DARK EDGE 14巻 DARK EDGE 13巻 DARK EDGE 12巻 多重人格探偵サイコ 10巻 チクサクコール〜うすた京介短編集〜 テレキネシス 1巻



DARK EDGE 14巻 Amazonで購入
相川有
メディアワークス・電撃コミックス
2005年9月27日・発売
学園ホラー・種の存亡・二種族対立
 クライマックス一歩手前。謎らしい謎はほとんど解明されたけど、残り5話で収拾つくんでしょうか、これ。帯にて電撃ガオでの最終話掲載と、最終巻発売の告知あり。最終巻はともかく、最終話掲載情報なんてコミックス派にとっては何にもありがたくない情報じゃないですか(笑)
 コミックスの帯に「この続きが最新の○○で読めます!」という宣伝の仕方は集英社がよく使う手ですが、アレの効果について誰か数値化してはくれんでしょうか。僕としてはアレで何度かコミックス派→雑誌も読む派、に鞍替えしたことあるんで。


 さて、14巻の感想。
 ○ 遠山白右、死す
 前巻の時点でもはや助からないところまでいっていたとは言え、流石に最期のシーンは切なかった。吉国→遠山への友情描写は結構あったんだけど、「もう俺にはそういう感情はない」と遠山→吉国への友情描写は今までほとんどなかったんですよね――
 だからこそ、最期・・・自分の脚すら犠牲にして、吉国に自分の心臓を託すシーンはグッときました。「不死族と人間は分かり合えないのか」というテーマは何度も問われているこの作品の肝になる部分ですが、不死族キングたる遠山白右と、ただの人間:吉国は分かり合えた模様。

 目覚めた時から不幸な遠山だったけど、最期の最期に救いがあったのかな。


 さて、これで・・・・これまで“シードやキングに対しては無力”だった吉国が、一回だけそれらすら燃やすことの出来る強力な武器を手にしたことに。そして・・・・これは伊勢や佐藤も気付いてないっぽい。これが鍵になるか?


 ○ 土屋先生は生きてました
 棺の中で復活を待つということは・・・・・何だかんだいって、オイシイポジションにつくのではないかと。現行不死族の中ではつっちーが一番好きなキャラなので嬉しい限りです。

 しっかし、これに対しての西脇と吉国の見解の相違が面白いですね。元々この二人は意見が正反対ではあって、初期の頃から反発はしてたんですが(おかげで吉国はキャリアになるわ、西脇は棺に入るわ・・・・)。
 でも、それ以上に。西脇は吉国と違って「教師である」松平を殺してしまった過去があり、吉国は遠山白右の力になろうとしてしまった。辿った道が違ったがゆえに、考え方もバラバラに進む―――この辺りの思想描写が凄まじい。


 ○ 全ての伏線が一つに―――
 僕は常日頃から「過去編をダラダラやられるのは嫌い」とか、「過去編に頼らなきゃ話を作れないのは構成ミス」とまで言っていたんですが。『DARK EDGE』の過去編はこれまでの伏線と謎が一本に繋がり、それでいて予想の斜め上を貫かれたのでムチャクチャ衝撃でした。

 「学ランの男は自分で不死族を始末しない」
 「不死族は学ランの男にシードを感じていた」
 「室井は学ランの男に会うまでの記憶がない」
 「キャリアは校長が全員始末した」
 「校長は記憶の操作が出来る」
 「学ランの男に似ていた遠山白右は母親から虐待を受けていて、中学の制服を着てからさらに酷くなった」
 「室井と伊勢倫子は顔見知りだった」
 「伊勢倫子は伊勢が不死族に関わろうとするのを避けようとしていた」
 「最後の不死族を倒した後、室井は学ランの男に「まだやることがある」と言われた」

 んでもって、この巻で明らかになった
 「学ランの男は校長と繋がっていた」
 「学ランの男にだけは不死族のテリトリーが見破られた」
 「学ランの男は殺す不死族を忘れないようにしていた」

