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『海猿』 Amazonで購入
原作:佐藤秀峰/小森陽一(小学館)
監督:羽住英一郎
脚本:福田靖
音楽:佐藤直紀

<キャスト>
仙崎大輔=伊藤英明
伊沢環菜=加藤あい
三島優二=海東健
松原エリカ=香里奈
工藤始=伊藤淳史
中迫夏子=杏子
源太郎=藤竜也

川口淳=村田充
野村栄司=田中聡元
土屋誠=深水元基
渡辺マサヤ=青木崇高

2005年2月16日・発売
海上レスキュー・友情・成長
 原作は言うまでもなく、佐藤秀峰の出世作『海猿』―――原作はB sideで取り上げたこともあり、何十回と読み返した思い入れの強い作品でした。なので、映画化が決まった時から「絶対に(自分の中では)原作の感動は超えられないだろうな・・・・」と諦めていました。
 でも、ネタ的な意味でも「観なきゃなあ」と思っていたので、時間の合間を縫って観ました―――正直、毒にも薬にもならないなぁという印象。原作とは随分と方向性が違うものの、原作を未読な方ならそれなりに楽しめるかなぁという程度。原作好きな人にはあんまりオススメ出来ないと思います。キャラが違いすぎますし。

 “スーパールーキー”とか呼ばれてる大輔、他人を見下しまくりの三島、マッチョ要素が0で“単なる童貞少年”に成り下がってる工藤、美形な川口―――かろうじて原作のキャラを失っていないのは源教官くらいで、川口に関しては性別と名前以外は全部変わっていた。映画観てファンになった女のコが原作読んで幻滅するんじゃないかと不安を覚えるほどです。
 ストーリーの方も、大まかな訓練内容以外はかなりイジってきていて。原作では工藤と三島の信頼関係を描いていたのに対して、映画版では終始“大輔と三島のエリート同士の意地の張り合い”を描き続けたという感じ。まぁ、原作どおりだったら大輔の出番がないですしね。
 ということで、工藤さんはどこのタイミングで死ぬのだろうと思ったら、その辺の溺れている人を助けようとして死亡・・・・・・うわぁ、別の意味で泣ける。原作での感動は何だったのだろうと思ってしまいます。ここをもうちょっと主題の「自分だけが助かるのか―――」というクライマックスのシーンと絡めてくれば良かったのに、誰も何も言ってこないですし。大輔と三島を対比させるためだけに存在させて、クライマックスにはジャマなので、教官も言ってるように「犬死させた」ような気さえしてしまいます。

 とは言え、工藤さん絡み以外はきっちりと感動的ではありました。原作の工藤・三島を大輔・三島のコンビで代替したので、原作では船の上から指示した大輔のポジションを誰がやるのかというと―――これが源教官でした。冒頭から源教官の過去話を描き、大輔らの姿を見て過去の葛藤を解消するという熱い展開。
 川口達訓練生が、源教官の指示で潜水準備を始めるシーンがムチャクチャ格好良いです。



 うーん、プラス部分とマイナス部分が半々くらいで50点ですかねぇ。
 原作知らなければ、もうちょっと上だと思います。

 続編は原作で最も好きな“フェリー事件編”。課長役は誰が、酒井さん役は誰がやるんだ!?「食って交わりゃ子ができる!!ゆえに餃子―――!!」の名言は飛び出すのか!?(多分出ません)












『オーバーマン キングゲイナー』 9巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年8月22日・発売
ロボットバトル?

第24話「オーバーマックス」
 脚本:高山治郎/演出:羽生尚靖
 絵コンテ:斧谷稔/作画監督:井上哲・西山忍

 止め絵が目立ったり、ゲインの顔が崩れたり、作画はあんまり誉められたもんじゃなかったけど―――ストーリー的にはかなり面白かったんじゃないですかね? シンシアを助けるために特訓をするゲイナー、シンシアを殺さなくてはならない葛藤に苦しむゲイン、狂気に溺れるアスハム、オーバーデビルの力を手に入れようとするキッズ・・・四者四様の思惑が入り乱れての決戦は、そりゃ燃えますよ。
 しかし、前回のラストでキッズを焚きつけたみたいだったマルチナが「オーバーデビルをコントロールする術など、ありはしない」と言ってるのは何なのでしょう・・・・?

 ゲインvsアスハムはゲインに軍配。フォトンマット砲を使ってのギミックはよく分からなかったものの、1話を通じて氷の門を撃破する展開はなかなかだったと思います。

 キッズ・ムント―――ジャボリ達に46階級特進を約束するも、絶命。
 結局、コイツも最後まで小者だったなー。この作品の味といっちゃ味なんですが、敵役の全員まで小者で情けないヤツらだったのはロボットアニメとしては緊張感に欠けちゃったかなーと。こちらサイドにはゲイン、ガウリ、アデットといった“いわゆるオトナ”が揃っていただけに。

 僕的にずっと「キーパーソンになる」と思っていたミーヤが、とうとうヤーパンに合流するのかな? てゆうか、こんなオイシイキャラ、もっと出してあげれば面白くなったと思うんですけどねー。


第25話「氷の中で」
 脚本:大河内一楼/演出:宮地昌幸
 絵コンテ:西澤晋・斧谷稔/作画監督:しんぼたくろう・高瀬健一

 最後の最後でメチャクチャに盛り上がってまいりました!!
 オーバーデビルを追い詰めたゲイナーは逆にオーバーデビルの中に取り込まれ、シンシアとともに世界を滅ぼそうとする。これまでチマチマと描かれてきた彼の葛藤やコンプレックスが爆発して、かつての仲間をゴミ扱いする主人公。うわー、流石ですねぇ。富野アニメはこうじゃなきゃゾクゾクしません。

 そして、ゲイナーがラスボス化したことによってスポットが脇組に。五賢人に説教するアナ姫はカッチョ良いし、サラを焚きつけるリュボフも熱いし、ガウリvsアデットのハッチャケぶりも面白かったです。ガウリの忍者シーンは失笑してしまうのだけど、それすらも逆手に取ったアデット先生の「女教師忍法!縄抜けの術!!」には爆笑を通り越して震えちゃいました。アデット先生、格好良過ぎ。
 全体的に作画はトンでもなかったですしね。ゲインvsアスハムも、両氏の演技の盛り上がりが溜まらなく、かなりの出来。途中のシーンで挿入された“戦場に出向いたカリン”の絵は、両者の和解への伏線ですかねー? このまま出てこないって可能性もあるのが怖いですが(笑)

 カリンもそうですが、ミーヤがヤーパンに合流。最後に見せ場があるのかな?

 シベリア鉄道の線路至上主義は正直よく分からないまま終盤まで来たんですが、実はそれがキッズ・ムントがオーバーデビルの力を全世界に伝えるために敷いたマッスルエンジンだったという事実。これをゲイナーとシンシアは利用して、全世界をオーバーフリーズさせようという大きなスケールの話にシフトしました。
 やっぱりロボットアニメの最後の決戦は「世界を守る」ためじゃなきゃね。そういう意味で、シベ鉄のレールを利用したというのは上手いですねぇ。

 さぁ、残り1話。どうなる??


第26話「ゲインオーバー」
 脚本:大河内一楼/演出:森邦宏
 絵コンテ:斧谷稔/作画監督:吉田健一・中田栄治・千羽由利子

 鬱病から復活後の富野作品の最終回と言えば―――『ブレン』の最終回はイマイチだったけど、『ターンエー』の最終回は絵と音を極限までに一致させて“神の領域”とまで思わせた1話でした。さて、『キングゲイナー』は・・・さすがに全体では『ターンエー』のソレには劣るものの、作画だけならそれを上回る物凄い水準でした。ネットで調べた情報によると、ガイナックス・ボンズ・スタジオジブリなんかから助っ人が来ていたらしいです。凄まじい。


 最終回でラスボス化している主人公&ヒロインというのも凄いですが、それを破るために脇役連中が一致団結するのが熱いです。『キンゲ』はいいキャラをいっぱい揃えておきながらどうも使いこなせてなかった印象があったのですが、最終回で全て払拭。コナやリュボフにも見せ場があったり、ミーヤが五賢人を奮い立たせたり―――キャラの動かし方はカンペキでした。ミーヤ可愛いなぁ、もっと出番が欲しかった。
 ゲインとアスハムの因縁の元となったカリンの役目も、思ったよりもサバサバしていて気持ちが良かったです。ゲイン一人負けという状況でメデタシメデタシ。「声がかわいーなー」とか思ってたら、折笠さんでしたよ。どうりで。


 オーバーデビル攻略のために、これまで出てきたオーバーマンを使ったり、ブリュンヒルデを召還して戦ったり、脇役陣総がかりでの攻撃だったり。密度の濃い決戦で、最終的にオーバーフリーズの解けたゲイナー&シンシアで撃破。ミッション的な楽しみ、1話から描かれていた因縁の消化、熱血要素―――「お見事」と言いたくなる最終決戦でした。あー、この密度が今までも出来ていたらなぁ・・・・・


 最後はみんなで遠い地:ヤーパンを見つめてのラスト。
 オーバーフリーズの解けた世界を描くついでに、ヤッサバやザッキの生きてる絵を写して終了。ザッキに関しては「視聴者の声に応えて」の生存なのかな? 嬉しい反面、「キャラの死なないアニメ」という印象もついちゃったような・・・・・・



 最終的にゲイナーは成長しきっていないし、ゲイン越えも出来なかったし、ヤーパンへと向かうことに意味も見出せなかったと思うので―――そういう要素を期待していた自分としてはガッカリな部分もあるのですが。
 このアニメはイキオイで見てナンボという気もしますね。そういう意味では、ラスト2話は凄まじかったです。カリンのキャラに救われました。良かった、面白かったー!












『オーバーマン キングゲイナー』 8巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年7月25日・発売
ロボットバトル?

第21話「オーバーマンの闇」
 脚本:高橋哲子/演出:五十嵐達也
 絵コンテ:斧谷稔/作画監督:下井草伊井乃弼

 怪我を押しての主人公の出撃、同乗するヒロイン、救わなければならないライバル、黒幕が移動要塞とともに登場―――と、ロボットアニメのクライマックスらしい要素をぶち込んで盛り上げてきています。
 前回の感想で「ちゃんと使われるか心配」と書いたホログラム写真は、シンシア・ゲイナーともに立ち上がるイベントに使われました。コナ達の制止を振り切って、「また壊しちゃうかも」と出撃するシーンが良かった!

