レンタルしてくれ。

 この作品も、腐るほど観返して、決まって最後で号泣してしまう。ガンダムにもメカにも興味なくていいから、単純に反戦ドラマとして観て欲しい。いや、マジで『Z』とか『W』とかを観るんなら、こっち観ろって。






04年9月17日 〜スピリッツ・サンデー・ヤングジャンプ・モーニング42号

>中原裕『ラストイニング』(スピリッツ42号)
 まさか作品内で“あだち充かよ”なんてツッコミが入るとは・・・・
 今週の『デスノート』読んで思ったけど、ミサミサと詩織ちゃんって似ている。表情の動かし方とか、ツッコミ方とか。そして、どちらも男に相手にされてない。てゆうか、詩織ちゃんの「何、このドキドキした感じ・・」ってセリフはそういう意味だったのかよ。

>石田衣良&海埜ゆうこ『4TEEN』(スピリッツ42号)
 え―――っ、次週が最終回!??
 山場なく終わっちゃったなぁ。ダイの事件の頃が最高潮で、その後はどんどん尻つぼみになっていった印象。原作通りの展開だから仕方ないとか。勿体無い、もうちょっと漫画としての構成を考えて欲しかった。

>稲光伸二『出るトコ出ましょ!』(スピリッツ42号)
 亀井さん、解雇!!
 そりゃそうだ・・・・捨ての事件かと思いきや、なかなか重要な展開だったぽい。数週間前の後藤田さんの「あのコ、意外に向いているかも・・・」というセリフが今後の伏線になるんだろうな・・・・・誠意が伝わって、みたいな。ベタだ・・・・・・・

>田辺イエロウ『結界師』(サンデー42号)
 三重結界に燃える!!

>高野洋『国境を駆ける医師イコマ』(ヤングジャンプ42号)
 上半身だけを吹っ飛ばす地雷・・・・・・
 皮肉なことに、この漫画のおかげで地雷には詳しくなった。次から次へと悲惨な展開で、責任追及が始まる・・・・・これが戦争の傷痕なんだ。誰も得をせず、人が死に、人が罰せられる理不尽さ。つらい。

>こしのりょう『Ns’あおい』(モーニング42号)
 今週一番震えたのは、この漫画の心臓マッサージのシーンでした。なるほど、こういう出会いがあったから、あおいみたいなナースが生まれた訳ね。病院のシーンはひたすら哀しいのだけど、そこから現代へと時間が戻って救われた。あんなことがあっても、前向きにナースになったあおいを見ると。

 ちなみに、数年も会っていない父親ってのは伏線??
 そんなベタな展開は見たくないかなぁ。






04年9月19日 〜『すごいよ!!マサルさん―セクシーコマンドー外伝』全7巻

 『すごいよ!!マサルさん―セクシーコマンドー外伝』全7巻
 (→Amazonの紹介ページ

 うすた京介全作品シリーズ:第1弾。
 紹介するまでもなく、一時代を席巻した名作ギャグ漫画。そんなに昔の漫画という印象はないけど、96年〜97年ということは7年前? ひょっとしたら、今のジャンプ読者は知らないのかもなぁ。当時は誰もが認めるジャンプ暗黒期で、東の横綱『るろうに剣心』とともに、ギャグ漫画のエースとして何とか引っ張っていたという印象だった。
(ちなみに、『マサルさん』終了直前に『ワンピ』『たけし』が始まり、暗黒期の終焉を迎える)

 7年ぶりに読んでみて思ったのは、この漫画のベースは至極マトモなジャンプ漫画だったのだということ。転校してくる読者視点、とにかく存在感のある主人公、集ってくる仲間たち、マネージャー、ペット・・・・そして、全国大会。不良との一悶着や、悪巧みをしている謎の組織などなど・・・あぁ、記号だけ取り出すとフツーの熱血部活漫画なんだ。

 うすた漫画は、この“フツーの漫画”から読者がついてける範囲で逸脱するのが上手い。部活メンバーで丸くなって弁当を食べているのに、マサルの弁当はたくわんだけだったり。校舎の時計に意味もなくわかめがのっていたり。
 一見すると異様な現象ばかり起こっているため、読者には「??」と思われがちなのだが、ココを的確なツッコミで軌道修正しつつ、話を破綻させずにマトメているのは凄い。ノリだけではなく、かなり計算して作られている話だと言える。