 という伏線を繋げていくと・・・・・結果的に一つの結論にしかならないという。
 そう。学ランの男=レメクという事実。
 二度の過去編にて、学ランの男は不死族を否定する発言をしていたので疑うことすら辞めていたのだけれど、そもそも今のレメク自体の描写が単純に不死族を増やすことを目的としていなかったのだし・・・・・気付いていた人は気付いていたんだろうなぁ。僕は完全にミスリードに引っかかりました。


 しかしなぁ・・・・・冗談半分で言ってたけど、本当に強姦によって生まれた命だったとは。
 
「もしかして、俺は母に望まれてなかったのかもしれないけど。
 それでも俺には母と二人で過ごした日々がある。俺は彼女を疑ったことはないし、肌の温度を憶えてるし、声も憶えてるし。料理もあんまり上手じゃなかったけど、俺にとってはそれを食べるのが当然で、大好きで。冬はこたつで向かい合って、夏はアイスを取り合って、俺は独りじゃなかったし、これからも独りじゃない。やっとそう思えた」


 泣いた。過去編読んだ後に読み返して、もうむっちゃ泣いた。
 まさかなぁ・・・相川有にこんなシーンが描けるとは、『新聖痕のジョカ』の頃は思いもしなかった。



 ○ それはそうと
 最後の不死族だったロリ少女、可愛い。
 彼女の語る“最初のキャリア”は、どっかで1カットだけ絵がありましたね。このコも結構可愛く、そして若いまま死んでしまったという。サイドストーリーでも出来ているんだろうかと思っていたら、ここにて再登場。鎖骨と二の腕の肉付きがエロかったです。


 ○ レメクの目的とは?
 選ばれた不死族は病院に隔離して、後の四辻学園のメンバーが出来たみたい。そう言えば園部も不死族狩りの頃は眠っていて教師になるまで何年も封印(?)されてたって言ってましたもんね。
 で、選ばれなかった不死族を室井達キャリアに始末させ、そのキャリア達(室井以外)は校長に殺させ―――

 これらの行動の元にある不死族が繁殖能力を失い、人間がキャリアとなり始めたからというのでしょうが。繁殖能力のない土屋・園部・松平を選んでる時点で、単に強い不死族だけを選んだってワケでもないだろうし・・・・・・レメクを突き動かすのは「シードの本能」だと言っていたので、「最終的に最も強いシード一人が生き残れば良い」ってことかな??


 ○ そういや、室井の目的は
 「レメクを殺して不死族の歴史を終わらせること」
 以前に天野は、「室井と私は方法こそ違えど望む結果は一緒だ」みたいなことを言っていたんだけど・・・・レメクの忠実な下僕なはずの天野がそう言うってことは、レメク自身はレメクの血にこだわっているワケではないのかも。


 ○ そんなことより百合展開の方が大事だ
 
「今日いっしょにおふろ入ろうね!!」

 吉国が遠山白右に語った友情論を伏線に、清水・赤坂のラインが掘り下げられました。そういや清水宅だけが初登場ですね(赤坂の家は出てないけど、お姉ちゃんとか岡元の台詞で家族関係は分かっていた)。
 小さなアパートで母子家庭で寂しいながら健気に生きて、友達も出来ず、自殺願望だけが強まって―――というバックボーンも、不死族に惹かれたり「友達なんていたことないもの」と言っていた初期の清水から一貫した設定ですね。その割には伊勢姉弟のおっかけやってたりしてた気がするけど、それも逃避だったと考えれば矛盾でもないか・・・・・

 なんかそれ考えると、バスルームで「偶然は凄いよ」と言っていた清水の台詞の意味がまた一層強まって。うぅ・・・・清水、イイコだ。泣けてくる。



 とか萌えていたら―――赤坂ピンチに、清水が駆けつけるって伏線だったのかよ!!
 マジかよ・・・・・流石にこの二人のどちらも死んだりしないと思うけど、この二人のどちらが傷ついても立ち直れそうにない・・・・・・


 ○ 伊勢姉弟vs高城
 どうやら、最後の最後はこういう展開になる模様。弟はともかく姉貴をこういう使い方するなんて、初登場の頃は想像も出来なかったけど・・・・物語にほとんど破綻なく進めてこれたのはただただ感服するのみ。