 また、話をゲイナー・シンシア・サラの友情話だけに限定せず、大人チーム(ゲイン、アデット、ガウリ)の出撃とアスハムの策謀を絡めてきているのも盛り上がっている要因ですねぇ。ただ、中盤の回でザコ扱いだったアスハムにいきなり悪い顔されても締まらない上に、やっと到着したキッズ・ムントすら小者くさく感じさせてしまっているのが残念。あの辺りの数話が、今のシリアス展開の脚を引っ張っていると思うんですけどねー。

 という訳で、この回は様子見みたいな回でした。


第22話「アガトの結晶」
 脚本:浅川美也/演出・絵コンテ:笹木信作
 作画監督:吉田健一・中田栄治

 作画復活!
 なるほど、クライマックスらしく“伝説のオーバーデビル”が出てきたり、シベ鉄本社が出てきたり、アスハムが本性出してきたり、ミーヤがちょろっと出てきたり。盛り上がって参りました。
 前回の感想で「アスハムもキッズも小者くさくてイマイチ盛り上がらない」とか書いたんですが、むしろそれは製作者の狙い通りだったらしく、この二人が争っているのに対して介入してきたシンシアこそがオーバーデビルに取り込まれてしまうという展開。これには正直「オー!」と唸らされました。

 まぁ、時間がたって冷静になれば「オリビーとかクィンシィとかとほとんど一緒の展開じゃねぇか!」とも思うんですが、その過程となるアスハムの壊れっぷりは凄まじかったです。悲痛な叫びが最後はオーバーデビルに届いたようだし、これはどうなるんだ。

 色々良かった場面はあったんですが、アスハムに裏切られていたということにシンシアが気付くシーンが一番ですかねぇ。震えました。子安氏って狂っていく人をやらせたら凄まじいことなりますね。『S-DESTINY』でも、ネオに期待。


第23話「復活のオーバーデビル」
 脚本:高山治郎/演出・絵コンテ:山本裕介
 作画監督:重田敦司

 復活したオーバーデビルの強さを見せ付ける回。
 ゲイナーの特攻は距離感狂わされるし、ゲインの射撃は弾が止まっちゃうし、ブラックドミは次々と凍らされて砕かれるし。こりゃ無敵。敵の強さを最終決戦前に見せておくのは、バトル漫画では定石ですね。

 その完全無欠っぽいオーバーデビルに唯一接触したのが、右手を凍らせたアスハム。マルチナがキッズ・ムントに「あたしと同じになればオーバーデビルを手に入れられる」と言った後に氷付けの下半身を見せたことからも、これが鍵になるんじゃないでしょうかね・・・・・・

 最終決戦も近いだろうに、何だかキャラを上手く使えてないなぁという印象でした。シンシアを助けるために、キッズがシベ鉄の部下にヤーパンの修理を命令するトコなんてきっちり描いてほしかったんですが・・・・・結局は描かれず。
 Aパートはそれなりにみどころが多かったですが(マルチナ・レーンを抱えたまま狙撃するゲインとか)、Bパートは正直イマイチ。ここまできてのトーンダウンはきついですねぇ。












『オーバーマン キングゲイナー』 7巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年6月27日・発売
ロボットバトル?

第18話「刃の脆さ」
 脚本:野村祐一/演出:北村真咲
 絵コンテ:羽生尚靖/作画監督:井上哲

 『キングゲイナー』は回によって出来・不出来が大きく変わるアニメだけど、この話はハッキリ言ってダメダメだったと思います。前回の17話で盛り上げていただけあって、この18話は正直ガッカリしちゃいました・・・・・・・

 まず、精神波でヤーパンのピープルの同様を狙って―――という話が、前回と全く一緒なのからして意味が分からん。カシマルも前回の失敗をちょっとは反省しようよぉ(笑)
 しかも、この“人を不安にさせる精神波”という設定を全く活かせてないのが何とも・・・・前回の「心が読める」攻撃は、暴動が起きて人々が二分化されたり、ママドゥとリュボフが互いに思ってるのが分かっちゃったり、ガウリがゲイナーの両親を殺したことが明らかになったりという楽しさがありました。
 でも、今回はそういう“攻撃を受けたことによって人々が起こす行動”が、ガウリの特攻しかなかった―――これは超能力モノとしては明らかなマイナス点です。だって、これなら“人を不安にさせる精神波”なんて設定は必要なくて、「ガウリがただ特攻して操られただけ」という描写でも構わないじゃないですか。ダメな回の『キングゲイナー』は、強力な能力を持つ敵がそれを活かせずに自滅していくだけという・・・・・だから、倒したところで何の爽快感もないんじゃないですかねぇ。

 それと―――前回の“引き”となった、「両親を殺したガウリをゲイナーは許せるのか」という問いも・・・・・ゲイナーの「許せないけど、それを背負って生きてもらわなきゃ」という結論は良かったんですが、前もってそういう描写もなく最後にそう結論付けられても困るというか。もうちょっと引っ張って、ゲイナーの戦う理由とかエクソダスへの理由とかに絡めた方が良かったんじゃないかって思います。

 んでもって、ここ数回好調だった作画までヘタレちゃって・・・・・アクションシーンも単調で面白味がなかった・・・・・・ちょっと、コレが続くとキッツイですねえ。


第19話「リオンネッターの悪夢」
 脚本:高山治郎/演出・絵コンテ:宮地昌幸
 作画監督:しんぼたくろう・高瀬健一

 前回感じた嫌な不安を吹き飛ばしてくれるパワーとグロ展開!作画も復活し、各キャラもイキイキと動き、これぞ『キングゲイナー』という感じの1話でした。

 前回壊れたガチコの替わりに、ゲイン用のオーバーマンを作るために材料を調達して作業するメカニック達。材料を運んできたエリアルを中心にして話題が進み、今までのエクソダスが失敗してきたことやエリアルとゲインの関係などを描写しつつ、メカ的な面白さもなかなか。ここはかなり洗練されたシーンだったと思います。

 カシマルのオーバーマンの能力は、どっかで聞いたことあるような陳腐なもの(相手の苦手なものを映し出す?)だったし、ゲイナーの破り方も気合だけだったしで・・・・ツッコミどころは沢山あるんですが。
 これがゲインとエリアルな辛酸な過去描写に一役買うって展開は、お見事。また、この過去のグロシーンが昔の富野さんみたいでゾクゾクしました。それを乗り越えるゲインのセリフも格好良ければ、ライフルでレールを曲げて脱線されるってピンチ脱出も良かった!
 このシーンが良かったので、その勢いを殺さないようにして、ゲインがカシマルを瞬殺する(死んだ・・・んだよね?)って流れも良かった。細かいところにまで気配りがされていて、非常に満足度の高い回でした。


 何だかんだ言ってますが・・・・・・僕はゲインが格好よい回は無条件に「面白かった」と書いてる気もしますね。結局はキャラ燃え?


第20話「カテズで勝てず」
 脚本:浅川美也/演出:森邦宏・古賀理恵
 絵コンテ:森邦宏・斧谷稔/作画監督:大森英敏

 神がかって参りました!!
 前回の鬱なラストを忘れるように、今回も途中こそ和やか〜に進みますが(視聴者はシンシア=敵だということを知っているので和やかではなかったですね)。シンシアとの激戦でゲイナーが重傷を負い、サラがシンシアと離別するという鬱展開で締めました。やっぱ、殺し合いをしてるんだから、こうでなければ!(コメディ要素が全部悪いって訳じゃないですけどね)
 まぁ、全部が全部鬱なまま終わるんでなくて、ゲイナーにサラが付いているように、孤独に苦しむシンシアにアスハムが声をかけるシーンなんかは美しくて、初めてアスハム格好良いと思っちゃいました。

 という訳で、ロボットアニメお約束の“敵味方に分かれていた男女が、知らずに出会ってしまう”の回でした。シンシアの場合は第1話から伏線を張っていたので、ゲーム絡みで出会ったり戦ったりするという展開は「なるほど」と思わせられました。
 んでもって、シンシアはゲイナーの恋愛対象というよりも、ゲイナー&サラに出来た友人という意味のほうが強くて、その分ラストで泣き崩れてしまうシンシアに感情移入しました。正直、敵味方に分かれて「好きだー!」とか叫ぶのはパターン化されちゃってるので面白くないですもんねぇ・・・・・なので、今回のサラの役目は僕にとって非常にありがたいものでした!

 それにしても、3人のホログラム写真が切ない・・・・・・・・『ワンピース』とかなら、コレは3人が歩み寄れる伏線に使われるんでしょうが。富野さんの場合はどうでしょ。今回なんて、サラは写真を見た後にシンシアを無視して突っ切ってたし・・・・・・・いや、シンシアが悪いのは確かなんですけど。


 という訳で、今回は無駄なシーンがほとんどない素晴らしい内容だったと思います。アスハム−シンシアの同盟のその後とか、アスハムとジャボリの関係とか、シンシアに対抗心を燃やしていたサラとか―――伏線も消化しつつ、オーバーデビルの眷属という新しい伏線張ってきました。

 ゲインもアデット先生もいなかったけど、十分に面白かった!
 しかし、カシマルが前回で死んだとなると、ヤッサバとかザッキとかも死んでるんでしょうね。ヤッサバはともかく、一緒にヤーパンを脱出した女のコのことを考えると・・・・うーん。












『オーバーマン キングゲイナー』 6巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年5月23日・発売
ロボットバトル?

