幸村誠
講談社・少年マガジンコミックス
2005年11月17日・発売
中世ヨーロッパ・戦場・民族 |
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2巻目にて過去編がようやく終了。この続きは来月のアフタに直接繋がるということで、これでようやく時間軸が戻るみたいですね。アフタの読者としても、「これまでの展開を追いかけたければコミックスを買えば良い」ので、『ハツカネズミの時間』同様に雑誌移籍に関して最低限の措置は取られました。
マガジンを読んでいた際の感覚では「過去編は2巻に2〜3話入りきらないんじゃ?」てなもんでしたが、ページ大幅増加で何とか収録しきりました。1巻に比べると50ページくらい多いですね。その分値段は高いけれど、青年コミックス以上の分厚さを500円というのはお得感タップリ。まぁ、サイズは少年コミックスのソレなんですけどね・・・・・・
というワケで、過去編の主役となるトールズが表紙。
1巻のトルフィン(赤基調)と対比になっていて、本屋さんで見つけやすかったです。
マガジンで立ち読みした時は、度重なる休載とテンポの遅さに閉口気味だったんですが、コミックスでまとめて読むとコレはコレでキレイにまとまっていて読み応え十分でした。
戦に向けて、殺すのも(仲間が)殺されるのもイヤになっているトールズ、無邪気に手柄を立てようと喜ぶアーレ達、父と同じように戦いたいと背伸びをするトルフィン・・・と、三者三様。その溝は埋まることなく、悲劇へと繋がってしまうワケで。過去編はあくまで過去編であり、ここから本編にどう繋がるかが作品の質に関わる問題だと思うんですが、本編への期待値は十分に高めてくれたかなーと思います。背景描写や、細かい小物のディティールなどもムチャクチャ美麗。これを週刊連載しようって考え自体が・・・・・・・・
ただ・・・・まぁ、厳しい言い方をすれば過去編は過去編。
今回で言えば「トールズは死ぬ」「アシェラッドがトールズの仇」「トルフィンはアシェラッドの命を狙って海賊になる」「トルフィンの短剣はトールズの形見」「トールズの軍船はアシェラッドのものに」―――という結果は2話の時点で分かりきっていたことなので、犯人の分かっている推理小説を読まされているようなもの。いくら表現に面白い部分があったとしても、心からのワクワクは出来ないよなぁという残念なところがあります。アシェラッドとトールズの決闘が迫力十分で、トリック的にも面白かっただけに・・・・
今回のように現在→過去→現在と時間軸を混乱させるんではなく、サンデーの漫画みたいに過去→現在とシンプルな物語にしておくのも手だったと思うのですが・・・・・それだと地味すぎて新連載としてはパッとしないだろうし、何よりマガジンとしては新連載ラッシュの目玉としてこの漫画を置きたかったのだろうから、こういうワケ分からん構成になっちゃったのでしょう。勿体ないなぁ。
【過去編→本編に繋がるかどうかの要素】
○ 母、姉、アーレなどの村人は出るのか?
過去編の時点で「年々寒さが厳しくなっている。移民しなくては・・・」という台詞もあったので、アイスランドに留まっているかどうかは分かりませんね。トールズ視点でのヘルガ(母)は語れましたけど、ヘルガ視点でのトールズは語られなかったので―――連載が続けば、再登場の可能性は高いかと。
アーレは再登場するならば、強くなっているというよりも、戦士以外の道を選んで平和に生きているんじゃないかと予想します。その方がトルフィンとの対比になるし。
○ レイフは?
こちらは村人と違ってそこらを渡りまくくっているのだから、バッタリ会うということもありそう。何より作中で唯一ヴィンランドに行ってきた人なのだし、タイトルが意味するものが変わらなければ、かなり重要なポジションとして出てくるのでは?
○ フローキやヨーム戦士団は?
高校世界史の知識で恐縮なんですが、確かこの時代のイングランドはデーン人によって侵略されて王朝まで建てられていたはず。調べてみると、それが1016年。作中は、10年前が1002年だったはずなので、本編(1012〜13年くらい?)も依然として戦争が盛んな時期―――どこかで絡んでくるのは間違いないっぽい。
しかも、ヘルガは当時の首領の娘だったそうで、その辺りのトルフィンとの因縁も出来そう。父の死の真実を知った時、復讐に燃えるトルフィンがどういう反応をするのか。
○ アシェラッド組のメンツ
現在のところ、アシェラッド以外はビョルンくらいしか目立ってませんね。
ビョルンは第1話冒頭でアシェラッドと話していたり、第2話でトルフィンの肩を入れたりしていた人。トルフィンのことを買っていて結構いい人なのかと思ったら、過去編ではバーサーカーモードになった挙句にトールズに瞬殺。激昂してトルフィンを人質にとったり、本質的にはコイツがトールズの仇と言っても支障がないほどじゃないかという落ちっぷりを披露。
少なくとも、“頼れる仲間”というポジションには戻れそうにない・・・・・
○ 「戦士に剣など要らぬ」
帯にもついているように、この台詞は今後のトルフィンの復讐劇の重要な一要素になりそうです。「自分の身を守るためだけに使え」と渡された短剣で、父の言葉と正反対の行動を取るしかない彼が、どうやって復讐から解放されるのか―――
第2話の「人は誰しもが何かの奴隷」とアシェラッドの台詞の通り、トルフィンの復讐は作中ではネガティブなものだと描かれているので、トルフィンが自由になってエンディングだとは思うのですが―――果たして。
というワケで、根源的な不満はありますが十分に楽しみました。
やっぱりコミックス向きの漫画ですよね。少なくともマガジンで連載を追いかけるのに向いていたとは思えませんや。それでは、12月からのアフタ移籍をとてもとても楽しみにしております。
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