 だけど、最初は“異様だと思っていた”ことにも、段々と読者は慣れてくる。最初はマサルの髪型と服装だけで笑えても、次第にそれがマトモに見えてくる。1回目は衝撃的だった留年ネタも、2回目は季節の挨拶のように思えてくる。
 作られた異様さが異様だと思われなくなった場合、今度は更に異様な話を作らなきゃならない。で、これに慣れられたら、更に異様な話を・・・と続けていく内に、次第に作品自体の鮮度も失ってしまい、メソ大量発生といった“ぶっ壊れたような”ラストになってしまう。
 ここで終われたのが幸せだったのか、もっと早く終わっておくべきだったのかは分からない。それでも、この作者が今でも『ジャガー』で毎週笑かしてくれてるんだから、全7巻の内に終了できたのは、読者にとっても結果オーライだったんじゃないかな。


 ・・・・・・それにしても。高菜さんと比べると、モエモエは普通の可愛い女のコだよなぁ。毒ないし、ツッコミするし、ヒゲ好きの設定はどっか行ってるし、良いコだし。






04年9月20日 〜『武士沢レシーブ』全2巻

 『武士沢レシーブ』全2巻(→Amzonの紹介ページ

 うすた京介全作品シリーズ:第2弾
 『マサルさん』でスマッシュヒットを飛ばした1年半後―――うすた京介がとうとうジャンプに戻ってきた。この時期のジャンプと言えば、前クールに『ヒカルの碁』がスタート、次クールにて『ライジングインパクト第2部』や『テニスの王子様』、更に次のクールには『NARUTO』が始まるという当たり年。結果的に、この漫画は2クール20話で打ち切られてしまう。

 昨日の日記を読んでもらえば早いが、『マサルさん』はフツーのジャンプ漫画を下敷きにうすた流に“逸脱”した話だった。その日常/非日常の使い分けが上手く、それこそがうすた漫画の生命線であった。
 では、この『武士沢レシーブ』―――ヒーローに憧れる主人公が、弱小のヒーロ−部の連中と出会い、真にヒーローへと覚醒する王道漫画のパターンを踏んでいる。いわゆる『スラムダンク』系の漫画である。そして、ソコに怪人退治やらの要素を絡めたり、ヒロインが萌えキャラだったり、至るところツボを抑えてある。あとは、『マサルさん』同様に非日常に“逸脱”するだけだった・・・・・・

 だが、この『武士沢レシーブ』―――次第に、本気で怪人と戦っちゃう熱い漫画へと進んでいく。 うすた氏本人が「編集部の指示ではありません、僕の当初からのイメージでした」というように、読者も「えっ、これは本当にうすた漫画なの?」と戸惑うようなシリアスシーンも。

「今日は貴様の耳をとった・・・・!オレがとったんだ!!
 フフ・・・最初会った時は、てんで歯が立たなかったのに・・・・
 ぶっちゃけた話、今のオレじゃ・・・・お前には・・・・・その
 かっ・・・勝てない・・・・・でも!
 次は・・・・・手をとるぞ
 その次は腕・・・・・・!
 次は足・・・・・・・!
 首」

 正直、このシーンはギャグ抜きで震えた。
 ポーズでヒーローを目指していた武士沢が初めて敗北し、命の尊さを説かれ、戦う意味を見出していく。そして、トリ男を倒すために「お前らにも手伝って欲しいんだ・・・」と仲間に頼むシーン。なんかもう、熱いんだ。ツッコミシーンで突如シリアスな描写になったり、不条理な言動だったりはまんま『マサルさん』と一緒なのに。
 前作『マサルさん』がジャンプ系熱血漫画を下敷きにしたギャグ漫画だったのに対し、『武士沢レシーブ』はうすた流ギャグ漫画を下敷きにしたジャンプ系熱血漫画だったのだ!

 『マサルさん』と同じ路線で行けばそれなりの人気は出るだろうし、失敗した時のショックも少ない。そうして同系統の漫画を描き続ける作家さんは沢山いるし、それも一つの戦法だと思う。でも、うすた氏は「違うことをいろいろやりたい」と熱血路線へと進んでみた。このチャレンジ精神だけでも、やっぱり凄いと思うのだ。

 だから・・・・徐々にギャグを薄め、シリアス路線に進むにつれていく展開も自然で、それに「あれー?違うぞ」と旧来のファンが離れていくのも当然のことだった。あまりに強大な“うすた京介”のブランドイメージが、渾身の意欲作を受け入れらなかったのだろう。境遇は和月伸宏『GUN BLAZE WEST』に似ているかも知れない。
 「うすた京介という先入観がなければ・・・」、「ジャンプに過酷な打ち切り制度がなければ・・・・」 たらればを言い出すとキリがないが、この打ち切りを逆手に取った伝説の最終話をやってのけてジャンプ漫画に名を刻んだのが唯一の救いだ。