第15話「ダイヤとマグマの間」
 脚本:高山治郎/演出:わたなべぢゅんいち
 絵コンテ:小原正和・斧谷稔/作画監督:小原充・福島秀樹

 確か14話を観たのが昨年の11月だった気がするので、3ヶ月ぶりの『キンゲ』視聴な訳です。でも、このアニメは“連続する展開”はそれほどでもなく、1話1話の構成を楽しむ作品なので問題はなかったです。
 前回で登場したシンシアとゲイナーの絡みに加え、今まではアホばっかだった敵の隊長にカシマル運行部長が就きます。鉄道のダイヤを絶対に遅らせないのと同様に、緻密な作戦を立ててくるタイプ。結果的にヤーパンは大量の難民を受け入れなければならなくなってしまうという・・・・・これまでの敵には足りなかった戦術レベルの戦いと、生理的な嫌悪感を持ち込んでくれて○ こういうムカつく敵を倒してこそ爽快感を得られるという訳ですよ。

 話の方はシンシアをネゲット(死語か?)しようとするゲイナーを、アデットとサラが尾行するんだけど―――肝腎なところでカシマルの攻撃が入って、台無しになってしまうという。正しいロボットアニメという感じでした。ムスっとしながらゲイナーを尾行するサラが可愛かったです。それと、前回では気付かなかったけどシンシアがキャンディを食べるシーンはやたらエロかったです。


第16話「奮戦、アデット隊」
 脚本:大河内一楼/演出・絵コンテ:笹木信作
 作画監督:中田栄治・橋本誠一

 話としてはバカバカしいんだけど、破綻することなく最初から最後まで一本スジの通った構成となっているのは大河内脚本だからでしょうか。「家族」として、「仲間」として、アデットとゲイナーが認め合う過程がしっかりと描かれていたと思います。
 それと敵の能力提示→苦戦するアデット→颯爽と登場するゲイナーが退治という流れが秀逸でした。欲を言えば、同時並行で描かれたシンシアvsアスハムと絡めて欲しかったけど、これはこれで後々の伏線になりそうなのでヨシとしますか。
 今回は何といっても、シルエットマシンでオーバーマンと戦うアデット姐さんの獅子奮迅っぷりと、その後のゲイナーへの抱きつき。もうすっかりヒロイン格でエロエロいと思います。何気にサラ(優等生)・アデット(巨乳)・シンシア(ロリ?)でハーレムアニメ化すれば良いと思います。

 まぁ、とにかく。敵がケジナンだと緊張感が0ですよね。


第17話「ウソのない世界」
 脚本:大河内一楼/演出:五十嵐達也
 絵コンテ:斧谷稔/作画監督:重田敦司

 あぁ、なるほど・・・・『キングゲイナー』とはこういう方向性の作品なんだと遅まきながら気付かされた1話でした。17話時点で成功しているかどうかはともかく、非常にポテンシャルを秘めた分野に挑戦していると思います。

 今回の敵は「人々の心の声を聞こえるようにしてしまう」オーバースキルを使い、ヤーパンとガンガランの内紛を誘います。「人の声が聞こえるなんて碌なモンじゃない!」
 こういう話は多分昔っからあったものだし、使い古されたネタなんだけど―――「人の本音が分かる」ことのポジティブ解釈の筆頭たるニュータイプの概念を作った富野監督がコレを作らせるとは思わなかったです。ノリはあくまでコメディチックなんだけど、「人の本音が分かる」ことのネガティブ要素をこうも醜く描くのかと。

 ただ―――じゃ、それって全部が全部イヤなことばかりかというと、そうでもなくて。「心の声が聞こえるのってステキなことだわ!」とアナ姫に言わせ、ゲイナー→サラへの告白で人々の内紛が収まる(えー)なんて展開もあって。やっぱり、色々あったけど富野さんは人の心に絶望しきれなかったんだなぁと思いました。
 敵だけがニュータイプ能力(?)を使っているのを策とコンビネーションで破ったり、コメディではありつつもなかなか見応えの多い1話でした。「ゲイナーの両親を殺したのはガウリ隊長なのか?」という伏線も張りつつ―――次回へ。

 結構盛り上がってきましたよ。












『オーバーマン キングゲイナー』 5巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年4月25日・発売
ロボットバトル?

第12話「巨大列石の攻防」
 脚本:高山治郎/演出:森 邦宏
 絵コンテ:斧谷 稔/作画監督:しんぼたくろう・高瀬健一

 アスハムの小物化が止まらない・・・・・とうとう部下にも陰口叩かれる始末。何でか、ゲインを助けてるし。「コイツ、絶対私のこと好きアルヨ。ウゼー」状態だ。ぶっちゃけ、アスハムが出てきてからずっと緊張感がなくなっていると思う。
 ということで、シベリア鉄道でもセントレーガンでもない敵が登場。まぁ、それしかないよなぁ。遺跡に埋まっていた太古のオーバーマンということで『ターンエー』っぽく、人の心を求めるところは『ブレン』っぽく。そして、中途半端感がぬぐえないまま次回へ。ビックリした。前後編なのに、ここまで盛り上がらずに“引き”に入るとは・・・・・

 エクソダスの歴史なんかが明らかになる回としては、これまで伏線が皆無だったので「やっと明らかになるのか!」感はほとんどないものなぁ。ちょっと世界観の見せ方が決定的にまずいような気がする。
 バトル部分は岩場を利用したり、“オーバースキル封じ”という武器が登場したり、それなりに面白かったんだけどなぁ。それが付け焼刃的で、本筋の面白さに絡まってこないのが勿体ない。だから、メカニック連中を出せば良いんだ!(?)

第13話「ブリュンヒルデの涙」
 脚本:高山治郎/演出・絵コンテ:宮地昌幸
 作画監督:下井草伊井乃弼・奥村正志

 縛られたまま一晩放置のサラ・・・・・・・・・・
 いやぁ、こういう楽しみ方しか出来ないのってどうかとは思うんだけどね。ブリュンヒルデの背負ってきた過去とか、それが巡りめぐってガチコの左腕になった過程とか、確かに面白そうな要素をチラホラ見せてくれるのはありがたいんだけど。結局、本筋のブリュンヒルデ攻略が、単なる正面突破の力技って。やり方は邪道でも、遠距離ミサイルで決着つけようとしていたセントレーガン組の方が策を練っているよなぁ。

 これは・・・・・・・相当やばいぞ。前後編に分けて、このクオリティかぁ。次回からは新しい敵キャラが登場するっぽいし、ここに注目するしかないのかなぁ。暫くインターバルを入れた方が良いかも知れない・・・・・・・・・

第14話「変化 ドミネーター」
 脚本:浅川美也/演出:横山彰利
 絵コンテ:横山彰利・斧谷 稔/作画監督:吉田健一

 シンシア登場で第1話から張られている伏線をようやく消化し、新しい伏線をバシバシ張ってきた第14話。偶然なのか力量なのか、浅川脚本は今のところハズレなしだなぁ。これまでの中でも1〜2番目に入る高密度な内容だった。大満足。現役ミーアも久々に登場して近況報告、あーこんな良いキャラをちょっとしか見せないということは、最後の最後に何かの役目を持っているということの証明かな。ちょうど同時期に放映されてた『SEED』のラクス嬢みたいなものか。なるほろ。
 セントレーガン組、最後の見せ場と言わんばかりにかませ犬の役割を果たす(まぁ、この後には味方チームと分かり合うみたいなイベントがあるような伏線もあったけどさ)。アスハムでさえ瞬殺、ザッキに至っては手足の関節を外されて湖に沈められる・・・・・うわっ、レット隊の前例があるから、ここで語られず死亡って可能性もあるのか。ヤッサバといい、ザッキといい、消息不明のキャラを作っておくというのは伏線な気もするけど・・・・・・・・

 という訳で、ダラダラしていたアスハム達を瞬殺することで、一気に緊張感が出てきた。ドミネーターのデザインは『EVA』チックで真新しいものではないんだけど、ここで強敵に少女(しかも伏線張っていた因縁あり)を持ってくるのは上手い。このコの登場でゲイナーとサラの微妙な距離も表現出来るし、良いコト尽くめ。一気に面白くなってきた。

 ・・・・・・・・それと同時並行で描かれたリュボフとママドゥの愛の話も、詰め込まずに伏線も張ってあって良い感じ。でも、リュボフだけが「ゲインがアスハムの妹を孕ませた」という事実を知っていたのはどうなったんだ?? 富野作品って、情報戦みたいのは苦手だからねぇ(何せニュータイプで全部一まとめにしちゃった人だし・・・・・・)














『オーバーマン キングゲイナー』 4巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年3月28日・発売
ロボットバトル?

第9話「奮闘!アデット先生」
 脚本:浅川美也/演出:久保山えい一
 絵コンテ:斧谷稔・富永恒雄/作画監督:重田敦司

 味方チーム入りしたアデットがメインの話。自分が盗賊にやられた手口で食料を調達したり、元部下の癖を見破ってゲイナーに指示したり、最後にはサラと認め合ったり。ベタだけど、敵→味方になったキャラとして最低限抑えて欲しいトコロを抑えてきたって感じかな。
 ・・・・・・なんだけど、細かい部分で不満がチラホラ。喩えば、食料調達の理由。常識で考えれば食料が不足するのは当たり前なんだけど、冒頭の「これだけしか食べられない人も・・・!」の台詞までそんなシーンはなかったよね。だったら、その前にお腹すいている一般人の描写でもいれておけば、強奪のシーンも素直に楽しめたと思うんだけどなー。
 それと、バトルがビックリするほど緊迫感に欠ける。途中のミッションまではわりかしワクワクしていたのに、敵の3人が出てきた瞬間に萎えてしまった。コイツら、どう考えても消化試合だもの・・・・・・・

 ということで、かなりテンションが落ちてきているというのが本音だ。


第10話「アスハムの執念」
 脚本:野村祐一/演出:五十嵐達也
 絵コンテ:斧谷 稔・北村真咲/作画監督:大森英敏

 ガウリ隊長、忍者でしたの第10話。えーっと・・・・何かもうコメントするのが面倒になってきた(笑) 何故だか、ゲイナー→ゲインの信頼関係がデフォルトになっているのが微妙。ゲイナーの反骨心こそがこの作品の原動力だった筈なのに、理由もなく馴れ合っちゃって・・・・・・・その時点で、かなりテンション下降。
 そして、もはやザコストーカーでしかないアスハム。モニター壊されたくらいで動き止まるし、最重要人物の見張りは1人だし、あの動きはボクシングじゃないし・・・・何だかなぁ、ヤッサバが出てた頃は楽しかったよなぁ。強くて凶暴で憎めなくて。今の敵は弱くて打算的で弱いものいじめしか出来ない連中なのだもの。それを、ちょっと苦戦して結局はゲイナーが頑張って倒しましたよのワンパターン3連続。

