井上武彦/吉村英治(原作)
講談社・モーニングKC
2005年9月21日・発売
侍・宮本武蔵・江戸時代 |
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1年2ヶ月ぶりの新刊。
再び主人公は武蔵に戻り、吉岡との決戦―――伝七郎との約束を果たすために京に戻った武蔵と、それを暗殺しようとする清十郎との戦いを収録。武蔵視点に戻ったことを象徴するように表紙は武蔵なんだけど、個人的には清十郎の陰(本人でなくとも、清十郎と斬り合っている武蔵の絵とかで構わないから)を遺して欲しかった・・・・・・・・
「新連載を始める気分で」という井上先生の気持ちをこめてか、タイトルロゴと紙質が変更。紙質は最近こだわっている漫画も多いので、別に元に戻ったところで「フツーになっただけだよ」と思えるんですが。タイトルロゴは本棚で浮いてる・・・・・1冊だけロゴが違うのは明らかに不自然なので、早く22巻、23巻を発売してくれないと気持ち悪くてしゃあない。
雑誌で読んだ時には「武蔵、歪んできちゃったなぁ」と彼の辿り着いた境地が邪悪なものにしか思えなかったのですが、コミックスで読み返してみるとそれはそれとして主張は正しいような気もしました。“つながり”を持てなかった又八、“つながり”を持たずに生まれたことを嘆くおつうに「旅で出会った者達との“つながり”」を説く沢庵、吉岡のもの達に支えられて生きてきた伝七郎に、反発しつつも支えあう吉岡の兄弟。
特に―――兄弟ものとしては、清十郎・伝七郎両方の視点から一つに繋がる秀逸な構成。伝七郎が「今までやれなかったことを」と、兄を待ち続ける一方で。弟のために武蔵を討とうとし、清十郎が散る。この描き方はさすがに井上雄彦。武蔵視点では殺伐としてきた『バガボンド』だけど、兄弟視点ではそうとうに熱く切ない話でした・・・・・・・・
こうして他のキャラ達が“つながり”を支えに必死に生きているのに対し、武蔵はほぼ独学で―――出会ってきたジジイ2人をいいように解釈しての、境地に達したワケです。うーむ。しかし、この自然体での殺しって、小次郎が関が原で辿り着いたソレに近いような気がするんだが・・・・これからはこの二人の超越した戦いが始まるって予兆なんでしょうか。
そうそう。雑誌といえば、ですが。
21巻の最後の話が描かれてからしばらく休載に入り、先週ようやくこの続きが描かれたんですが・・・・どうせならモーニング復帰を1週遅らせて、“この続きはモーニング最新号で読めます!”って売り込みで21巻を発売すれば良かったんじゃないでしょうか。集英社だったら、絶対そうしてますよね。まぁ、明日のモーニングにそんな余裕がないほどの重大発表があるのかも知れませんが。
描き下ろしといえば、話と話の間の挿入1コマ漫画くらい・・・・・・ですが、「#185 蓮台寺野」と「#186 斬り合いの螺旋」の間の「もう1回言って?」が面白かったです。この2話にまたがって同じことを言うって時には井上先生ほとんどこのパターンなんですが、いつも笑ってしまいます。悔しい・・・・・ |