 伊勢は自分ではレメクを殺せないので、高城がレメクを殺して、レメクの結界から自分たちが出れることを狙っているんでしょうが・・・・・高城がレメクに殺意を抱くはずもないので、赤坂をオトリにしたってことか。伊勢は前巻で赤坂にぶった切られているので、その復讐も兼ねて。どうなるんだ、これ。マジで。


 残り5話でどう収拾つけるのかは想像もつかないですが、僕として気になっているのは以下の伏線。これをちゃんと消化してくれたなら何の不満もない。麻央たんの美脚が見られなくたって不満はない。

 ・吉国の持つ遠山白右の心臓
 ・考え続けた西脇の「不死族の意味」
 ・「不死族と人間は分かり合えないのか」の結論
 ・赤坂→土屋の感情の変化
 ・清水と赤坂の友情伏線の結末
 ・江田島のその後(笑)
 ・四辻学園にのめり込んでしまった主人公達の未来
 ・呪われた体になってしまった室井の最期

 それでは―――3月の最終巻を楽しみにしています。












DARK EDGE 13巻 Amazonで購入
相川有
メディアワークス・電撃コミックス
2005年3月26日・発売
学園ホラー・種の存亡・二種族対立
 うわああああああくぁああ!!

 テメこのマジ許せね伊勢ブッ殺す!!
 伊勢の策略により、とうとう継子までもが不死族に・・・・・・金髪で残酷な目をするようになり人格も変わり高城への想いも消滅。って、それはもう継子じゃないよ。別人だよ。
 しかも、こうやって一人の人間を人間じゃなくする行為を、伊勢は(しかも相手は最愛だった姉なのに)楽しみながらやりやがった・・・・・・「この漫画はホラーじゃなくコメディだ」なんて昔の漫画紹介で書いたけど、ゴメン間違ってました。伊勢が不死族になってからの展開は怖すぎて直視できないです。楽しかった四辻学園が殺戮の場に・・・・・・・・これは物凄い恐怖ですよ。

<主人公チーム>
 高城九郎(雄型シード)、遠山麻央(雌型シード)
 赤坂(キャリアの刀を持ってる)、清水(キャリア)、西脇(強力なキャリア)

<遠山白右チーム>
 遠山白右(不完全なキング)、吉国(キャリア)

<睦生と那々>
 使い魔

<レメクと子ども達>
 レメク(キング)、校長(不死族)、深谷(不死族)
 佐藤(不死族)、土屋(不死族)

 伊勢鉄三(シードの体の不死族)、伊勢継子(シードの体の不死族)−室井?


 「睦生と那々」はイレギュラーな中立な立場だとすると、実質的には3つ巴状態・・・だけど、伊勢と継子は本心ではレメクを倒して学園から解放されることを企んでいるのだし、レメク自身も「不死族の滅亡を狙ってる」伏線が発生〜。

 状況がどんどん混乱していく中、主人公チームと遠山白右が接触して共闘。それを繋げた吉国の友達論が熱かったです!深谷を殺そうとした時ですら高城は「(遠山白右を放っておけないなんて)吉国はさ、やっぱいい奴だよな」言っていたのだけど、それが伏線となってココに繋がりますかー。
 吉国の友情論と、それを聞いていた訳でもないのに清水や赤坂が高城と遠山白右を助けようとしたり、一人動けなかった西脇が「共存なんてただの理想だってことは分かってるんだよ・・・けど、俺たちも高城も「ただの理想」で片付けたくなかったんだ」と赤坂と清水を護ろうとしたり―――あぁ!熱すぎる!西脇かっけぇ!!