 1話完結のまとまった話を作るなら、もっと味方サイドの面々を活かした方が良いと思うんだけどなー。今回も、最後にメカニックの連中が出てきたのは楽しかった。僕が単にメカニックフェチなだけ? あと、ミーアはどうなった。


第11話「涙は盗めない」
 脚本:大河内一楼/演出・絵コンテ:笹木信作
 作画監督:樋口靖子・田中雄一

 久々に大河内脚本。全体的なレベルは高かったのだけど、やっぱり細かいところが気になってしまう。冒頭のアデットの裸体もゲイナーのネットゲーム復帰も、全くもって意味をなさないシーンと言うのが・・・・・・・恐らくネットゲームがインターネット(=長距離電話)が出来るってことの伏線なんだろうけど、ちょっと分かりにくくないか? このネットゲームのライバルが、ちゃんと後々の伏線になれれば良いんだけどなぁ。
 もはや武装錬金以上に何でもありなオーバーマン。「とりあえず何でも盗める」という凄まじい能力で、色んなものを盗んで喜んでいるんだけど・・・・・そのせいで、ますますアスハムが小物化していってしまう。追ってくる敵キャラが全員へぼいと、バトル部分に全く緊張感がなくなってしまうと思うんだけどなー。『エルガイム』現象というか・・・・ワザンみたいなキャラを出してくれれば良いのだが。

 しかし、それ以外には満足な1話。やっぱり味方サイドをきっちり描くと面白い。ちょっとしか出ていないメカニック連中が良いキャラなんだから、どんどん出番をあげよう。・・・ヤマとなるアナ姫の一人台詞も御見事。こういう台詞回しをバシバシやっていけば飽きずにすむのに・・・・・・・あとは、この長台詞と本筋のゲイナーやゲインを絡めていれば完璧なんだけど。まぁ、それは俺の好みってだけだしねぇ・・・・・・














『オーバーマン キングゲイナー』 3巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年2月25日・発売
ロボットバトル?

第6話「セント・レーガンの刺客」
 脚本:高山治郎/演出:笹木信作
 絵コンテ:東海林真一/作画監督:米山浩平・池田有・高瀬健一

 子安武人キャラが登場。何か、イメージ通りのエリート志向&粘着質な金髪美形キャラでガッカリしかけたが、最後キングゲイナーに地味に吹っ飛ばされてるとこで結局は笑った。しかも、妹を宿敵に孕まされたお兄ちゃん。うーむ、重いテーマをぶち込んできたなあ。これまでの富野アニメって『イデ』にしろ『V』にしろ“子どもを作る”ことを美化してきたから、こういうのを描くとは思わなかった。ゲインだって、富野監督お得意の「私の子どもを産んでくれないでしょうか?」とか言ってたし。
 しかし、その情報を一部のキャラにだけ伝えるために、アナ姫のペットを使ったのは上手かったかも。最初は姫さんの単なる我侭だと萎えていた分、最後にこうやってオチをつけたのは良い印象。この“味方チームの一部しか知らない情報”をめぐるやり取りが、どう活かされるのか。『ターンエー』ではキエル・ディアナ入れ替わりが不十分なカタチで終わったもんだから、こちらに期待。

 超能力ロボットバトルは相変わらず「うーん」な出来だけど、ゲインvsアスハムの肉弾戦は面白かった。うぅ・・・・・今のところ、ロボットアニメである意義が感じられないなぁ。

第7話「鉄道王キッズ・ムント」
 脚本:浅川美也
 演出・絵コンテ:森邦宏/作画監督:鷲田敏弥

 ミーア登場!! レギュラーメンバーをとりあえず消化し終わったので、かなり良いタイミングで真打を出してきたなぁ。ロボットものでプロパガンダに使われるキャラというと、どうしてもミンメイ(『マクロス』)を連想させてしまうけど、コメディチックにマネージャーとセットで登場させたことで緩和してきたかな? 第1話などの映像は神々しい感じだったから、非常に庶民的な言動は絶妙なギャップに思える。可愛いなぁ。サラ一人勝ち状態のレギュラーメンバーにどうやって組み込むのか期待したい。
 そのミーアを列車内の勢力争いと絡めて、その列車を前回転倒した1号ユニットの復帰に利用させるハイクオリティな展開。それに利用するのも以前に登場した“消えるオーバーマン”なのだから、既出の材料で上手く料理したなーと舌を巻いた。

 1vs1の超能力バトルでは物足りなさを感じたけど、大勢を動かすミッション系の話は『ターンエー』の頃から変わらぬ面白さ。ロボデザインの新鮮味がある分、むしろコチラの方が上なんじゃないかって程。

第8話「地獄のエキデン」
 脚本:高橋哲子/演出:宮地昌幸
 絵コンテ:東海林真一/作画監督:中田栄治・橋本誠一

 正直、毒にも薬にもならない空気のような第8話。しかも、演出や脚本がどうのというよりは、目的自体が分からない不可解なもの。登場人物の性格が今まで違うし。一ファンが二次創作したみたいな出来だ。
 突然良いコになってるゲイナー、都合よく標的を見失ってくれる敵、無策でやられるために突っ込んでくるオーバーマン、使いまわしの多い絵、矛盾する位置関係、時間軸がキング・クリムゾン・・・・・・・体育祭は良いアイディアだと思うんだけど、全然活かそうとする気概がないし。先週の引きで登場したミーアはスルーだし。サラがギャグ漫画のキャラみたいになってるし。

 うーん、誉めようがないなぁ。なんでこんな話を作ったのか。アデットを味方チームに引き入れたいってのなら、他に方法あったろうに。














『オーバーマン キングゲイナー』 2巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年2月14日・発売
ロボットバトル?

第3話「炸裂!オーバースキル」
 脚本:大河内一楼/演出・絵コンテ:森 邦宏
 作画監督:しんぼたくろう・中田栄治

 サラがどんどん萌えキャラ化してきた第3話。初登場のときは近寄りがたいクラスメイトって感じだったのに、なんだかとっても可愛くなっちゃって。アデットvsゲインの後ろからチャチャ入れてるアナ姫も、だんだんメシェーの面影が消えて可愛く見えてきた。この人だけ、依然『ターンエー』の空気のままなのが嬉しい・・・・・・他の部分は、『Z』のような背伸びした大人感が強くてなぁ。押井作品や大友作品みたいで、『ターンエー』に富野監督の独自性を見た自分としては・・・・・うーん。

 とは言っても、ロボットバトルと生身の対決の二元中継や、地形を利用したギミックなんかはなかなか面白い。映像は相変わらず凄い。特に、遠巻きに映したショット(雪崩の上に乗っちゃうとこ)は「美麗」の一言・・・・・・・これ、最後まで持つのだろうか?
 リミッター外してパワーアップするのかと思いきや、スタンド使い始めちゃったよ。これは賛否両論あっただろうな・・・・・・時間止めて多方向から滅多打ちなんて、まんま承太郎vsディオだし(これを連想しない人がいるのか!?) でも、そのスタンドバトルを質の高い動く映像で観られる嬉しさも確かにある。僕なんかは、その見せ方の工夫だけで満足出来ちゃうので文句はないです。

 ゲイナーの過去は、伏線張ってなかった分唐突に感じた。なに突然そんなこと言い出してんの?って。勿体無い。

第4話「勝利の味はキスの味」
 脚本:大河内一楼/演出:久保山えい一
 絵コンテ:斧谷 稔/作画監督:重田敦司

 非常にエンタメ度の高い第4話。各キャラの動かし方が見えてきた。
 これまでは、どうにもゲイナー=カミーユ、ゲイン=クワトロ、サラ=エマ(あのキャオみたいな奴がトーレスでヤッサバがジェリド??)と、既存の富野作品の焼き直し感が強くて・・・・・うーんという感じだった。でも、第4話を見てゲイナーにちょっと感情移入。カミーユのように“誰からもチヤホヤされたい困ったちゃん”というよりも、引きこもり気味の童貞少年だって思えてきた(誉め言葉ね)。
 富野作品と超能力なんて食い合わせの悪そうな要素だけど、それを上手く活かしてエンターテイメントにしているのは流石。冒頭の隠し倉庫の話から、ファイトクラブ、重症患者と持ってきたところで、時間を止めるギミックで一工夫。こういう遊び心は嫌いじゃない。
 ゲインみたいなキャラは、強すぎて序盤は使い方に困ることが多い。その代表格が上に述べたクワトロ大尉なんだけど、この3〜4話は上手くそれを活かしていた。ゲイナーにロボット戦をやらせているのと同時並行で、ゲインに生身で動いてもらう。これによって単なるロボットバトルというよりも、街全体が舞台という印象を失わずにすんでいるのは見事。

 ただ、キャラの掘り下げはちょっと遅め? サラはともかく、その他のキャラは未だ掴めないまま。この点で、最初の2話でバケモノじみた掘り下げをやってのけた『ターンエー』は、やはりバケモノだったんだと再確認。


第5話「シベリアに光る目」
 脚本:大河内一楼/演出:渡邊哲哉
 絵コンテ:西澤 晋/作画監督:大森英敏

 ガウリ隊も碌な人がいないなぁ・・・・・・牢屋にメシ持ってきたのがゲイナーという時点で、「あぁ、このままヤッサバに逃げられるのか」と幻滅して、まんまその通りになってしまった。第1話でゲインの脱走を間近に見ておきながら、全く学習していない主人公だな・・・・・コイツ。
 しかし、単独で逃げ続ける敵キャラほど好感度が上がるものはない。「不良が犬を助けた」に通じるものがある。オッサンが小さい女のコを助けただけで、ヤッサバの好感度がグンと上昇・・・・・・・・だからこそ、集中砲火の中で「消えないの!?」の声と、ヤッサバの涙が痛々しかった。すがるものを全て失った男が、助けた小さな女のコの声に生きる希望を見出すシーン。うん、良かったよ。 で、このラスト。え?この描写じゃ、幾らなんでも死んでないよね? ここまで好感度上げて殺すなんて、『Vガンダム』じゃないのだから。

 それはそうと、本格的にスタンドバトルなんだなー。今度の敵は透明になる能力。どうやって破るのかと思いきや、単純に肉を切らして骨を断つ戦法でしたよ。更木剣八か、お前は。ちょっとガッカリ。せっかくの超能力バトルを活かしきれていないよなぁ。それ以外の部分は文句なしなのに・・・・・・・・














『オーバーマン キングゲイナー』 1巻 Amazonで購入
原作・総監督: 富野由悠季
シリーズ構成: 大河内一楼
キャラクターデザイン:
中村嘉宏、西村キヌ(カプコン)、吉田健一
メカニカルデザイン:
安田朗(カプコン)、山根公利、吉田健一
アニメーションディレクター: 吉田健一
美術監督: 池田繁美
撮影監督: 大矢創太
音響監督: 鶴岡陽太
音楽: 田中公平

<キャスト>
ゲイナー・サンガ:野島裕史
ゲイン・ビジョウ:かわのをとや
サラ・コダマ:小林愛
ベロー・コリッシュ:大竹周作
ママドゥ・アザフ:西凜太朗
ヒューズ・ガウリ:草野徹
アナ・メダイユ:鬼頭典子
ヤッサバ・ジン:江川央生
アデット・キスラー:林真里花

販売:バンダイビジュアル
2003年2月14日・発売
ロボットバトル?