 それと、時たま線が荒くなるのはご愛嬌として、作画自体のクオリティは3作品の中でもダントツで高いんじゃないだろうか。線が丁寧なだけでなく、ところどころアングルで見せるコマも効果的に入ってる。上述の「耳をとった」シーンも然り、武士沢初敗北のシーンも然り。
 何より、今見るとちはるちゃんは物凄い萌えキャラ。ちはるちゃんに普通の戦隊コスプレでも着させるだけで、もうちょっと長生きできたんだろうに・・・・・


 うすた作品の中では忘れられがちな今作。どっかで見かけたら手にとって見てください。先入観を捨てれば、手に取るだけの価値は見出せますから。最終回ももちろん凄いけど、序盤の展開も相当クオリティ高いと思いますよ!

 ・・・・・・・で、
 武士沢のヘルメットの中身は何だったの?






04年9月21日 〜うすた京介短編集

 
■ コミックス読書メモ
 『チクサクコール うすた京介短編集』ですよー。

 うす京介全作品シリーズ:第3弾です。
 短編集なので“漫画紹介”には載せられないなぁと思って、こちらで紹介することに。簡易ながら、一作品ごとにレビューしてあります。うすた氏の作品は時期によって随分と作風が違うので、その変遷が見られて面白かったです。作者直々に一つずつコメント載せているし・・・・・

 いつか時間があれば、短編集の特集もやりたいですねー。僕は短編集まで買っている作家さんって数人しかいないのだけど、こうやって漫画家としての成長・変化の流れを見られるのは感慨深いものがあります。安価で複数の完結話を読めるお得感もあります。






04年9月23日 〜『ピューと吹く!ジャガー』1〜7巻

 『ピューと吹く!ジャガー』1〜7巻(→Amazonの紹介ページ

 うすた京介全作品シリーズ:最終回
 現在でもジャンプの巻末で大好評連載中。ページ数は少ないし、絵はしょっちゅう荒れるし、頻繁に落とすし・・・・“第2の冨樫”かってくらいジャンプの中では浮いているだけど、『H×H』並に大人読者(20代以降)からの圧倒的な支持を受けているのも確か。3作品の中では、ダントツの完成度なんじゃないか。


 ジャンプで毎週読んでいる時は「まんま『マサル』じゃねえか」なんて思っていたけど、今回全作品を通して読んでみると違った印象を覚えた。なんていうか、芸風が広がったというか。『エト』『ゲンバリング・ボイ』で見せたストーリー力、『マサル』に続く“間”の取り方、脈略もない話にシフトできるキャラクター設定、安定した時の画力・・・・・・・あらゆる要素を利用して、1話7ページで色んな話を見せている。

 この1話7ページ(前後)というのは、絶妙に後を引く量でもある。時間の空いた時にコミックスを開く。もちろん、面白い回/面白くない回の差はあるのだけど、面白かったら「あと1話読もう」という気になるし、面白くなかったら「次の回は面白いだろう」と続きを読んじゃう。そのまま、一晩で7巻読んじゃったよ・・・・・・ダメだ、俺。

 お話の設定はというと、ギタリストを目指してオーディションを受けていたピヨ彦が、笛の達人ジャガーさんの妨害を受け続けて―――いつの間にか、ガリプロという芸能人養成学校みたいな事務所にて、寮の同室でジャガーさんと暮らすことに。このガリプロにはギター科、ヒップホップ科、アイドル科などのミュージシャン志望の学生から、かげ絵科、開運パワー研究科なんていう趣味のレッスンまである。話を作るにはもってこいの設定を用意した訳だ。
 このガリプロを舞台に、うすた氏が好き勝手に話を描くというのが『ジャガー』の分かりやすい説明かな。設定だけ見ると、青年誌みたいな気がする。少年漫画の王道を設定として使った『マサル』『武士沢』は、最終的にその設定が足枷となっていったのだから、勇気ある決断だったと言える。そして、成功している。

 『マサル』以上に“ダメ人間”を描いている今作。この漫画が好きな人が多いということは、日本の漫画好きにまだまだ“ダメ人間”が多いということではないか。
 究極のダメ人間・ハマーは、確かに誰よりもダメだとは思う。でも、一つ一つのダメさだけを見れば、誰もが抱えている自分のコンプレックスと重なるのだ。 腹筋50回3セットを1回目47回で辞めて、「うん、だって70回分くらいの47回だったし・・・・」と自分に言い訳をする。好きな女のコに声をかけることが出来ず、いつの間にかストーカーになっていたり。なんだか、在りし日の自分のダメ記憶を刺激される。
 ハマーだけじゃない。人見知りすぎて横暴な態度をとる高菜も、会社では弱気なハメ字郎も、運がなさ過ぎるジョン太夫も、ビューティ田村も、ポギーも、どっか分かるんだ。だから、完全にフィクションとしてではなく、日常の中の非日常として面白いんだ。