 だけど・・・・・・・松平に続いて、土屋も西脇が殺してしまったのか?
 遠山白右がレメクに勝つ唯一の方法とは一体・・・・??というところで、次巻へ。


 この巻も12巻に続いて状況がガンガン激変していくのに、ちゃんと多人数のキャラの心情や思惑が描写されてて凄まじい内容でした。継子を護れなかった事実に苦しみ続けていく高城の心境が切ない・・・・・朝日に絶望するコマとか、学ランにこびり付いた継子の血を見てしゃがみこんでしまうコマとか、鬼気迫るものがありました。相川先生の絵は精密ではないですけど、ギミックを上手く利用して読み手を揺さぶってくると思います。
 遠山白右の体がボロボロになってしまったり、高城の落ち込みモードはクライマックスになってしまったり、土屋の生存も怪しくなってきたり・・・・・そろそろ完結に近づいてきたかなぁという感じです。やっぱり伊勢がラスボスになるんかなー。1巻を読んだ頃には想像も出来ない展開だけど、13巻の非道っぷりを見ると・・・・・・もう、それしかない気がします。



 ○ 余談
 1コマだけですが、遠山兄妹の母親が登場してます。どうやらレメクは4つのシードを産み落とさせるために、4人の女性をさらってきてムリヤリ埋め込んだみたい。エロいです。しかも、どの女性も高校生とか未成年だという(笑)
 遠山白右は「レメクは正しくは父親ではない」みたいなニュアンスの発言をしていましたが、生まれてきた名前はレメクが付けていたとのこと・・・・・睦生と那々は6番目と7番目の子どもだから。で―――8番目と9番目の子どもを産ませるって話が12巻にあったんですが・・・・

 シードは4つで雄型と雌型で、子どもは8人じゃないのか??
 名前を見ていくと、順番が分かりそうなもんなんですが・・・・・こんな漢字?
 1.??
 2.伊勢継子
 3.伊勢鉄
 4.遠山白右
 5.遠山麻央
 6.睦生
 7.那々
 8.高城末未
 9.高城

 ・・・・となると、12巻に1コマだけ出ていたセーラー服でメガネで泣いていたコが高城の母親なんでしょうか。遠山母も高城母も、コレまで顔が隠されてきてたのでココにも何かギミックがあるのかも??
(追記:と思ってたんですが、高城の母親は第1話でちゃんと顔が出てましたね・・・・同一人物かは分かりませんが)



 さて、遠山白右の「正しくはレメクは父親じゃない」発言の真意によっては、高城と遠山麻央も近親相姦ではないということになるんですが―――でも、それが真実だとすると高城を兄弟だと思って絶望して指輪を受け入れてしまった継子が報われないですね・・・・・・・・












DARK EDGE 12巻  Amazonで購入
相川有
メディアワークス・電撃コミックス
2004年8月27日・発売
学園コメディ・種の存亡・二種族対立
 伊勢が不死族になっちゃった―――――っ!!?

 うぉっ、正直どれだけの読者が理解できているのかは分からないけど、1巻からノンストップで読み返した俺にとっちゃ衝撃の展開が続く。“凋落した天才”だった伊勢がとうとう人間を辞め、最愛の姉すらも同じ道に引き込もう」としている。単純に「助からない命を救いたい」というよりも、ここに不死族としての繁栄というものが絡んでくる。
 吉国の暴走で地下に眠る不死族は一掃された。これで不死族レメク組で生き残っているのは第一世代の校長と深谷、第二世代の佐藤、第三世代の伊勢、末端の土屋だけ。深谷は子孫を残せないし、校長は一歩引いているし、現状で急進派は佐藤・伊勢・土屋の3人(実は、土屋も子孫残せないけど)。本能に従って「不死族を繁栄させるためにはシードを持つ者を不死族に引き込むべきだ」と継子を不死族にしようとしている訳ね・・・・・・

 分からないのは、「室井がその作戦に加担しようとしている理由」と「レメクの目的」かな。室井は「親としての感情はない」と言っているので、不死族抹殺のための行動なのだろうか・・・・・でも、土屋に臓器を届けたりしていたよな。コイツの目的って、80年代の不死族狩りの真相が分かるまでは謎っぽい。
 んで、もう一つのレメク。彼は王として蘇ったときに「この地を俺自身でいっぱいにして」と言っていることから、系列とか関係なく結果として不死族が残れば良いと思っているんじゃないだろうか。そうなると、不死族もシードも人間もキャリアも共存すべきだという高城の考えに近いのも頷ける。でも、高城は本当は「人間を殺さなきゃ生きられない不死族は不毛だ」と思っているんだよね・・・・・んー、この着地点はどうなるのか。単純に遠山白右とレメクと伊勢を倒して終われないところまで、この漫画は風呂敷を広げちゃったぞ。これを奇麗にまとめられたら、自分史に残る名作になるんだけどなー。そこまで期待したら酷だろうか・・・・・・・

