河合克敏
小学館・サンデーコミックス
2005年2月18日・発売
競艇・プロスポーツ・人間ドラマ |
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よくぞここまで描いてくれた!!
前の巻を読んだ時、とても1冊でまとまる伏線じゃないと思っていたのだけど・・・・・一応は全てに決着をつけて終わらせてくれました。納得の最終巻。8年以上の連載期間の重みを感じさせてくれるラストでした(特に山崎)
「波多野が澄を選んで、賞金王の優勝戦で洞口を倒す」
ぶっちゃけてこのラスト以外はありえないと、波多野が2度目のダービー優勝した時から思ってました。全国大会の決勝が最終回になる高校スポーツと漫画と違い、プロスポーツの漫画はどうやって決着をつけるのか―――それは年間日本一を決める賞金王優勝しかないだろうと思ってたのですが。
単純にそれだけではなく、「待ち続けてくれる澄」「ずっと競艇選手でいてと言ってくれた青島」という二人のヒロインを絡め、波多野にとってレースとは何なのかを刻み込ませてくれた一戦でラスト。ここまでテーマを集約してくるラストは、洞口と青島がくっ付いた辺りから考えていたんじゃないでしょうか・・・・ってのは、誉めすぎ?
そして、間違いなく後期『モンキーターン』の主役だった洞口。
「やはり、そうだったのか波多野!きさまだけは許せん!」
「待ってろ、波多野。きさまに本当の屈辱を味あわせてやる。」
「きさまにだけは負けん。きさまのように人生をいい加減に生きてるヤツだけにはな!」
「明日のレースはもはや「勝負」ではない。「制裁」だ!」
笑い死ぬかと思った・・・・・・・
Lに執着する夜神月ばりに、歪んだ自己正義を振りかざして自滅する洞口にカンパイ。それでも彼も最後には成長して、ダンプではない手段でVモンキー破りを果たすんですが―――最後の最後、波多野の“最高のターン”の前に敗れ去るという。あわれ洞口。ここまで(ある意味)オイシイライバルキャラを僕は知らなかったです。
しかし・・・・この感動のラストのレース。ストーリーの肝となる“澄ちゃんが住之江まで応援しにきてくれた”という事実が明らかになる(164ページ)前に、コミックスでは1話と1話の間の余白の部分で明らかになっちゃっている(146ページ)というダメっぷり。
マジで編集の人は頭おかしいんじゃないかと思いますよ。あそこは「えぇっ!澄ちゃん、応援に来てたんだ!」とビックリするところじゃん。何故に、余白を埋めるためだけの理由で澄ちゃんの絵を載せたのか・・・・・・・・
まぁ、そんな本編以外の不満点はあるんだけど、洞口父が夢を説き、若い衆が新しいスタートをきる最終回はキレイでした。物凄く久しぶりに山崎が出てきて、すんなり青島に瞬殺されていたり。香子ちゃんや小林さんが出てたり。
あと、ラストの4コマで「終盤の澄が冷遇されていた」のは、作者が澄を「前作『帯をギュッとね』の保奈美と同じポジション過ぎて描いてて楽しくなかった」とぶっちゃけてるのが面白かったです。
確かに、床屋でサンデーでの新連載を読んだ8年以上前―――澄のポジションには一抹の不安を感じたものでした。保奈美だってそれほど人気があった訳じゃないしねぇ・・・・・なので、青島が出てくるまでの序盤・・・・・・・いや、もっと言えば桐生で潮崎を倒す8巻辺りまでは正直微妙な漫画だと思っていました。
作者自身があとがきで述べている通り、桐生での波多野の初優勝→古池が激怒するシーンがこの漫画を名作へと覚醒させた1シーンだったかと。これ以降の展開は、僕的にはほとんど不満なく毎巻が楽しかったです。
もちろん「もうちょっと早く終わっておけば」「アニメ化の影響?」なんて声もあるとは思います。ダービー初優勝までと、怪我を乗り越えてのダービー2連覇までと違い、最後の年なんかは「優勝戦に出るくらいは当たり前」というくらいになっちゃってそれまでのドキドキ感は失われてしまいましたもんね。
でも、冒頭で述べたとおり―――こういったラストを描いてくれただけで、僕は満足です。本当に長い間お疲れ様でした。 |