第1話「ゲインとゲイナー」
 脚本:大河内一楼/演出:笹木信作
 絵コンテ:斧谷 稔/作画監督:吉田健一

 古臭いオープニングの映像と音、手塚漫画を思い起こさせるドームのビジュアル、奇抜なメカデザイン―――なのに、確かに富野監督の息吹がするのは何故なんだ。少年が青年と出会うスタートも、ドームの中に引きこもる人類の話も、目新しいものでは決してない。なのに、何故こうも胸が躍るのだろう。理屈を越えた次元で、きっと僕の体は富野台詞で満たされているから。ゲイナーの一つ一つの台詞が、「あぁ・・・・富野作品が戻ってきたんだなぁ」と感慨深くさせてくれる。

 信者とは・・・・・かくも妄信的なのか。
 しかし、これは本当に週1ペースで作られたアニメなんですか? 空中を飛び回る絵、チェーンソーガンを振り回す絵。このクオリティを保てる訳がないとは分かりつつも、今はただこの映像に酔いしれていたい・・・・・・

 え?内容?
 第1話は世界観を理解するので精一杯。請負人とエクソダスの関係が明らかになるラストシーンは、なかなか。あと、姫様の声がメシェーなので、萌える余裕がなさそう。ごめんよ、メシェー。


第2話「借りは返す」
 脚本:大河内一楼/演出:宮地昌幸
 絵コンテ:斧谷稔/作画監督:吉田健一


 世界観を理解できていないのに、ゴチャゴチャした場所でギミックに満ちたバトルなんざやられたり。主人公がエクソダスを嫌う理由も判明しないのに、何だかエクソダスの中に居ついちゃったり。ツッコミどころはあるのだけど・・・・・・
 第2話の時点で主人公の“自我”と、メインメンバーの人間関係をチラホラ提示させるソツのなさ。特にメカニック連中は面白そうな人材が揃っている。ロボものはメカニック描写の手を抜くと成功しないからね。コミュニティごとの移動なんて超荒業も、主人公まわりの生活感を残しつつ、血なまぐさい戦闘へと突入する葛藤が描けそうだし。設定時点で物凄いモノを揃えたなぁという気分。逆に、この設定を揃えて駄作に終わっちゃったらまずいよというほど。
 『ブレン』や『ターンエー』序盤は定住型の“守り”のストーリーだったから、この点の“生活感”は残せた。逆に、移動型の話は常に“攻め”であるために、スリリングであるとともに安定は失う。だから、『V』までの富野作品では、戦艦を擬似的なコミュニティとして生活感を出そうとしていた。
 『キンゲ』の場合、その両方の良いトコどりが出来るということ。これは否応なしに期待が高まってしまう。クラスメイトでありながら、戦場で助ける/助けられるという関係になってしまったサラとか―――人間ドラマだけでも、暫くは楽しめそう。

 まぁ、まだ冒頭部分だからね・・・・・暫くは様子見?














『華氏911』 Amazonで購入
監督・脚本: MICHAEL MOORE
PRODUCERS:
 JIM CZARNECKI
 KATHLEEN GLYNN
EXECUTIVE PRODUCERS:
 HARVEY WEINSTEIN
 BOB WEINSTEIN
 AGNES MENTRE
SUPERVISING PRODUCER:
 TIA LESSIN
CO-PRODUCERS:
 JEFF GIBBS
 KURT ENGFEHR
EDITORS:
 KURT ENGFEHR
 CHRISTOPHER SEWARD
 T. WOODY RICHMAN
SOUND:
 FRANCISCO LATORRE
CAMERA:
 MIKE DESJARLAIS
ARCHIVAL PRODUCER:
 CARL DEAL
MUSIC:
 JEFF GIBBS
LINE PRODUCER:
 MONICA HAMPTON

提供:ギャガ・コミュニケーションズ
 博報堂DYメディアパートナーズ
 日本ヘラルド映画
2004年11月12日・発売
ドキュメンタリー・プロパガンダ

 マイケル・ムーアはエンターテイナーというよりもメッセンジャーなのかも知れない。エンタメに徹しながら、驚きとやるせなさを投げつけた前作『ボーリング・フォー・コロンバイン』と比べると、冒頭部分〜アフガン空爆辺りまでの流れは物足りなかった。ブッシュを叩くために“ブッシュ=馬鹿”というイメージ作りに固執したせいか、単調な話に思えてしまった。。
 もちろん「ブッシュ再選阻止」というムーアの唯一最大の目標を考えるとそれも正しいとは思うのだけど、既に大統領選を終えた今、アメリカ大統領を決める権限を持たない大多数の世界の国で観られている現状を考えると―――何処となく、虚しさだけが漂ってしまう。

 のだけど・・・・・・・・意図的な政治メッセージを勘ぐる余裕もないほどに、イラク戦争後の映像はショッキングで痛々しいものの連続。メッセージはムーアの私物と化していたとしても、その映像自体は紛れもなくあの国で現実に起きている惨劇だった。飛び散る腕、家族の遺体をかき集める青年、アラーの神に復讐を願う婦人。彼らの悲痛な叫びに重ねてフラッシュバックされるお馴染みのアメリカ政府の面々の欺瞞に満ちた笑顔。それは過剰なまでの政治的なメッセージであったとしても、ムーア自身の魂を削り取ったメッセージのように思えた。


 そして、後半。前作と同じようにムーアの視点は一つに絞られ、軍人を生み出すアメリカのシステムが取り上げられる。社会の底辺と言われる貧困にあえぐ街にて、集中的に軍へのスカウトが行われる。彼らは生活と将来の為に軍に入り、遠い国で命を張りながら罪もない一般人を殺す。一般人は身内を殺された恨みを、生活の為に軍に入らざるを得なかったアメリカ人の若者達にぶつける。復讐が復讐を生み、世界で一番安全な場所にいるアメリカ政府の面々と関連企業だけが儲かる。
 これらは確かに政治的なメッセージを含んでいるため、全てを鵜呑みにする必要はないとは思う。必要はないのだけど、対岸の火事だと割り切ることも出来ない。
 僕らの国でも自衛隊イラク派兵の際に、同じように論じる声があった。(ウチのサイトを観てくれている人の中に北海道民の方が多数いるということを知りつつ、だからこそ書かせてもらう) 北海道の基地からイラクへと多数の自衛隊員が派遣され、そして北海道の経済力は首都圏のそれと比べると遥かに劣るという紛れもない現実。経済力で勝る地域の人々が、経済力で劣る地域の人々を戦地に送ることなどあってはならないことだ。
 だが、現状は何も変わらなかった。大統領戦にて「ブッシュ支持」を公言する首相が(後に撤回したけど)、依然としてのうのうと政権に居座り、しかもそれを支持しているのが地方の年配の方々なんだから・・・・・・・・・・って、これ以上言うと、この文章自体が「過剰な政治的メッセージ」になってしまう。うーん、自分のメッセージをこめずに政治について語るのなんて不可能じゃないか!?

 とりあえず、アレです。公式サイトでスタッフの情報を探したのだけど、日本語版は準備中になっていて、仕方なく英語版のサイトからとってきました。名前も役職も読めません。○○プロデューサーという役職が5つもあるんですけどっ??














『恋風』DVD 5巻 Amazonで購入
原作:吉田基已(講談社・イブニング)
監督:大森貴弘
シリーズ構成・脚本:高木登
キャラクターデザイン:岸田隆宏

<キャスト>
佐伯耕四郎:三宅健太
小日向七夏:中村有岐

販売:ジェネオン エンターテイメント
2004年11月25日・発売
恋愛・兄妹



 とうとう最終巻です。
 原作が続いているということをつい最近知った僕は、このエンディングに異論が飛び交っていた理由がようやく分かりました。DVDを消化し終わったら、本棚に封印してあったマンガの方も消化したいと思います。どうしましょう。いっそのこと全話感想書きます?(誰が読むんだ)


第11話「余寒」
 絵コンテ:森田宏幸 演出:小林智樹
 作画監督:松本文男

 千鳥さんにはとやかく言われたくないなーと思った第11話。
 TV放映の時に初めて観た回がこの第11話だったのだけど、その時には気付かなかったことが沢山。この時点で、七夏と耕四郎に“社会との隔絶”というネガティブな伏線は張られているんですね。もう、露骨なくらい。双葉と帰路を分かれる七夏。一人で眠る耕四郎に聴こえるニュース(?)の声。間違えて声をかけた女性から脅えるように逃げる耕四郎。
 んで、耕四郎をどん底まで追い詰めちゃったのが、千鳥さんの「きもいよ」の一言。いや、そりゃアンタの言うことは正しいんですけど・・・・・結果的に、それまで「仕事」に集中することでかろうじて自己を保っていた耕四郎から、「仕事場」という居場所を奪ってしまうことになったんじゃないでしょうか。
 逃げるように家に着く耕四郎を待っていた、七夏からの手編みのセーター。純粋に、それでも醜く傷だらけの耕四郎から目を背けなかったのは、第1話の頃から七夏だけだったという皮肉な結果に・・・・・

 うーん、ちょっと千鳥さんの役回りは中途半端だったような気がしますよ。「千鳥がいく」の突き抜けっぷりとは対照的に・・・・・・・・原作のマンガ版ではどんな活躍をしているのか、それに期待をしておきます。


第12話「春雷」
 絵コンテ:小林孝嗣 演出:小林孝嗣
 作画監督:重田勇二・飯飼一幸・烏宏明

 千鳥さんの隠されていた右目がついに明らかに!
 襲い掛かる七夏!絶体絶命の耕四郎を助けるため、ついに千鳥の写輪眼が覚醒するのだった―――!!