<おまけ・・・設定がよく分からない人向けの用語解説!>
 
○ シード
 エステル(ナクティス→後の園部)が拾ってきた5つの実の種子。そのうち4つ半をレメクが、残りの半分をエステルが食べ、最初の雄型と雌型のキングが生まれた。
 2千年後、レメクは自分の中にある4つのシードを外に出して発芽させる。4組の双子に渡り、計8人のシードが生まれる。シード=不死族キング候補生みたいなもの。雄型の場合、一回死ねば3年の冬眠期間を経てキングになれる。雌型は事例がないのでよう分からん。

 ・レメク・・・一回死んでキングになった。11人の不死族を作り、4つの種子も解放した。ということは、8人のシードの父親は彼??
 ・ナクティス(園部)・・・一回死んで雌型のキングになった。雌型は子孫を残さず、他人の体を使って2千年も生き続けた。高城の手で葬られる。

 ・遠山白右・・・2年前に母親とともに心中。学園内の墓地で眠っているところを、不完全な状態で麻央に起こされてしまう。キングとしては不完全だけど、超強い使い魔がいる。あと、学内のゾンビを操ることも出来た。
 ・遠山麻央・・・超ブラコンだったが、2年前に兄と母を同時に失い学園内に引きこもるように。高城と出会うことで兄への執着を断ち切り、現在は高城に協力してくれている。ネフェルティという便利な使い魔がいる。
 ・高城九郎・・・こんなんでも主人公。ある意味最弱だが、ドラえもん並に便利なアイテムを出してくれる使い魔がいるので侮れない。強制的に指輪をはめられているので、シード以外にも殺されてしまう。
 ・高城末未・・・生まれなかった高城の姉。高城の中に入っていたが、高城を棺から出してあげるために棺ごと死亡。
 ・伊勢鉄三・・・超危険人物。勉強は出来ないが、現状把握能力に優れている。自分に使い魔がいないことを知ると、キングになる権利を捨て不死族になる。今は佐藤らとともに不死族繁栄〜とか言っているが、本音ではレメクの結界を破ることを企んでいるっぽい。
 ・伊勢継子・・・何も事情を知らない可愛そうなコ(笑) 入院中で、直に死んでしまうことを本人も知っている。伊勢(鉄三の方ね)の策略で不死族にされそうだが・・・・・彼女自身、高城に惹かれつつあったみたい。
 ・睦生・・・生まれる前に死んでいた最後のシード。吉国が墓場を壊したせいで、キングとして復活。肉体すら持たない胎児で、他のシードを破壊しようとしている。
 ・那々・・・同上。

 シードはシードにしか殺せない(自殺は出来る)のだが、指輪がはめられていると、そのプロテクトが外れる。赤坂の刀が園部に効かなかったのも、吉国の炎が遠山白右に効かなかったのも、そういう理由。
 母親が死ぬと、使い魔が生まれ「身の安全が保障されるまで」守ってくれるらしい。でも、現在はシードやらキングやらが殺し合う状況なので、使い魔出ずっぱり(笑) 

 
○ キング
 シードを持つ者がシードを持ったまま死ぬと、冬眠期間を経てキングになる。キングは不死族を作り出す濃いイビル・ジーンを持つが、レメクの子でも最後の方の深谷や松平は本能に背いた存在になっていた。何故・・・?