 作者のテンション次第でどうにでもなるし、いきなり「辞めたい」と本人が言ったら終わっちゃいそうなんだけど・・・・・・これがあるかないかでジャンプ自体の幅も違ってくるので、なるべく続いて欲しい漫画の一つ。
 今回コミックス読んで思ったのが、話と話の空きページに作者がコメントを載せたりしてるんだけど―――これもまた面白い。短編集も各作品ごとに補足載せたり、結構読者想いの漫画家さんだったんだなぁ・・・・




 今回、こうやって一人の作者を追いかけてきて、なかなか思うところがあった。俺自身はうすた作品に思い入れがあった訳じゃなく、あったのはむしろ母なんだけど、改めて考えると『エト』以降のうすた作品は相当好きだったことを自覚した。ギャグとかダメ人間とかだけじゃなく、キャラ絵や構図、コマ割なんかも。
 もちろん、常に新しいことにチャレンジする作家さんじゃないと、途中で飽きてしまうことだろう。巻数の多い人だと、お金ばっかかかってしまう。同じようなことが出来る作家さんを探したら、またやってみようと思う企画だった。


<主観的オススメ度>
 『ジャガー』>『チクサクコール』>『武士沢』>『マサル』

 『マサル』は今更オススメするようなもんでもないしね・・・・何気ないけど、この人の描く女のコは眼が大きすぎないので萌える。何つっても、『武士沢』のちはるが良いなぁ。お兄ちゃんコだし、ツッコミだし。







04年9月28日 〜『死刑囚042』話(みらいちゃんから見える人間関係)

 
■ 全巻集めてしまった
 『死刑囚042』―――1・2巻だけに留まることはやっぱりできず、3・4巻も続けて購入。凄いなぁ、これはやっぱり。名作と呼ばれる作品には今年いろいろと出会えたけど、こと“元気が出る”って要素ではコレが一番かも。憂鬱なことも沢山あったけど、この作品のおかげで乗り越えられた。良かった、この時期に買ってしまって。
 3巻に入って、みらい登場。個人的「年間非ヒロイン女性キャラランキング」なんて企画があったら、2003年度は間違いなくこのコが獲っているだろう。そのくらい、ここん家のイチャイチャ姉妹が好きだ。

「あたしはねーちゃんにかなり励まされてるよ?
ねーちゃん、頑張ってるもん。
ねーちゃんがいろんなことにチャレンジしてるから、あたしもしっかりしなきゃなーってなる。
何か嫌なことあっても、一緒にテレビ見てキャーキャー言って、二人でなんかおいしいもの食べたら、それで楽しくなれるし―――」


 この台詞、小手川マンガの人間関係を端的に表しているような気がする。他人から見たら「一方的な依存」や「保護」に見えても、その関係は互いに支えあうものなんだって。片っぽ通行の人間関係なんてないんだって。


 なんて暖かくて、なんて優しい世界なんだろう。
 時がくれば、いつか小手川漫画もB sideで扱いたいんだけどなぁ。でも、はっきり言って予定は未定です。青年誌ばかり取り上げることも出来ないし、メディアミックスもしてなければ、世間に布教させたいほどマイナーでもない。どうにも切り口が見つからないので・・・・・・





04年9月30日 〜『ブレイクショット』

 『ブレイクショット』(→Amazonの紹介ページ
 通常版:全16巻 愛蔵版:全9巻 文庫版:全8巻

 自宅にビリヤード台を持っているブルジョワな兄貴が、ふと実家に置いていったビリヤード漫画。
「面白かったから、『幽遊白書』なみにネタにしてくれよ!」と・・・・・・えっ、これをB sideで扱えってこと?? 丁重にお断りさせていただきます。

 さすがにコレが連載していたころのマガジンは知らないし、当時のビリヤードブームなんざ知らない。もっと言えば、実際のビリヤードがどういうレベルで行われているのかも知らない。でも、これだけは分かる。この漫画は異常だ。
 我が家には文庫版が置いてかれたのだけど、1巻の時点で“手玉が3つに割れてそれぞれ的球に当たって落とす”ライバルが登場。これに対して主人公は、ジャンプボールを天井にぶつけて威力を増すなんて荒業で対抗・・・・・・・オイオイ、1巻でコレかよ。