 とまぁ、ネタに走りたくもなるぜって位に完璧な第12話。
 ↓ここからはシリアス感想いきます。ごめんなさい。

 「終わる世界」 高校生の頃に観た『EVA』の終盤、あそこまで世界が絶望的に滅んでいく様子をこれでもかってほど描けるのかと思ったものですけど。それに匹敵するくらい、この30分も辛く、切なく、絶望的に社会と隔絶されていく様が描かれてると思いました。
 3度に渡って閉じられるアパートのドアが二人と社会の距離を秀逸に表し、その度に途切れる音、後ろ指を指されながら幸せそうに帰宅する耕四郎、千鳥との別離―――全てが残酷なまでに、二人の絶望的な行く末を暗示しているようでもあります。結局、千鳥さんは二人を追い込むだけ追い込んだだけで、二人が“他の全て”を捨てざるを得ない状況を作っただけ・・・・・・・彼女の言ってることは正論なんですけど、第1話からソレに悩み続けてきた耕四郎にソレを告げてもなぁと。
 そして、「どうして兄妹を好きになっちゃいけないのかなぁ・・・・」から始まる転落のシーン。音と絵とアングルが神々しいまでにキレイに融合されて、崩壊していく二人の世界を描写しきったと思います。このシーン、震えまくりですよ。

 そして、超えてしまった一線―――この段階では、二人は「社会と隔絶された状況」で最終回へと続きます。単に“主人公とヒロインがくっついた!”という気はさらさらなく、むしろ“界境トンネルが開いて人間界が滅亡の危機!”くらいの引きです。これに対する答えが最終回にて描かれるんでしょうけど・・・・・・果たして、人間界が滅ぶのか、幽助が仙水を倒してハッピーエンドなのか。それはまた、最終回の感想で書きます。


第13話「陽炎」
 絵コンテ:大森貴弘 演出:大森貴弘
 作画監督:松本文男

 4ヶ月かけて1話から最終話を通して観たので、ようやくDVD同封の冊子(設定資料やインタビューが載っている)を5つまとめて読んでみました。どのインタビューもかなり面白いんですけど、特に見逃せないのが2巻に同封されていた構成&脚本の高木さんのインタビュー。

 「これは耕四郎の成長物語であって、残念ながら七夏は成長できていない」
 「本当は10話の耕四郎が家を出るシーンで終わる予定だったが、「どうせソコまでしかやらないんでしょ?」の声が多かったのでいくとこまでいった。『恋風』という作品のためには、結果的にあのシーン(兄妹セックスのシーン)は必要だと思った」
 「案の中には、高校卒業した後の七夏が男を経験した後、耕四郎への想いを取り戻して―――というものがあったが、原作者の吉田さんから止めてくれと言われた」
 「その一件で、ようやく七夏を純粋なキレイな存在として描けるようになった」

 いや・・・・・もうぶっちゃけ過ぎじゃないですかね?
 あと、監督の大森さんのインタビューも「それぞれに解釈は出来るでしょうが、僕としては逃げたつもりは全くなくて、作中に答えを示したつもり」という一文がなかなか考えさせてくれます。TV放映時に僕が思った「基本的にはバッドエンド・・・・・だけど、二人の諦めない気持ちが現状を変えられるのかも知れない」という解釈が、製作者サイドにも肯定されたような気がして嬉しかったです。そうだよなー、投げっ放しとは思わなかったんですよ。

 「・・・・・・・・好きだ」
 「好き」という感情を知らなかった耕四郎が、最終回のラストシーンで真っ直ぐと「好き」と言えるようになった。喩えソレが過ちだとしても、そこまで成長していった耕四郎の過程を見ると、あながちバッドエンドでもないのかも知れないです。
 社会との隔絶、閉鎖される遊園地、守ることの出来ない約束・・・・・・・その後に待ち受けている二人の苦難はそこら中に暗喩されています。でも、その中でも希望を失わずに「簡単に諦めるんじゃねえよ」と言った耕四郎を見ると、なんか普通に主人公みたいになっちゃったなぁ・・・と思いました。まー、最後まで耕四郎視点では感情移入できなかったんですけどねっ!


 最後まで手を抜かなかった演出&作画レベルは本当に凄かった。序盤は「?」と思っていたヒロイン中村さんの演技も、終盤は神がかっているほどでした。凄いスタッフ、凄いキャストがシリアスな恋愛話を作って―――ここまでの問題作にするとは(笑) 僕はこの作品の洗礼を受けてからは、もう兄妹モノは観れなくなりました。それくらいの破壊力のあるものを作り上げた製作者がたに感謝をしたいです。
 これ、どっかで再放送してくれませんかねー。普及のさせ様がないんですもの。














『恋風』DVD 4巻 Amazonの紹介ページ
原作:吉田基已(講談社・イブニング)
監督:大森貴弘
シリーズ構成・脚本:高木登
キャラクターデザイン:岸田隆宏

<キャスト>
佐伯耕四郎:三宅健太
小日向七夏:中村有岐

販売:ジェネオン エンターテイメント
2004年10月22日・発売
恋愛・兄妹

 4巻のジャケットは、在りし日の一家の姿・・・・回想シーンが多いので、コレは内容を的確に表現したジャケットなんだけど・・・・・妹が「妹」であった日を焼き付けるって意味もあるんだろう。いよいよ、本格的に切なさを増してきた。


第8話「露霜」
 絵コンテ:川島宏 演出:小林孝嗣
 作画監督:飯飼一幸・重田勇二・今木宏明

 原作では第2話だった耕四郎が母親に会いに行く回。
 基本的には原作と同じやり取りなんだけど、兄と妹の距離が違う分、意味も変わってくる。喩えば、中学時代の七夏が「お兄ちゃんに勉強教えてもらえるかなー」なんて言っていたシーン。二人が出会ったばかりの原作だと無邪気な七夏の願望だけなんだけど、実際に勉強教えてあげたりして互いに「兄妹」を越えた意識を持ち始めたアニメ版だと罪悪感となって跳ね返ってくる。

 兄としての自覚を持ち、妹を妹として見ていた時期の回想が切ない・・・・・・全ては離れ離れになった十数年が原因な訳で、その原因を作ったのが両親だった。そうした両親の離婚をきっかけに耕四郎が自分の人生に無頓着になり、逆に「人と人の出会い・別れ」を象徴する結婚相談所で働き始めるって冒頭部分の見せ方が上手かった。

 ・・・・そして、母との再会を通じて、妹を「妹」として見ていくことを確認した耕四郎だったのだけど。もはや、話は耕四郎→七夏ではなく、七夏→耕四郎の方が強いんだよね。切ない。今後の展開を想像するだけで切なくなってしまう。


第9話「風花」
 絵コンテ:若林厚史 演出:園田雅裕
 作画監督:宮田奈保美・松本文男

 前回で「妹」を妹としていくと決めた耕四郎は、佐伯家を出ていくことを考える。一方の七夏は、周りからの「優等生」イメージと自分の本質のギャップに苦しんで・・・・それで、自分の本質を見てくれるお兄ちゃんへの想いが止まらないってな話。
 なるほど、前回に母親との再会の回を入れたのは、耕四郎にとって直前の歯止めをかける意味があったのか。逆に、それを知らない七夏は無謀にも直球続き。見てるコッチが恥ずかしいくらいのイチャつきっぷり。やはり、七夏視点の話は無謀で無茶で純粋で、下手な打算とかがない分に切なくなる。

 限界のところで踏みとどまろうとしている耕四郎の心に、ずかずかと入ってくる七夏の一途っぷりが良かった。そりゃ、耕四郎でなくても手が出てしまう・・・・・のに、抱きついたら振りほどかれる!? あれ・・・・・・七夏たん、あそこまで「好きだ」「好きだ」と言っておきながら、それはないんじゃないのか。


第10話「寒月」
 絵コンテ:舛成孝二 演出:木村寛
 作画監督:野口和夫

 なるほど、前回ラストの七夏の拒絶は「耕四郎→七夏の想いを知らないから」だったのか。視聴者には序盤から痛いほど見せ付けられていたので、周知の事実なのかと勘違いしてしまった。だとすると・・・・・七夏視点の話は、“絶対触れられない兄への片思い”だったのか。職場でじっと兄を見つめる姿とか、確かにそんな感じだった。報われない健気っぷりが切ない・・・
 双葉のお姉、登場!序盤で存在だけは提示されていたけど、まさかココで「普通の兄弟関係」と「幻想だけではない恋愛の現実」の2つを見せ付けるキャラにしてくるとは・・・・このストーリー、とことん七夏をイジめ続ける。楽観状態だった序盤とは大違い・・・・・・・・・しかし、お姉は環とキャラ被ってるよね。双葉は本能的に同じようなコと仲良くする傾向にあるのか??