 
○ 不死族
 キングによって化物にされちゃった奴ら。一応、彼ら自身も不死族を作る力はあったのだが、人間の抵抗力が強くなってきているので、子孫を残せるのは佐藤一人だけになってしまっていた(多分、伊勢も残せるけど)。通常、彼らにシードは殺せない。

 
○ キャリア
 不死族にイビル・ジーンを入れられた人間が、人間側の抵抗力が強いとキャリアになる。夜だけ炎を扱ったり、力が強くなったり、言わば対不死族の超能力が備わった人ってことかな。れっきとした人間。
 赤坂が持っている刀は、キャリアである室井の炎で打ったのでキャリアと同等の力がある。彼らにシードは殺せない・・・・ってか、不死族以外には無力なはず。

 ちなみに、彼らにイビル・ジーンをうつしたのは・・・・・
 ・室井←土屋(ジョン・ガルー)
 ・吉国←岡元
 ・清水←土屋
 ・西脇←松平

 
○ ゾンビ
 死体にイビル・ジーンを入れることで作られた駒。前のゾンビは吉国がまとめて壊しちゃったんで、現在のゾンビのほとんどは佐藤が新しく作った。・・・・・だったんだけど、今は遠山白右が操っている。


<まだ分からん謎>
 何といっても、80年代に室井と不死族狩りをしていた男は誰なのか?
 性格は遠山白右に似ているとは思うが・・・・・・彼の父親というオチだとしても、シードが親子で遺伝するものでもなかろうに。遠山白右が母親に虐待され始めたのが学ランを着だした頃だから、昔の父親に似ていて母親が狂った―――みたいな解釈も面白いんだけど、それだと過去編で「シードを持つ者・・・」と言われていた理由が分からない。

 そもそも、1985年段階で伊勢倫子が警察官になっているということは23〜4歳くらい? 現在の倫子が35歳で継子と鉄三が15歳ということは、過去編の段階で二人は生まれていたってこと? それとも、本当の母親が別にいるとか? 鉄三は本当に不死族になったの?? でも、腕が再生しているもんなぁ。











多重人格探偵サイコ 10巻 Amazonで購入
大塚英志/田島昭宇
角川書店・角川コミックスエース
2004年9月26日(?)発売
異常犯罪・国家プロジェクト・多重人格
 クライマックスと思いきや、新章突入っすか!?
 これで節目の10巻を突破・・・・・自分的には、この10巻を境目に「ダラダラしている」ことには厳しくなるので、酷評するところは酷評するかも。

 まぁ、この10巻はそんな雰囲気を微塵も感じさせず、怒涛の展開が続く。弖虎のスペア狩りから、スペアが作られた目的が明らかになり、そこから自身すら知らなかった鬼頭の正体が分かる。真実を知った鬼頭は弖虎と組んで、鬼干潟の抹殺を図る・・・・・のだが、それすら鬼干潟のシナリオ通りに進んでいて、最後に伊園磨知の人格が消滅。二転三転を繰り返すも、張り巡らした伏線を丁寧に畳んでいるだけなので乱暴な印象はなし。むしろ、すげー丁寧だと思った。
 『MADARA天使篇』の焼き直しかと思っていたノンキャリ刑事と女医の恋愛も、どうやら犬彦の監視目的だったらしい。犬彦、報われないなぁ・・・・これで女医が殺されて胎児とか引きずり出された日にゃ、犬彦が可哀想ってよりも、読者のトラウマにならないかが心配。

 スペア話はこれで終了なのかな? 鬼頭の最期を飾るに相応しい壮大で丁寧な話だったので、次巻にまで引き伸ばしたりはしないで欲しいけど・・・犬彦の監視がついていたってことは、彼も誰かのスペア? それとも、雨宮に対する磨知のような存在で、犬彦もルーシー絡みってことか? それだったらちょっと蛇足気味だよなぁ・・・・今更、誰と誰が合体して補完とかいう話でもないもんな。












チクサクコール うすた京介短編集 Amazonで購入
うすた京介
集英社・ジャンプコミックス
2001年3月2日・発売
短編集
 うすた京介氏の初期〜ジャガー連載直前までの読みきりが収録された短編集です。通して読んでみると、彼の変遷が分かって面白いかも。『マサルさん』を機にストーリー路線に転換しているので、ストーリー漫画の方が多いです。『武士沢レシーブ』が好きな人なら間違いなく満足するんじゃないでしょうか。

 発表順に並べてみると、こんな感じ。
 ショート3本(シュールギャグ)
 『それゆけ!未確認飛行物体男』(完全ギャグ)
 『男一匹セニョリータ』(ストーリー下敷きのギャグ漫画)
 『すごいよ!!マサルさん』(スト−リー下敷きのギャグ漫画)
 『ビィフィータ』(9割ストーリー漫画)
 『エト』(ストーリー漫画)
 『ゲンバリング・ボイ』(ギャグ下敷きのストーリー漫画)
 『武士沢レシーブ』(ギャグ下敷きのストーリー漫画)
 『もうちょっと右だったらストライク』(ストーリー漫画)
 『ピューと吹く!ジャガー』(変幻自在のギャグ漫画?)