 そして、距離が縮まった危機ゆえに耕四郎は家を出ることに。最後の添い寝シーン、原作序盤であった“母宅で並んで寝る”話がカットされたのは、ここでようやく近づいた距離(そして、それゆえに離れざるを得ない現実)を描くためだったのか・・・・・・・・・

 近づきたいがために、離れなきゃならない関係―――ファンタジー系の話では異種族間の恋愛なんかで描かれたりするけど、実は「一番近い存在こそが一番遠い」という。
 斑目、オマエが正しい。「血のつながった妹なんて要るわけないじゃないか」 全くだ。











『恋風』DVD 3巻 Amazonで購入
原作:吉田基已(講談社・イブニング)
監督:大森貴弘
シリーズ構成・脚本:高木登
キャラクターデザイン:岸田隆宏

<キャスト>
佐伯耕四郎:三宅健太
小日向七夏:中村有岐

販売:ジェネオン エンターテイメント
2004年9月24日・発売
恋愛・兄妹

 3巻からは初回特典がググーっとグレードダウン。購買欲が保てるか、不安だ・・・・4〜5巻分はキッズステーションの放送を録画してあるし、3巻の内容次第ではDVD購入はココまでということもあるんだよなぁ。どうしよう。


第5話「遠雷」
 絵コンテ:小林孝嗣 演出:小林孝嗣
 作画監督:重田勇二

 ちょっとパワーが落ちてきたかな?
 前回の“妹の下着の匂いを嗅ぎました”の続き。その罪悪感に苦しむも、オナニー後のゴミを勝手に捨てられたことで、とりあえず八つ当たりで誤魔化しておけってパターン。ん・・・・・・第2話とやってること一緒だぞ。
 罪悪感から逃れるため、誕生日を祝ってあげることにしたんだけど―――改札越しに見た妹の姿がまた美しくて、結局やましい気持ちはなくなりませんでしたと。七夏の誕生日というビッグイベントを使った割には、イマイチ活かせてない気がするなぁ・・・・・

 4話・5話と、原作とほぼ一緒の展開・台詞だった訳だけど―――アニメ→漫画の順で読んでも、同じ内容なら漫画の方が優れていると思ってしまった。第3話で見られた神がかった構成力を期待してしまうからなー。


第6話「秋思」
 絵コンテ:浅見松雄 演出:木村寛
 作画監督:増谷三郎

 原作での8〜9話を飛ばして、話が一気に秋へ。その夏休みの話も結構好きなので、ちょっと残念かも。ダラダラしている七夏という珍しい絵が見られるので。
 思わず「かわいい」と言ってしまった耕四郎のダメダメっぷりはいつものことだけど、ここで七夏視点で話を動かしてくれるのがありがたい。4話〜5話は、一方的に耕四郎視点だけで話が進んだからなぁ・・・・・・
 布団の中で兄の音に耳を馳せる仕草から、置いてかれたことに腹を立て、説教喰らってムッとして。ここまでタメてタメて、最後に少しだけ見えた優しさに戸惑ってしまう七夏。とうとう七夏→耕四郎のラインが見えてきたか!?

 耕四郎→七夏の一方通行だと単なる“妹萌え”なダメ人間話なんだけど、これが両方向から来ると“禁忌の愛”に早変わり。あぁ、切ない・・・・・走り去る七夏の表情が、今後の暗雲を象徴しているようにも思える。テンション、上がってきたかも・・・・・!
 これも原作2話分を繋げたせいか、密度高かった。でも、オリジナルな構成を観たいという欲もある・・・・クオリティ高かったけど、まんま原作通りな分、この話も原作の勝利かな?


第7話「初嵐」
 絵コンテ:渡部高志 演出:渡部高志
 作画監督:宮田奈保美・松本文男

 覚醒―――
 今にも全てが壊れてしまうような緊張感と、心に直結してえぐってくる映像の美しさ。これだよ、これを求めてわざわざDVDを買っていたのだよ。神がかっていた第3話と同じ作画コンビなので、今回もすげー絵のクオリティ。これ観た直後に原作チェックなんて、アニメーターに失礼で出来ません。4巻も予約してしまった・・・・そのくらい第7話はお気に入り。
 ふと感じた優しさのせいで、耕四郎に惹かれていってしまう七夏・・・・普通の同級生からラブレターを貰い、それをきっかけに普通の恋愛をする道もあったのに。むしろ、それが自分の気持ちをハッキリとさせる。校舎裏で涙を流すシーンは、すげえ綺麗の一言。
 耕四郎の方は、七夏に彼氏が出来そうだとせっかく吹っ切れそうになったのに・・・絶妙なバランスで、かろうじて兄妹でいられる二人。あと一歩どちらかが踏み出した瞬間、全てが壊れてしまいそうだ・・・・・切ない。ホント、七夏→耕四郎ラインが見えてきてグッと面白くなった。早く続きを観たいなあ。

 それはそうと、宿題をわざわざ居間でやってお兄ちゃんをチラチラ見ている七夏が可愛い。こうやってチョコマカ動く絵って原作っぽいのだけど、アニメとして世界観を壊さずに動かすことも出来るんじゃないか。このクオリティを保って欲しいっす・・・・・











『恋風』DVD 2巻 Amazonで購入
原作:吉田基已(講談社・イブニング)
監督:大森貴弘
シリーズ構成・脚本:高木登
キャラクターデザイン:岸田隆宏

<キャスト>
佐伯耕四郎:三宅健太
小日向七夏:中村有岐

販売:ジェネオン エンターテイメント
2004年8月25日・発売
恋愛・兄妹


 Amazonからのダンボールがいつもの薄っぺらいヤツじゃなかったので何かと思った。開けてみてビックリ。初回限定・全巻収納BOXがついてきてた。いやぁ、普通は調べてから買うだろ。
 原作者の暖かいタッチがひたすら美しい。ダメ出しーるとかフォトカードとかはそんなにありがたくなかったけど、このBOXはかなりのお気に入り。全巻揃いたくなってしまう罠なのは分かっていても、結局集めてしまうんだろうなぁ。

 2巻自体のジャケットは七夏のセーラー夏服。親友のメガネのコと、その中学時代の友達も一緒。メガネのコはともかく、もう一人のコはポイント高いね。前髪、横分けだし。


第2話「春愁」
 絵コンテ:浅見松雄 演出:浅見松雄
 作画監督:増谷三郎

 惚れた女のコが実の妹で困ったなーな第2話。
 「兄妹なんだから仲良くしたい!」という七夏とは対照的に、「兄妹じゃ、どうしようもねえじゃないか!」と冷たくあたる耕四郎。そりゃ、仕方ない。七夏は張り切ってお弁当作ったり(愛妹弁当?)、会社まで迎えに来たり。彼女としては離れて育った12年間を埋めるつもりでも、耕四郎にとっては“絶対に手を出してはならない新妻”ができたようなもの。生殺しだ。

 そんな二人の仲直りは至極ベタな展開だったのだけど、二人の間に再び桜の風が舞う描写とか、桜の間を二人乗りで走りぬける絵とか、物凄い作画のクオリティだ。
 でも、七夏役の声優さんはまだ違和感あるかなぁ・・・・TVで最後の頃を観たときには感じなかった違和感なので、この後の成長に期待したい!


第3話「春愁」

 絵コンテ:仁賀緑朗 演出:小林智樹
 作画監督:松本文男・宮田奈保美

 妹の生理や下着に戸惑っちゃてる第3話。
 クオリティ高っえ!! 俺は今までこの作品、イデオロギー的な部分を評価して、そこにお金を払っていた感じだったのだけど・・・・この第3話の構成・テーマ性には素直に5000円払いたくなる。この先どんなことがあっても、この回だけは永久保存しておこう。
 かつて母にしてもらったように、「兄として」大人っぽいところを見せてぎこちなさを消したい耕四郎。でも、子ども子どもだと思っていた七夏も既に15歳なのだ。下着も干すし、生理にもなる。意識しつつ、戸惑いながら「兄として」優しくなろうと頑張るのだが・・・・・
 一方の七夏。兄が思うほど大人にもなれず、ただ大人になっていく自分と周囲に戸惑っている。同級生のキスを目撃して、「お兄ちゃんはどうなんだろう?大人だもんね・・・・・」と一人取り残された気分になる。

 その二本の線が交わったとき、そこには「兄として」というよりは「恋として」の始まりなのかも知れない。自分を心配して迎えに来た兄にフラグ発生。そして、交換されたクマを映してエンディング。
 うわっ、うわー。うわーっ!!ひたすら美しい映像にお腹いっぱい。衣替えしたセーラー服も良いし、完璧な構成力だった。ご苦労様です。


第4話「夕立」
 絵コンテ:山崎たかし 演出:太田知章
 策が監督:石川健介

 妹の下着の匂いを嗅いでオナニーするのの第4話。
 これだけ書くと、単なる変態アニメみたいに思われそうだな・・・・しかし、耕四郎がそうなってもおかしくないプロセスは踏んでいるのだよ。妹と一緒に映画に出かけているところを元彼女に目撃され、それを「あれは妹だから!いくらなんでも女子高生に手を出さねえっす!」と否定するために彼女の家に。一緒にご飯食べて耕四郎だけが「ひょっとしたら、ヤれんじゃねえの?」とか思っていたら、「これから彼が来るの」の台詞。傷心のまま家に帰ったら、パンツ一丁のところに妹の下着。そりゃ、匂い嗅ぐよな。

 でも、そうなると耕四郎→七夏への想いってのは“単なる逃避”みたいな気がしちゃうよなぁ。耕四郎の想いのプロセスとしては、

 彼女に「アナタ、誰かのことを恋しいと想ったことあるの」とフラれる
 ↓
 妹と知らずに七夏と出会い、初めて「恋しい」と想う。
 ↓
 でも、七夏が妹だと判明。手が出せないじゃん!
 ↓
 元彼女と再会。「ひょっとしたらイケるんじゃねえの」
 ↓
 新しい彼氏がいましたとさ
 ↓
 仕方なく、妹を思い浮かべてオナニー

ってのが正しい。手を出せないから一人で処理せざるを得ないというか。あぁ、虚しい・・・・・・・
 で、七夏→耕四郎の方は。雨の日の一件以来、彼の優しさ順調に惹かれつつあるみたい。声優さんも本領を発揮してきた御様子。「かっこいい!」のシーンは、絵的な華やかさも相まってなかなか。彼女が無邪気に笑えば笑うほど、耕四郎の虚しさが強くなっていくジレンマ・・・・・・・・