 それでは、各作品ごとのレビューに。

【ザ・手抜きくん対物酢御くんパァト1】
 これを読んでうすた氏を発掘した編集者は凄いと思いました・・・・今でこそ「うすた氏だから」のフィルターを通して読むから面白いけど、先入観なしで笑う自信はないです・・・

【ザ・警察】
 これは何故か覚えていた・・・・・!!
 「この男があやしいぞ!」のコマが衝撃的でした。

【ザ・はげしいはんこう】
 これ自体よりも、『エト』に絡めてくるのが面白かったです。

【もうちょっと右だったらストライク!!】
 世にも珍しい審判モノの漫画です。ヨーロッパサッカー好きな人は常識的ですけど、試合とは審判が作るものです。日本人にはその概念が弱く、審判は目立たない権力であると思われがち。
 そこに着目して、「ほっとく手はないですよ、マンガ家のみなさん。」とネタを配るうすた氏はなかなかお目が高い・・・・・・普通の職業漫画なんかを描かせても面白いかも知れません。

 ・・・・・・・え?内容?
 可もなく不可もなくって感じかなぁ。

【それゆけ!未確認飛行物体男】
 ビックリするくらい絵が古いです。これを見ると、今の画風が洗練されていることが分かりますね。赤塚賞の佳作をとった頃の作品なので、初期うすた作品の原点みたいな日常/非日常の使い分けが見られます。『マサルさん』初期に近いですかね?

 「こっ、この文章は・・・・!とても字がじょうずだ!!
 しかも大変簡潔な文章で・・・内容も理解しやすく構成されている!!」

 すげー笑いました。

【やれいけ未確認飛行物体男性】
 ↑の続編。ページ数を少なくされただけあって、キレイにまとまっているけどパワー不足という気がします。UFOマン自体が出オチだし。

【男一匹セニョリータ】
 『マサルさん』直前に描いた作品らしく、初期『マサルさん』に通じるノリとパワーで構成されています。ひょっとしたら、『マサルさん』よりも好きかも。薄い顔の主人公や、完全に主人公を食っているヒロインなど―――『マサルさん』とは違った角度で攻めているので、同じ学園モノでも“類似”って感じはしません。

 「ああ・・・で、でも待って!彼は今小便中・・・・小便中に告白だなんて、ご迷惑じゃないかしら・・・? あたしだって小便中 突然男の人に告白されれば、いささかどっきりすることうけあい・・・・」←ヒロインのセリフです。これだけでも、この作品の魅力が伝わると思うことうけあい。

【ビィフィータ】
 マサルさん連載中に描かされた読みきり。確か、1週交代でジャンプ連載作家が読み切りを1本ずつ描いていくという悪魔のような企画だったはずです。『ユガミズム』を描いた藤崎竜も、『METEOR STRAIKE』を描いた和月伸宏も、口を揃えて「(こんなスケジュールじゃ)碌なものが作れなかった」と言っていたように、うすた氏も「載せたくはなかったけど、ページが埋まらないから仕方ない」と言っているほどです。
 完全ストーリー漫画を目指して、伏線とかキレイに張って、それなりにまとまっているのだけど・・・・・肝心の作画が乱れまくってますね。風車や飛び交う虫など、せっかく珍しく幻想的な描写なのに・・・・勿体無い。まぁ、これが『エト』に繋がるのだからヨシと考えますか。

【忍者部隊 ゲンバリング・ボイ】
 『武士沢レシーブ』直前の作品だけあって、ちょっとしたプロトタイプみたいな感じです。何つっても、ちとせが激萌え。うすた漫画には珍しく、女性キャラが引っ張っていく話ですね。『武士沢』が好きなら、まず間違いなくハマると思います。先輩の表情だけで、ガンマが動き出すトコとかすげー格好良いです。
 ただ、惜しむらくはラストのシーンの意味が分かりにくいこと。作者補足を読まなければ、これに気づくことはなかったです。それを抜かせば満点です。あとちょっとで、文句なしの名作だったんですけどね・・・・・