 そいで、ティッシュがゴミ箱に捨てられたまま、1ヶ月間放置ですか?
 早く3巻出ないかにゃー。












『恋風』DVD 1巻 Amazonで購入
原作:吉田基已(講談社・イブニング)
監督:大森貴弘
シリーズ構成・脚本:高木登
キャラクターデザイン:岸田隆宏

<キャスト>
佐伯耕四郎:三宅健太
小日向七夏:中村有岐

販売:ジェネオン エンターテイメント
2004年7月23日・発売
恋愛・兄妹


初回特典
 ジャケットは七夏たんの制服姿。あ、ウチにある初回バージョンとAmazonの写真はジャケットが違うな。初回限定で違うジャケットなのか?
 初回特典は3つ。ジャケットと同じ絵のスタンドポップとフォトカード(絵だけど)、お兄ちゃんダメ出しーる。フォトカードやシールは全員一緒のなのかな? サウンドトラックのとは中身が違ったけど・・・・ とりあえず、幾ら俺でも七夏たんの幼児バージョンには萌えられず。当然だ。


第1話「初花」
 絵コンテ:大森貴弘 演出:千葉大輔
 作画監督:松本文男・宮田奈保美

 仕事に追われ、淡々と毎日を過ごしている耕四郎が偶然出会った女子高生に恋しちゃったみたいな第1話。でも、根っこの部分はもっと複雑で、本当に誰かを好きになれない彼の心情描写と―――それ以外の、躍動している若々しい世界との対比が、これでもかってほど描かれている。駅のホームで風が吹いて桜が舞うシーンも良いのだが、チケット渡した瞬間に落ちたカバンの風圧が花びらを舞わせるシーンがそんな印象を持たせた。
 20代も半ばに差し掛かると分かるのだが、時間とか感情とかを一周分体験してしまうせいか、一つの出会いや恋にいちいち感情移入できなくなってしまう。恋愛だけじゃない。日々の生活において、驚きや喜びを見出すのが難しくなるのだ。だから、いつしか作業をするように生きてしまうようになってしまう。耕四郎は、そんな二十代の男性の気持ちを代弁させるキャラ。
 そんな二十代の男にとって、一つの恋に涙していつまでも引きずってしまう七夏のような存在は眩しい。彼女の一喜一憂する様が、かつて純粋で素直だった頃の時間を思い起こさせるから。兄妹モノではあるけど、そこで描かれているのはインセスト・タブーに対するものではなく、“純粋な本当の愛”が描かれているような気がする。

 なんだか―――このアニメは十代の青春まっしぐらの人には理解不能なアニメな気がする。逆に、上で述べたような二十代以降の男性は、第1話時点で耕四郎の気持ちが痛いほど分かる筈。
 それでは、もう一方の主人公。十代の青春まっしぐらの七夏の心理描写は? 第1話では、まだよう分からん。彼女が如何にしてダメ男・耕四郎に惹かれていくのか、その辺りに期待して二巻を待とう。そんな感じ。


 しかし、本編がこんなにシリアスなのに、チャプターの説明が「別れた彼女の来社にドキv」とかなのは何なんだ(笑) 「千鳥がゆく」もそうなんだけど、よほど本編のシリアス部分に自信がないと出来ない“遊び”だよなぁ。














『下妻物語』 Amazonで購入
原作:嶽本 野ばら(小学館)
監督・脚本:中島 哲也
音楽:菅野よう子
キャラクターデザイン:小暮真位子
撮影:阿藤 正一
照明:木村 太朗
録音:志満 順一
整音:太斉 唯夫
美術:桑島 十和子
ビジュアルエフェクト:柳川瀬 雅英
編集:遠山 千秋
助監督:吉見 拓真
制作担当 :大沢 忠生
キャスティング:
 ネルケプランニング
 おおずさわこ

<キャスト>
深田恭子
土屋アンナ
宮迫博之
篠原涼子
樹木希林
阿部サダヲ
岡田義徳
荒川良々
小池栄子
矢沢心
生瀬勝久
本田博太郎

2004年11月26日・発売
友情・成長
 映画が公開された直後、兄貴から「『下妻物語』すげー良いよ!」というメールが来た。TV予告を観て「何じゃこりゃ」と興味を削がれていた僕はドン無視を決め込んでいたのだけど、次に兄貴に会った時は「俺、『下妻物語』観て感動したから、下妻行って来ちゃったよ!」と言われ、いよいよ無視しているどころじゃなくなった。大仏とジャスコを観るためだけに、神奈川の奥地→茨城の奥地である。馬鹿か、コイツ。兄貴が馬鹿なのか、『下妻物語』が面白いのか―――
 それを確かめるために、結局は兄貴にDVDを借りることに。しかも、スペシャルエディションですよ。メイキングとか入ってますよ。メイキングを観るんですか、兄貴は。

 兄貴と僕は漫画の趣味は無茶苦茶似通っているんだけど、映画の趣味は対照だったりするんです。兄貴は『タイタニック』とかで普通に感動できるんだけど、僕には絶対無理っす。予定調和的なラブストーリーは、退屈で観れないんですよ。ガイ・リッチー『snatch』とか、TVドラマ版の『木更津キャッツアイ』みたいに、一分一秒後に何が起きるか分からないようなハイスピードな映画が好きです。

 ・・・・・・・・・とか、言ってたら。冒頭から『木更津』顔負けのハイスピードで、遊び心に満ちた怒涛の展開。何コレ、恐ろしく僕のストライクゾーンど真ん中な演出・キャスティングじゃないですか。深田恭子のノホホンとしたナレーションで語られる、アホみたいな過去。間と音楽が絶妙にマッチしていて、それでいて要所要所のオリジナルの音楽が素晴らしい。素晴らしいと思っていたら、菅野よう子かよ!マジっすか。
 菅野よう子だけじゃないです。主演の二人で食わず嫌いをしていたのを後悔するほど、脇を固めるキャストの豪華なこと豪華なこと。このキャスティング実現させた人は何者ですか。何となくクドカンっぽい画面だと思ったのは、岡田くんと阿部さんのせいかな。二人とも大好きな役者さんです。それ以外にも、樹木希林、荒川良々、生瀬勝久などなど・・・好きなメンツ。お笑いとしては全く好きではないけど、役者としては結構好きな宮迫も良かったです。
 しかし、何と言っても深田恭子のはまり役っぷりは凄かったです。あんまし彼女のドラマや映画は観たことないんですけど、ここまでコメディ向けの人なんですか(笑) 顔とかは別にどうでも良いんですが、彼女の“声”と独特の間はクセになりそう。これ、他の人じゃ全然大した映画にはならなかったかもなーなんて思っちゃいますよ。


 ストーリーの方も、下妻の牧歌的な風景を舞台に少女の成長を丁寧に描いていたと思います。最初は何も持たなかった深田恭子が、土屋アンナとの出会いで刺繍の才能と楽しさを開花させるんだけど、クライマックスでは刺繍を捨ててまで土屋アンナを助けに行くという裏っ返しが気持ちよかったです。
 あと、土屋アンナが「女は涙を見せちゃいけねえんだ」と言って、深田恭子が後ろを向いて「でも、ここには誰もいないよ・・・・」というシーンが凄い好きです。設定と伏線とキャラの性格を熟知した名シーンだと思いますよ。

 面白かった。邦画に出来る全ての可能性を詰め込んだという気さえします。
 結局僕もメイキング全部観ちゃったですや。土屋アンナがNG連発で落ち込んでへたれているトコに、そっと深田恭子が隣に座りに行く場面とかほろっと来てしまいました。メイキングはやっぱり邦画の方が断然面白いですよね。代官山の風景とか観れるし。











『ドラッグストア・ガール』 公式サイト
監督 本木克英
脚本 宮藤官九郎
製作 小林栄太朗 気賀純夫
企画 遠谷信幸 真塩 嗣 加藤正明
プロデューサー 高橋康夫
撮影 花田三史
美術 太田喜久男
音楽 周防義和
照明 松岡泰彦
録音 岸田和美
編集 川瀬 功
助監督 伊藤匡史
製作主任 嘉藤 博
製作担当 相場貴和

<キャスト>
大林恵子(田中麗奈)
鍋島(柄本明)
沼田(三宅裕司)
山田(伊武雅刀)
済念(六平直政)
ジェロニモ(徳井優)
信次(荒川良々)

販売:ジェネオン エンターテイメント
2004年8月25日・発売
Amazonの紹介ページ
親父奮起・町おこし・ラクロス


 本編にはそんなに絡んでこないのだけど、クライマックスのインディアンチームと対戦している球場――――以前、ウチのサッカーチームで使っていた球場だったのだ。スタンドに人が入っているところ、初めて観た。

 で、本編。
 なんじゃこりゃ・・・・・・・・・・
 何だ、これ? わざとなのか、それともやる気なかったのか?
 一見すると『ウォーターボーイズ』系の“それまではダメ人間だった男たちが、一丸となって成長して脱ダメ人間化する話”なので、途中までは定番どおりの展開が進む。でも、不穏な空気はあったのだ。『ウォーターボーイズ』なんかではシンクロシーンを作中で認められて、「アイツら意外にやるじゃん!!」って認められていくでしょ。でも、この『ドラッグストア・ガール』はラクロスそっちぬけで竹で作ったクロスが大ブレイク!とか、あくまで最終目標は田中麗奈とデートすることだとか。主人公である親父達が全然成長していないし、誰も彼らを認めていないままクライマックスへ。
 そして、来るインディアンチーム戦。定石通りにボコボコにやられ、ここから親父達の反撃かーっ!?と思ったら、主人公である柄本明はへばったから退場。むりやり息子とかに替わろうとして、結局田中麗奈が出場するのだが、この田中麗奈も活躍らしいことをせず、栄養ドリンクで奮起したジェロニモが1点返して終わり。

 何、これ? 結局、ダメ親父は最後までダメ親父ってこと?
 最後の敵味方入り乱れての意味不明な胴上げとか、乱立している『ウォーターボーイズ』系物語へのパロディっぽくもあるんだけど・・・・・キャストのインタビューとかネットのレビューをざっと見ても、そんなこと言ってる人は一人もいなかった。じゃあ、これを天然でやっているってこと????



 そういう意味で、オマージュ作品として観ればまずまず/ガチで観るならダメダメな作品だったかなぁ。クドカンの脚本目当てで観ると、ちょっと後悔するかも知れない。
 それでも、役者の親父どもは超豪華ではある。感動話としては消化しきれなかった俺は、彼らの台詞回しだけを楽しんだよ。ぶっちゃけ、田中麗奈絡まない前半の方が面白いもん。



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