【エト】
 で、こちらは文句なしの名作。
 『ビィフィータ』で見せた牧歌的な描写と、さりげない小ネタ、子ども達とエトの掛け合い、そしてエトが地球を理解していく過程―――特に凧揚げをじっと見つめるシーンは「美しい」の一言。うすた氏の最高傑作と呼ぶに相応しい、凄まじい完成度です。うすた氏のシリアス話を読んだことないという人も、これだけは読む価値ありです。。

 そういえば・・・・・シブシゲの苗字は渋沢。このヘルメットといい、後々のあのキャラはこの子のリメイクなんですかね。ヘルメットの中身、こちらは普通だったけど。それと、何気にユカ萌えです。ちとせ→ちはるのラインに通じるものがある。













テレキネシス 山手テレビキネマ室 1巻 Amazonで購入
東周斎雅楽/芳崎せいむ
小学館・スピリッツコミックス
2005年5月30日・発売
古典映画・テレビ業界・自分探し
 民放キー局の最大手:山手テレビの新入社員である野村マキノは、金曜深夜の映画枠のプロデューサー東崋山の下に配属される。数え切れないほどの古典映画を管理し、映写室を抱えるテレキネシス。古典映画に関しては無知で、ドラマ部を志望していたのにも関わらずも映画事業部にまわされたことで腐るマキノだったが―――多くの山手テレビ社員がテレキネシスを訪れ、映画の中から“何か”を学んで去っていくのを見て、彼女自身も少しずつ変わるように・・・・

 と、簡単にあらすじを説明してみましたが、同じ作画家の『金魚屋古書店』に非常に近いコンセプトの漫画ですね。映画に無知なヒロイン、恐ろしく詳しい男性キャラ、訪れる人々―――古典漫画を扱う『金魚屋古書店』に対して、古典映画を扱う『テレキネシス』という認識はそれほど間違っていないと思います・・・・・・
 が、今回コミックスで読んで、全く別な考えが頭に浮かびました。「構造は近いけど方向性は全く別な作品」なんじゃないか、と。『金魚屋古書店』と『テレキネシス』を決定的に分けるもの―――それは原作者の東周斎雅楽の存在です。


 原作者がどこまで関わっているのかは不明ですが、『テレキネシス』の中には明らかに“モノ作りをする人の視点”が入っています。山手テレビの社員たちはサラリーマンでありながら作品を作っていく人々−ドラマプロデューサー、報道記者、映画の配給会社の社員、バラエティ番組の制作・・・・。そういう意味では、漫画家である芳崎先生よりも、元編集者である東周斎雅楽先生に近い存在だと言えます。

 『テレキネシス』は、元漫画編集者の原作者が描く「モノ作り」をする人々への応援歌なんだと思います。むしろ古典映画はオマケでしかなく、ドラマに味を添えるスパイスに過ぎないとすら言っても過言ではないほどに。


 最近はちょっとパワーが落ちてきた感のある『テレキネシス』ですが、1〜4話はカンペキな内容。特に4話の『サンセット大通り』は凄まじい!ゲストキャラの女優さんが僕のストライクゾーンど真ん中ってだけかも知れませんが(笑)、最高の出来です。 芳崎先生の描く女性キャラ、大好きです。いいにおいがしそうです。

 「あなたにも尋ねるね。本当になりたかったもの、思い出して」
 「なりたかったもの?」
 「そう、ノーマ・デズモンドがなりたかったもの・・・私がなりたかったもの・・・・
 私は役者になりたかった!
 主演でも脇役でもかまわないはずだった」


 創作家を目指す人、サラリーマンとしての道が辛くなってしまった人、自分の道が分からなくなってしまった人・・・・それぞれの人に、それぞれの“何か”を与えてくれる極上の漫画―――それが『テレキネシス』です。是非、一読あれ。



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